「ここで最後の病院にしたい!」 鎌倉 9歳
平成3年生まれの娘がアトピーと分かったのは3ヶ月検診の時でした。膝や肘の内側がカサカサだったので医者に聞いてみると「アトピーかも?」と返答があり、その時私は「アトピー」という言葉を知りました。
それからしばらくして離乳食を食べるようになり、徐々に症状がひどくなりました。自分で皮膚を掻くようになり、血が出ることもあり、近くの病院に行きアレルギー検査を受けることになり、検査の結果は「アトピー性皮膚炎で卵と小麦粉が原因。」との事でした。そこで帰りに粉薬と塗り薬をもらいました。これがステロイドとの付き合いの始まりです。
薬の効果としては、一時的ではありましたが痒みを抑えることができ、その時は何の疑問も抱きませんでしたが、何年経っても治る兆しが無く、そんな時に少し疑問を感じてアトピーに関して多くの書物に目を通すようになり、また同様の悩みを抱える人のアドバイスもあり、結果として病院を変える日々が続きましたが、どこもステロイドを使用する医者ばかりでした。
ステロイドが良くないものだと分かりだした時でも、医者が出す薬はステロイドでしかも医者の言い分としては、「弱いステロイドですから、副作用に対しても安全です。」との答えしかなく、そんな繰り返しで、医者を避けるようになりしばらくは食生活(卵をひかえる)での我慢が続いておりました。
そんな時にご近所の方からステロイドを使わないで治してくださる松本医院のことを知ることなり、初めて病院に訪れたときに待合室で大勢の方の手記を読み、驚きと共にやや諦めていた治療に関して期待を抱けるようになりました。それからは当時8歳の娘がここでいただく「ニガイ薬」を頑張って飲み、時間と共に治っていく様子が明らかなものとなり、10歳の頃には症状も外観ではほとんど出なくなり、自己の判断がいけなかったのですがもう治ったのではと判断してしまうまでになり、病院が遠ざかるようになりました。
しかし今年の春先ぐらいから症状がまた出始め、小学校のプールが始まると塩素の原因?で症状も酷くなり「自己の判断での処理」に大反省です。今度こそ先生の判断で完治しましたと言われるまで治療し、頑張っていきます。(自然後天的免疫寛容が起こる為には大量のアレルゲンが連続的に体内に入ることが必要です。従って毎日大量に摂取している食べ物に含まれている化学物質に対する免疫寛容がまず生じます。次に引っ掻き傷から常時侵入してくるハウスダストやダニに運ばれる化学物質に対して免疫寛容が起こります。一番起こりにくいのは一年に一度しか出会わない花粉によって運ばれる化学物質に対してであります。元来、アトピーは皮膚の症状が良くなったから治ったというものではありません。アレルギーの本質はあくまでもIgE抗体を作り続けるかどうかの問題です。つまり一つ一つのアレルゲンに対してIgE抗体が作れなくなった時に、言い換えると一つ一つのアレルゲンに対して一つずつ自然後天的免疫寛容が起こり、全てのアレルゲンに対して免疫寛容が起こったときにはじめて完治したと言えるのです。従ってこの子供のように皮膚の症状が一時的に消えたから勝手にアトピーが治ったと考えて治療をやめても、1年の季節変わりに大量に飛散する花粉に対して再びアトピーの症状が出ることがあるのはしばしば経験されることです。このような意味で花粉に対するアレルギーが一番治りにくいともいえます。しかし、それでも最後には花粉に対しても自然後天的免疫寛容が起こって全てのアレルギーは完治します。)
平成14年8月