「漢方でアトピーを治す」  江木 柾己 2歳

 「母胎の免疫が切れる」と言われる5ヶ月頃から、柾己の顔の湿疹がひどくなり、(母体の免疫が切れることとアトピーの発症とは関係がありません。母体の免疫が切れるということは母親からもらったウィルスや細菌に対するIgG抗体が切れることであります。一方アレルギーの抗体はIgE抗体であり、アトピーが出るということは初めてIgE抗体を作り出すことであり、全く意味が違います。)「掻いては血や汁が出て、かさぶたができたと思ったらまた掻いて」の繰り返しでした。近くの診療所でお薬をもらい、塗っていたが一向に良くはならず、逆にひどくなっていくようで、(この診療所の医者は良心的な医者であり、ステロイドを用いなかったために良くならなかったと思われます。症状が良くなる薬は必ずステロイド剤が入っています。ところでステロイドが入っている薬にはステロイドと記されているものは何もありません。デキサメサゾンやベータメサゾンやプレドニゾロンなど聞き慣れない成分名がステロイドなのです。ステロイドは副腎皮質ホルモンのいわば総称であるだけで、ステロイドと書いていないからステロイドが入っていないと思い込んでいる人がいるので気を付けて下さい。)原因も治療法も分からず、長く暗いトンネルの中に迷い込んでしまったようでした。

 6ヶ月を過ぎた頃には、そのジュクジュクした顔にヘルペスを感染し発熱、T病院に入院することになってしまいました。(元来ヘルペスは老人の感染症だったのですが、近頃アトピーが増えステロイドを使うために免疫の力が弱まり、乳幼児にもヘルペスがよく見られるようになりました。)入院中は点滴につながれ、顔は全面ガーゼに覆われ、「このまま痕がのこるだろうか」という不安が頭をよぎりました。母乳もその時断ち、粉ミルクに切り替え、離乳食も卵・牛乳抜きに、顔を掻いては治らないので、肘が曲がらないようにバンドをはめられたり、全てがやってはならないことでした。(これらは全て何の意味も無い無駄な治療であります。)

 その後、針治療や漢方療法にも通うが埒があかず、(漢方をしているからといってそこへ行けばアトピーが治るわけではありません。一番被害の大きい治療は漢方を飲みながらステロイド剤を塗ることです。というのは漢方はただ皮膚の新陳代謝を促進しているだけなのです。新陳代謝が活発な皮膚にステロイドを塗ると、ステロイドの吸収が高まりますますステロイドの副作用で苦しむことになります。)病院で身知らぬ人が柾己の顔を見て教えてくれた「松本医院」へ足を運ぶことになりました。それからはジュクジュクした顔が乾いていき、ステロイドを使用した分、時間はかかりましたが、良い方向へ向かっていきました。(教えてくれた人も私が治してあげたアトピーの患者さんです。)

 漢方を煎じたり消毒し軟膏を塗るなど、今から思えば毎日面倒なことをやっていたと思いますが、全て先生の「絶対治るから。」という言葉を信じてきましたし、また、何よりも「何をしても大丈夫。」という言葉が母親にとって救いでした。(実を言えば、アトピーの患者さんがしてはいけないことは、日本に住むことだけです。日本を去って化学物質が何も無いジャングルにでも移住すれば必ず簡単にアトピーは治ります。なんとなればIgE抗体を作る能力があっても、免疫系を刺激してIgE抗体を作らせるアレルゲンがなければアトピーは生じないのです。)今やっと、もうジュクジュクした皮膚になることはないという自信がもて、何を食べても、何をしても良いということの有り難さを噛みしめている毎日です。(食べてはいけないのは食べ物ではなくて、食べ物に含まれている農薬を初めとする化学物質であります。この点が全く誤解されて栄養不良児をあちこちで医者が生み出しています。)

 最後に、ステロイドを使用することは良くないと分かっていながら、結局病院で渡される薬を使うしかない私達患者のために、日本の医療に、松本医院さんのような東洋医学の医療法が普及することを願っています。有り難うございました。(東洋医学が普及すれば、アトピーが無くなるわけではありません。アトピーの治療の一番大きな問題の一つは感染でありますから、西洋医学の抗生物質や抗ウィルス剤は絶対に必要です。いずれにしろ私の理論と実践が全世界に広まれば、全世界からアレルギーを根絶できることは言うまでもありません。この患者さんは完治され、もう来院されておりません。)