「アトピー」 田中美和・佑季 1歳

息子は、生後1ヶ月が過ぎた頃から、頬のあたりから顔全体へと湿疹がでてきはじめました。小児科の先生の診断では、“乳児性湿疹だろう”と、いうことでした。

“現段階では、アトピーとの区別はできにくい”とのことで、“アンダーム”という薬を頂き、かさついているところに塗り、しばらく様子をみていたのですが、一進一退で、治まる様子もありませんでした。「やっかいな皮膚病」という知識、情報しか知らなかったので、(私の子があのアトピーなのか?大変だ)(軽い湿疹であってほしい)と思いながら毎日がすぎていきました。が、3ヶ月程経ったある朝、子供の顔をみてショックをうけました。頬はジュクジュクして膿んだようになり、耳切れ、シーツには血がついていたのです。一晩で、無残に息子の顔がかわっていたのです。何とかしなければと、近くの皮膚科へ飛び込みました。診断は「アトピー性皮膚炎」。

処方された薬はジュクジュクしている所に塗る物と、湿疹のみのところに塗る物の2種類でした。ステロイドは入っていないとのことでした。ステロイドは良くないときいていたので、安心して使用してみると、翌日には良くなってきました。しかし、行き場を失った湿疹は抜け道をさがすかのように、腕、お腹、ふくらはぎと、頬以外の場所に出始めたのです。そして、薬を塗るとよくなり、しかし、また、塗らないと出てくるという状況に薬にステロイドが入っているのではと不安を感じ、悩んでいたところ、実母がご近所の方から松本先生の話を聞き、おしえてくれました。4ヶ月の子供をかかえての通院、その時期が夏休みということもあってか、かなり患者さんが多く、1日がかりでしたが、それまでの病院とは違い、先生の考え、治療方針を納得し、先生の“必ず治してあげます。”という言葉を信じ、励まされ、治療がはじまりました。

漢方風呂は、子供がまだ、幼かったので不安でした。なぜなら、長時間つからせるとのぼせてくるからです。しかし、自分ではまだ、なにもいえない頃なので、いつも様子をみながら出来る限り長くお風呂につかっていました。食事の方は、まだ、離乳食もはじまってなかったので、先生の言う“なんでも食べさせなさい。”は、実行できず、お風呂を中心にしていました。消毒の後、お風呂に30分から40分ほどはいり、あがったらお風呂のお薬の濃い液を塗り、皮膚を再生するという紅い軟膏、傷口に白い薬。それを12回昼頃と夜と毎日繰り返していました。頬は、ガーゼをお風呂に浸し、出来るだけお薬に浸してました。

3日、5日、1週間続けていくうち、頬の赤み、体全体の湿疹のでこぼこが、少しずつ滑らかになっていくように感じました。そして、1ヶ月が過ぎた頃、綺麗にとまではいかないですが、すっかり見違えるほど白い肌がよみがえりました。息子の場合はステロイドによる治療をほとんどしていなかったせいもあるのかリバウンド現象は気がつきませんでした。食事も離乳食がスタートし、徐々にいろんな物をたべさせるようにしていましたので、その後も、湿疹がでてきたりしましたが、漢方のお風呂に入れ続けていると、約1週間で、湿疹は引いていきます。食べさせては湿疹が出ての繰り返しでしたが怖くありませんでした。今の月齢に食べられるものすべてなるだけ食べさせるようにしました。そして、松本医院へ通いだして、6ヶ月後、先生から“様子を見ながらお風呂にいれていけばいい”というようなことを言っていただけました。

離乳食が終わり、私たちと同様の食事が出来るようになってからも、湿疹は出たり、出なかったりその都度、先生にお電話で薬をお願いし、送っていただきました。湿疹がでない期間が半年、そして、治ると今度は1年、そして、今年は秋も冬も無事過ごせ(秋になると湿疹がでてきていたので)と、だんだんと子供の体が丈夫になっていくようになりました。時間とお金はかかるけれど、絶対に良くなる治療法に、早い段階で松本先生に出会えたことが本当によかったと思います。そして、不安を感じることなく治療に望めたのも先生の“必ずなおしてあげます。何かあったら電話をいつでもかけていいよ。直らなかったらお金をかえしてあげます。”のおかげだと感謝しています。本当にありがとうございました。