20年以上付き合った病気と闘って」 一口 亜希 26歳

 生後3ヶ月から、頭に湿疹ができ髪の毛はまるぼうずで、よく男の子と間違われることもありました。病院には朝早く行き、帰るともう昼をすんでいる。という状態だったので、母は大変苦労したと思います。中学になると、おでこに赤い湿疹ができ、頭の中にはにきびのようなものができ、皆に気付かれるのがとてもいやでした。高校になってからは、顔に出るようになってしまいました。高槻の医大を紹介され、1年程通いました。大量のステロイドを塗り、それでも治らないなと言っていた時、知り合いからステロイドの怖さを知り、健康食品に切り換える決意をしました。次の日からすごいリバウンドでした。その時は、リバウンドがあるなんて知らなかったんです。顔がパンパンにはれて、じゅくじゅくになり2週間寝られない状態でした。次に滋賀医大を紹介され、またステロイドを塗ることになりました。世界的な先生と言われ安心したのもつかの間、だんだん強い薬になり、それもだんだん効かなくなってきました。

 二十歳くらいから、年に2度程ひどくなり、民間療法を始めることにしました。しかし、お金がかかり続けることが難しくなってきたので、それもやめてしまいました。また、病院に通う日が続いて、かん減療法や、飲み薬の治療でした。もうこんな治療しかないんだ。とあきらめていました。

 そんな時、知り合いから松本医院の話を聞きました。漢方は怖い。高い。いいのにあたれば治る。などでたらめを聞かされていたので、ずっと避けていました。でもこれを最後にと祈りながら行くことにしました。

 先生に会って、圧倒されてしまいました。すぐに、「この肌はステロイドの肌や。」「これは君の肌とちゃうやろ。」といわれました。それから、私の手をとり、「必ず治してあげるから。この真実の目を見なさい。」とくり返し言ってくださりとても嬉しかったけれども、その迫力には私も母もあ然としてしまいました。またリバウンドが出るかと思うと、胸が締めつけられるほどになりましたが、先生のテンポに乗せられ、もう引き返せない状態になっていました。

 始めて1週間は何もなかったけれど、2週間くらいしてから、顔が腫れてきました。首も痒くなってきたけれど、何か今までの痒さとはどこか違っていたような気がしたんです。かけば気持ちいいが、消毒がすごくしみて涙することも何度もありました。1ヶ月たってから、今まででていなかった足の股や、腕にまでひろがってきました。漢方を飲み始めよりもこの時のほうがひどく、かきむしったり、リンパ液が出たりして、全然寝れませんでした。1,2週間そんな状態が続きました。「かけばすごく後が痛いので、かき方も考える。」と先生に言うと、「君はアトピーのプロやな。」と言われました。そんなプロにはなりたくないなーいと思わず言ってしまったことを覚えています。(笑)2ヶ月くらい経っても痒さは変わらず、だんだん不安になることがおおかった。その度、みんなの手記を何度も読んで自分と同じ人がいっぱいいる。と慰めを得ていました。2ヵ月半経ち、ようやくリンパ液が出なくなり、足もボコボコしていたが、表面がつるつるになってきました。顔の皮もお風呂から上がる度、少しずつめくれて、感動していました。黒い皮がだんだんめくれていったので本当に嬉しかったです。病院にいくとことは勇気がいったけど、先生の声、診察中にかかってくる多くの患者さんの電話の対応、一人一人を心配してくれる先生の姿を見ると、元気になったり、またがんばろうと思えたりしたので、病院に行くことも自分にとって大切だ。と思いました。看護婦の下口先生にも本当に励ましていただいて、ここなら安心だ。と思えました。3ヶ月経った頃には、久しぶりに会った人にきれいになったね。と言われるようになりました。友達にアトピーの人がいるので、話すとみんな病院を教えて欲しいといいました。

 今はもう、1年半経ちました。まだ痒いし、体にもしみが残っています。季節によりひどくなったりもしますが、薬を塗っている時に比べれば全然我慢できるし、きれいになるという希望もあります。早く治りたいけれど20年かかった病気をそんなすぐに治せるわけがないと思っていますから、これからもがんばろうと思います。また、紹介した友達と共通のことを話し合ったりもしています。その友も励みですが、すばらしい先生に出会えて本当によかったと思います。これからもよろしくお願い致します。そしてこれからもかたい握手と、先生のパワーは絶やさないでがんばってください。