「アトピー闘病記」 H.T. 44歳
私は44歳の男性です。6,7年前、首から胸にかけ湿疹ができ、会社の近くの皮膚科で見てもらったところ、アトピーと診断されました。軟膏をもらい、塗ると2,3日で治ってしまいました(見た目)。こんなに早く治るのに、世間では何をアトピー、アトピーと騒いでいるのか不思議に思った。また、素晴らしい薬があるもんだと感心もしました。今思うと、この薬はステロイド剤だったと思います。そして、この薬との出会いが、地獄への旅立ちだったのです。それから1ヶ月ほど無事に過ごせましたが、今度は両足の膝の裏側に湿疹ができ、皮膚もただれ、痒みもすごかったので、別の皮膚科(家の近く)へ行きました。そこでは、乾燥肌と診断され、マイザー軟膏(三菱東京製薬)と保湿剤(名前と会社名はわからない)をもらい塗りました。当然のごとく、いったんは良くなりますが、また再発します。そしてまた軟膏(マイザー)を塗る…。この繰り返しが6年間続き、湿疹の箇所も背中、両腕、腹部へと広がっていきました。仕事中も、車の運転中も、寝る時も激しい痒みが襲ってきて、本当に嫌になりました。シャツを脱ぐとあちこちに血がついていました。このころ、ステロイド剤に副作用があるということは知っていましたが、痒みから開放されたい一心から、「副作用なんかどうでもいい」というやけを起こし、塗りまくっていました。また、ステロイド剤と併用して、にんにくエキスの入った入浴剤やメンソレータムAD、ムヒSなど非ステロイド剤も、いろいろ試しましたが、いっこうに良くなる気配がなく、6年余りがたちました。そしてついに顔に湿疹が出てきました。顔とほおには赤いぶつぶつが、目の周りは皮がむけ、とても見られたものではありません。恥ずかしくて、街を歩くときは、いつもうつむき加減。顔には、ネリゾナクリーム(日本シエーリング)を塗っていましたが、効き目はあまりなかったです。 このころ、女房からアトピーを漢方薬で治してくれる、良い医者が大阪にいると聞かされ、またインターネットでホームページを開設しているとのことで、早速、拝見させて頂きました。アトピーとは何か、また、ステロイドがどんなに怖い薬か、ということが一応理解できました。IgE抗体とか黄色ブドウ球菌など、聞き慣れない言葉がたくさんありましたが、2,3回読めば何とか理解できました。そしていろんな方の手記を読み、ステロイドのリバウンド克服への苦労や努力、素晴らしい精神力に感動させられました。私も松本先生のお世話になろうと決心いたしました。 2001年9月18日「脱ステロイド宣言」。 それから約2ヵ月後の11月28日、初めて松本医院を訪れました。アトピー治療再出発の記念すべき日となりました。名前を呼ばれ、いざ診察室へ。当然、症状を見ると思っていたのに先生は、いきなりビンラディンの話や厚生労働省などのお上の話、はたまたやくざの話を次から次へマシンガンのごとく話し始めました(おいおい、アトピーは何処へ)。最後に私の体をチラッと見て、「アトピーは必ず治してあげます」。先生の力強いお言葉を信じ、期待と不安が交錯しながら、漢方の入浴と煎じ薬、塗り薬を試しました。翌日、微熱が出たものの、肌が荒れている部分は1週間で良くなりました。あとは痒みと引っ掻き傷と、顔など、ところどころの皮膚の赤みだけです。血液検査の結果、IgEは確か158だったと思います。あまり多くなかったので安心しました。私は仕事の関係上、不規則な毎日を送っております。4勤1休のローテーション職場です。初日から3日までが夜間、遅い時で午前2時に仕事が終わります。家に帰ると午前3時頃になります。それから入浴の準備にかかり、蒸らす時間の間、漢方の煎じ薬を飲み、夜食(私にとっては晩ごはん)を食べ、風呂に入ります。寝るのは朝の6時頃になります。風呂あがりには当然、生薬、その他先生から頂いた薬を塗ります。4日目は通常の昼勤です。このような毎日ですから、通院を含め入浴や薬を塗るのは、結構大変でした。従って、入浴をさぼったり、朝寒い時などネオヨジンを塗るのを怠ったりしたことも、たびたびありました。さて通院後1週間は調子よく治っていきましたが、10日目あたりから治っていた腕や額などに再び赤いぶつぶつが出てきました。また、アトピーと関係あるのかどうかわからないが、目やにが多くなりました。会社では8時間以上パソコンと向き合っているので目もかなり疲れます。11日目、首、胸、肩、背中が大変痒くなり、2時間しか眠れなかった。12日目、会社から帰ると、背中の皮膚がかさかさになっており、シャツを脱ぐと、乾燥した小さな多数落ちた。風呂に入り、顔を洗うとほおの皮が剥がれた。この日も、肩や背中が痒く、またところどころチクチクして、なかなか眠れなかった。10日目あたりから首のつけねや背中が痒くなり、首を左右に振るのが少しつらい。最近、症状が悪化しているみたいな気がする。喉が渇き、体がだるく感じた。とにかく痒くて痛いという変な状況。冬は空気が乾燥し、会社もエアコンがきいているので、肌には良くないように思う。通院して1週間を経過したあたりから、ステロイドのリバウンドが少し出てきたのかもしれない。2002年1月1日。新しい年が始まりました。今日から3日間、会社は休み。治療に専念しようと思っていたが「どこかへ連れてって」と、子どもに言われ、仕方なく2泊3日で神戸へ。ネオヨジンとエルタシン軟膏と紅色の漢方薬、お茶を持って出かけた。しかし、歩き疲れからかホテルに戻るとバタンキュー。思うように薬が塗れず、真っ赤な顔のまま正月を神戸で過ごし家に帰ってきました。背中も首もガサガサになり、痒みもひどく最悪の状態でした。1月9日ぐらいから顔の赤みやカサカサ感はそのままで、鼻や鼻の下(唇の上)そして耳まで赤くなっていた。1月11日、顔の赤みがよりひどくなった。風邪もひいてないのにマスクは常備品となってしまいました。2月に入り、左手親指の先の部分の皮膚が硬くなり、切れ目ができかなり痛い。このような症状は初めてである。顔、首、背中の症状は1月と変わらず、せめて顔だけでも早く治ってほしいと思う。2月10日くらいから左手の5本の指先全て同じ症状が現れる。特に親指と小指がひどい。物に触れると痛く、紙を持つのも苦痛である。普段は気が付かないが、指は結構、物に触れているということが分かった。3月になると指5本すべてひどくなった。皮膚は硬くなり、切れ目ができている。左の手のひらと指には、小さな水泡が全体にでき、かなり痒い。右手の指も小指、中指が同じ症状になった。指先は痛く、つけねと手のひらは痒い状態。顔の赤みは、ほんの少し改善の方向に向かっているみたいだ。でもまだマスクはつけている。2回目の血液検査の結果が出た。IgEなどアトピーに関する数値は、少し減少していた。なかなか治ってくれないが、根気よく治療を続けていこうと思う。ところで話は変わりますが、最近、ステロイドを使用しないアトピー薬の研究・開発が大学で進められているとの記事が新聞などで報道されています。徳島大では、香川の酒造会社との共同で、米を原料にした「米エキス」を開発。皮膚バリア障害を改善し、水分保湿機能の高い角質層をつくるという。付属病院などでの臨床試験では約9割の患者で痒みや皮膚のカサカサ度が改善されたらしい。一方、大阪大と弘前大は共同で、人口DNAの作用でアトピー性皮膚炎の症状を抑える塗り薬を開発、マウス実験で効果を確認。ステロイドと同程度以上の効果があり、副作用は少ないという。近く臨床実験も始める予定らしい。人口DNAがNFkBというタンパク質の働きを抑えるらしい。これらのようにステロイドを用いずにアトピーを治す研究が各大学などで進められていることは、良いことだと思う。さて4月に入り、だいぶ暖かくなってきた。街を歩いていると汗ばむ陽気である。桜の開花も例年より10日程早いようである。悪玉コレステロールが少々高いので、なるべく歩くことを心掛けている。しかし、汗をかくと痒みが激しくなるので、汗をかかないよう、ゆっくりと歩いている。3月までマスクをしていたが、今はしていない。顔の赤みがかなり少なくなったからだ。背中も普通の皮膚に戻っている。顎から首にかけての部分はまだ少し赤くただれている。指はまだ痛く、ときどき、激しい痒みがある。4月末、松本先生のお世話になってまる5ヶ月。背中の痒みが全くなくなった。これはわたしにとって大変素晴らしいことであり、感激の何物でもありません。痒みは一生治らないと思い、あきらめていた時期があったからです。顔もほとんど治っている。あとは手だけとなった。5月は4月とほぼ同じ状況。知人から「掌せき膿胞症では。確か秋田にいい病院がある」「たばこやめたら早く治る」「日田天領水を飲めば」など、いろいろ言われる。心配してくれるのはありがたい。しかし、秋田まで行けるわけないし、たばこはやめられない。今もたばこを吸いながら、この文章を打っています。6月初旬、漢方の風呂に入った後、手だけ別に約1時間、風呂に漬けることにした。(会社が休みの日は1日2回)。そのかいあってか、見た目がかなり良くなった。当然、痛みも痒みも減少している。足のほうにも、このような症状が現れないかと不安もあるが、とりあえずは、もうひとふんばりだ。 私のアトピーは軽症でしたが、仕事に支障をきたし、6年間も汚い皮膚と痒みに悩まされてきました。しかし松本先生のおかげで、わずか半年で、その悩みから解消されつつあります。感謝感激の何物でもありません。先生、ありがとうございます。アトピーはレーザー治療など数え切れないほどの治療法があります(利くかどうかは別)が、アトピーで悩んでいる方は、松本先生の治療法方を信じて頑張ってください。もちろん根気と努力は必要です。健康な皮膚を取り戻しましょう。 |