「娘とアトピー」 肥後 有里恵 3歳 娘の友里恵はちょうど3年前産まれたときから、全体、特に顔の皮膚が赤くてカサカサでした。おおよそ、TVや本で見る"つるつるほっぺの肌のきれいな赤ちゃん"からはほど遠かったです。でもその時は"乳児湿疹"(このような診断名は滑稽です。皮膚の病気というのは大きく分けて湿疹と蕁麻疹しかありません。湿疹には皮膚が紅く斑点になるものや、丘のように盛り上がるもの、リンパ液が出るもの、水のようなものが出るもの、膿のようなものが出るもの、カサカサするもの、鱗のように皮膚の屑が出るもの、皮膚が硬くなるもの、皮膚が割れるもの、皮膚がただれたり潰瘍になるものなどがあります。従って乳児に出た皮膚の病気というような診断は極めて滑稽であります。皮膚科の診断名はこのような例が多いのです。実はこれがアトピーであり、アトピーの初期症状というのは軽症であるのです。ステロイドを用いることによってどんどん重篤化していきます。さらに、乳児湿疹と言われたら 患者さんの母親は医者に尋ねるべきです。何故乳児湿疹が出るのですかと。医者は答えにつまるでしょう。また、治るかどうかも尋ねるべきです。曖昧な答えしか出ないでしょう。)で、こういうものは出るだけ出した方がいいとのことで清潔にしていただけでした。2ヶ月して顔がやっときれいになってほっとしていたら今度は耳だけでしたがジュクジュクしてとても痒い湿疹が出てきました。この時、まだ漢方や松本医院の存在すら知らず、いわゆる西洋医学でいう「ひどいアトピーにはステロイドが有効。」というのをうのみにして、病院で出されたステロイドを塗りました。確かに塗ると1日で真っ白にきれいになるのです。(ステロイドってすごいでしょ!従ってその副作用もすごいわけです。)でも副作用の恐ろしさを本で読んで知っていたので中断してみました。すると、少したつとまたジュクジュクするという繰り返し状態になりました。そのうち6ヶ月になり離乳食が始まると、鶏肉を食べると口の周りが赤くなり痒がりだしました。(鶏肉に含まれている農薬や抗生物質がアレルゲンなのであります。)近くの小児科(アトピー科)で血液検査をしたら卵に強いアレルギー反応が出て、"アトピー"と診断され卵・鶏肉の除去食が始まり、産まれてから常に「アトピーだったらどうしよう。(除去食で価値のあることは食べ物を抜くことに意味があるのではなくて食べ物に含まれているアレルゲンである化学物質を除去していることになります。従ってアレルゲンを入れなければ症状は落ち着きます。)そうでないといいが・・・。」という不安が現実のものになりました。(子供がアトピーであることに不安を抱く必要は全くありません。それどころか誇りを感じるべきです。異物を認識する能力が高いわけですから、癌になりにくい可能性が大であります。しかも、アレルギーの治療は私にとっては極めてたやすいことであるからです。21世紀は、全ての人が多かれ少なかれアレルギーを起こすでしょう。何故ならば、後進国が豊かになるために日本と同じように化学工業都市国家を建設しようとして、全地球に化学物質が撒き散らされるからです。)ただ、保湿と除去食をしていたら、そのうち肌も全身きれいになりホッとしていました。ところが、アトピー体質(アトピー体質と言う否定的な言い方はおかしいと考えます。というのは、アトピーとは体内に入ってきた異物を体から排除するという正しい体の反応であるからです。)というものは完全に変わるというものではなくて、本当にはっきりとした原因は分からないのですが、2歳2ヶ月(今年の2月)に突然目の周りを擦りだして、真っ赤にガサガサになったのです。それからは肘・膝・首・手首の周りにブツブツが出て痒がって、特に夜間にボリボリ掻いてシーツが血だらけになるほどでした。(今までにこの幼児が出会ったことの無い化学物質が大量に入ってきたと考えるべきです。)もうびっくりしてかかりつけの小児科に行くと、いつものようにステロイド軟膏と飲み薬(抗アレルギー剤)が出されました。しかし、その時私は「このままこんな事を繰り返していたら、ずっとステロイドと縁が切れなくなってしまうのではないか?」という不安がよぎりました。(現代の小児科や皮膚科の医者はこのような不安に自信を持って応えることが出来ない為に民間療法がはやるわけであります。)そして「ステロイドを使わずに何とか体質改善をして根本からアトピーを治さなければ。」と思ったのです。それはもういろんな本を読んで、食事療法・水・アロエなどいろんな方法があることを知りました。そんな中で漢方の本を見つけ、体の歪みを根本から治すという方法に引きつけられました。(体の歪みを根本から治すという表現は文学の世界の話です。あえて言うならば環境の歪みと言うべきなのです。アトピーは体の歪みではないのです。逆に体が正常過ぎるからです。また、漢方というのは特別な薬ではありません。医食同源という言葉があるように食べ物と変わるところはありません。ただ、おいしくはないので常食には出来ない訳ですが、体の本来の働きを手助けすることができる力を持っている食べ物が漢方と言っても良いでしょう。)と同時に、偶然というか縁というか、同じ社宅のお友達のご主人も成人アトピーで、漢方でどんどん良くなってきたという話を聞いて3月に松本医院を紹介していただきました。副作用もなく体質改善による根本治療ができるということで、漢方と松本先生を信じて頑張ることに決めました。(体質改善という言い方は極めて曖昧でありますが、根本治療という意味であれば正しいわけであります。実を言えばアトピーが治るというのは、文字通り"体質改悪"なのであります。何故ならば異物である化学物質が入ってきても排除しなくなることであり、体を汚染環境と同じレベルまで落とすことになるからです。この意味では体に化学物質が蓄積する可能性があるわけです。)初診でアレルギーが現代病でアトピーは農薬とステロイドによる被害であることをわかりやすく説明していただき、先生も「必ず治ります!」と力強く言って下さってとても安心しました。 さあいよいよ治療開始となりました。まず漢方薬を飲んでくれるか心配でしたが、最初の2・3日は嫌がっていましたが(今でも時に嫌がることもありますが)それでも言い聞かせたり、甘い蜂蜜で飲ませているうちに、ちゃんと飲んでくれるようになりました。(がんばれ、がんばれと励ましながら・・・) お風呂は喜んで入ります。娘はまだステロイドの使用量は少なかったのでリバウンド現象はそれ程ではなかったのですが、それでも飲み始めた頃はどんどん痒いところが広がっていきました。(漢方を飲むと免疫が高まり、IgE抗体が増えていきます。従ってアレルギー反応も高まり一時的に痒みもひどくなりますが、痒ければ掻けば良いだけです。)不安でしたが、そのうちに治まると信じて我慢していました。調子の良いときも悪いときもあり、それを繰り返しながら少しずつ良くなっていくようでした。そして、治療を始めて4ヶ月後、7月には顔と首がすっかりきれいになり、やっと外を堂々と歩けるようになりました。そして夏が過ぎ、9月頃には肘もきれいになりあとは膝を残すのみになりました。それからあと一息の状態が続いていますが、それでも病院に来た3月のことを思えばずっとずっときれいになってきています。またアレルギー体質の改善になっているせいか、鼻風邪を良くひいておりましたが今年はぐっとその回数も減り、とても元気になったような気がします。(漢方の働きのひとつは細菌やウィルスや化学物質を含めて異物を排除しようとする免疫の働きを高めてくれます。) 治療を始めて8ヶ月、もうゴールも近いと思いますが、それまで二人三脚で完全にきれいになるまで頑張っていきたいと思います。先生どうもありがとうございました。(もう完治して来院されておりません。ステロイドの副作用を知っている母親をもった子供は幸せです。結局アトピーの根治治療というのは、90%以上ステロイドの影響を取る事です。4歳以下の子供のIgE抗体のデータは少ないのは、子供が泣き喚いているときに注射をして採血するのがとても心痛むからです。) |