「信頼していた医者に裏切られて」 石原 栄 26歳 女性 先生の所に通院し始めたのが平成6年2月4日。忘れもしません。かれこれ2年9ヶ月か・・・。あれから、とても辛い日々を経てこんなにハッピーな超verygoodな状態が来たことを嬉しく思います。先生には足を向けて眠ることはできませんね。今では誰が見てもアトピーと分からないくらい美しく、かつ絶好調です。だから、昔の私と同じように辛い思いをしている人を見ると「頑張って!」と叫びたくなります。私もこんなに良くなったんだから。乗り越えるのは並大抵のことではありませんでした。(ステロイドを断ち切ることは言うまでも無く簡単なことではありません。時には簡単に止めることが出来ると思いこんで実際してみるとその厳しさにショックを受ける人もいます。しかし、決して命を失うこともありませんし、乗り切れば必ずもとの皮膚を取り戻すことが出来ます。他にアレルギーを持っている人は同時にそのアレルギーも治ってしまいます。しかし幾つかの犠牲を伴わざるを得ないことがステロイドの怖さなのであります。) そもそも私は、幼い頃からアトピー性皮膚炎にかかっており、物心付いた頃からステロイド剤を塗ってきました。幼い頃は手足の関節だけでしたが、中学生になった頃からは顔・瞼や額・鼻の下に塗るようになっていました。それ程ひどい状態は記憶になく、かさついてもすぐにステロイド剤を塗って抑えていたので生活にも支障はありませんでしたし、親もアトピーと縁が無く、いえ、知識が無く、「ちゃんと、体洗ってんの?」なんて言われたくらいですからそれ程重要視していませんでした。幼い頃から通っていた皮膚科の先生は、「一生のうちに必ず治る時期がある。それが、たとえば健康食品を食べたり飲んだりしているときに治ると、健康食品で治ったとか思われるが、そんなことをしなくても必ず治る時期がある。」と。(その通りです。医者の治療を一切受けなければ原理的には必ず治ります。昭和36年から始まった国民皆保険以前は皮膚科さえなかったのです。その時まではアトピーは自然に治っていました。まさにいつまでも治らなくなったアトピーは医者が作った病気なのです。医者は自分のしていることの意味については全く気が付いていないのです。)しかし、塗ると必ずニキビができるのです。ああこれは薬の副作用なんだなと勝手に考えていました。(その通りです。ステロイドニキビと言います。)学校や旅行に行くときも必ず持っていってたし、OLになってからは、会社の近くの皮膚科に通うようになりました。そこもステロイドを処方するところでした。先生に「この病気は治るんですか?」と尋ねたところ、「病気と気長に付き合うしかない。」(遠まわしの治らないと言っているのですが、私は治せます。)と言われました。「塗るとニキビのようなものが副作用でできる。」と私が言ったところ、「薬に副作用はない。」と強く否定されたことを覚えています。(まさにこの医者はステロイドの副作用について嘘をついているのです。医者は嘘をついても罰せられない所が医療過誤の原点であります。やはり、すべての社会において嘘は罰せられるという法律を作るべきです。)会社の自分の机の中にも薬を入れていて、いつもかさつくと塗っていました。見た目は普通の肌だったので、友達も私がアトピーということを知らない人が多かったです。(ステロイドは徐々に副作用が出現し、さらに見えるほどに出るのに長い時間がかかるという難儀な薬なのであります。正常な人がステロイドの副作用を経験することはとても簡単です。毎晩お風呂上りに強いステロイドを顔に擦り込むと1ヶ月もしない内に顔が腫れ、赤くなり、痒くなり、皮膚が崩壊していきます。)でもやはり自分では気になっていて、特に顔に関しては何回化粧品を替えたか分かりませんし、人並み以上にいろんな化粧品を試しました。化粧品で治るわけがないと分かっていても女心ですね。それからTV・新聞等でステロイドに関する記事を見かけるようになりました。その時はあまり気に掛けていませんでした。今はこれだけの治療しかないと思いこんでいたのです。そして24歳で結婚し、高槻にやってきました。平成4年11月のことです。もちろん今までもらっていた薬を持って嫁ぎました。使っている内になくなったので、近野田皮膚科(天神町)へ行きました。ここでもステロイドを処方されました。どうも今まで自分がもらっていた薬より弱いようで塗っても塗ってもあまり効果はありませんでしたが、とりあえず塗っていました。そのうち効き目が無くなってきたことを自覚したのです。それは、結婚半年後の平成5年6月頃です。瞼と鼻の下がいてもたってもいられない程痒くなり、掻きまくったら真っ赤になりました。皮膚科に行ってそのことを言うと、「顔だから薬は出せないけど、弱い薬をあげるからしょっちゅう塗って。」と言われその通りにしましたが、赤みも痒みもなかなかひかないので、体用にもらった薬をこっそり顔に塗ったこともあります。それから徐々に顔の皮膚も赤くチリメンじわのようになり、象肌のような所やかさついて鱗状にめくれた肌に変わっていきました。(これをステロイドによる皮膚萎縮と言います。)女の命の顔だけでも何とかしなくては・・・とエステにも通い始めました。エステで肌に良い健康食品を勧められれば藁をもすがる気持ちで買ってみたり(1瓶3万位するんですよ)、枕元に加湿器をおいて少しも乾燥させないようにしたり、掻かないように手を縛って寝たり、ニンニクB1エキス・エステ・健康食品・野菜スープ・・・どれも片っ端から試しました。(これらはすべて全く無意味なことであります。)そのうち友達が良くなったという皮膚科に行きました。そこは電車を何回も乗り継ぎ、片道で2時間もかかる奈良の片田舎の皮膚科でした。県外からの患者も多く3〜5時間待って実際の診察時間は1分くらいです。(このような医者が何故はやるかというと強いステロイドの薬を飲ませたりして見かけだけを良くして患者の信用を得るからです。もちろん後でその副作用を除去するのが大変なことは言うまでもありません。医者と言えども何も慈善事業をしているわけではありません。生業でしているわけですから、患者さんをいかに多く集めるかの競争をしているわけですから副作用を言わなくても良い今の医療制度では避けられない矛盾であります。)先生は説明もほとんどせず、同じ事を2回聞くと怒りっぽくなります。「ステロイドはうまく使えば悪い薬ではない。」(うまく使えばという言葉にはいつも具体性がありません。と同時に原理もありません。新聞ではステロイドは使い方が大事であると書かれていますが、その使い方の実際については何も触れられていません。時に3日用いて4日目に止めなさいと言われても、4日目にひどくなったらどうするのかについては一行も書かれていません。)と言って、ステロイド剤で症状をひかせて非ステロイド剤でに替えるという方針の医院で(ステロイドに勝る薬はありません。従ってステロイドを止めた時にでる離脱症状を良くするものは全くありません。これは言葉の遊びです。)、看護婦さんから食べてはいけないものの一覧表をもらい(全ての人が食物アレルゲンとは限らないのにと思いながら)、お風呂は2日に1回で体は洗ってはいけない、洗顔は1日1回、洗髪は4日に1回、日光は避ける等とても守れそうもないことを言われました。(実際守れませんでした。)(食べ物はアレルゲンではありません。食べ物の中に含まれる蛋白と結びついた化学物質がアレルゲンであります。日光に当たるとステロイドで変性した皮膚の細胞が崩壊しやすい訳ですから、見かけもすぐに悪くなるので普通の医者は日光に当たるなと言います。実は日光に当たって悪い皮膚をむいたほうが良いのです。従って夏の海水浴は極めて悪い皮膚の崩壊と新しい皮膚の再生の為にはすばらしい治療法であります。)薬は塗り薬(最初はステロイド剤)、抗ヒスタミン剤とビタミンの飲み薬、、既製の漢方の飲み薬でした。10月下旬から2週間おきに通い始め、非ステロイド剤に代わったのは12月10日からでした。先生に余り話してもらえないというのは患者としては不安でもありました。それから間もなくリバウンド現象が襲ってきました。(このようにステロイドを止めて非ステロイド剤を用いると、必ずリバウンドがでます。)それからです。私がただごとではないと真剣に悩み始めたのは。アトピーに関する本を買い、読みふけりました。そして、ステロイドがとても悪い薬で治療薬ではなく、止めないことには治らないということを知りました。(何故医者はステロイドの副作用を言わないのでしょうか?)私は単なるアトピー性皮膚炎ではなく、ステロイド皮膚症にかかっているのだということを。温泉湯治の本も読み、やってみようとカウンセリングの予約もしましたが、150万前後と高額な費用がかかるため断念しました。入院による断食治療をする京都の高雄病院に数ヶ月先の予約もしました。(断食治療は死ぬまで続ければ必ず治ります。しかし死にます。何度も繰り返しますがアレルゲンは食べ物ではなくて、食べ物に含まれている化学物質がアレルゲンなのです。従って永遠に食事を取らなければアトピーは絶対に起こりません。)リバウンドは日毎にひどくなりました。寝ているうちに掻きまくり、皮膚がめくれ、パン粉のように落ち、パジャマが血だらけで、何とも言えない臭いの液体が出て、皮膚が赤く象肌のようになったり、皮がめくれたり、皮膚が突っ張って腕がまっすぐに伸びなくなり、激しい痒みや液体が出て眠れないし、体も顔も最悪の状態でした。「いったいこの先どうなるんだろう?何故自分だけが?」という不安が募るばかりで、毎日悲観して「こんなの人間の肌じゃない。」と泣きわめいていました。一番辛かったのは夫だったと思います。そんな状態の私をなだめるのは大変だったでしょう。最もピークになったのは平成6年1月23日からです。もう痒みは半端ではなく、一晩中掻いていて眠れないのです。精神的にもかなり参りました。(奈良の皮膚科には1月に入って1回行ったきりで、それ以後は用事等が重なっていけませんでした。どうも先生にもついていけず、このまま治療を続けようか迷っていました。)もう限界で、3日後には岡山の実家に帰省したのです。私の悲惨な状態を見て、両親は「頼むから病院に行ってくれ。」と言いました。そして幼い頃から通っていた皮膚科に連れて行かれました。ここは私に何年にも及んでステロイドを処方し続けた所なのです。先生に「リバウンドでこんな状態になった。」と説明したら、「それはリバウンドではなく、ただのアトピー性皮膚炎である。」(元来アトピー性皮膚炎というのはこんなに激越なものではありません。このような症状をステロイドのリバウンド症状と言わずして他になんと言えば良いのでしょうか?このような無責任な医者にどうすれば責任を取らせることが出来るのでしょうか?実を言えばとても簡単です。厚生省の事務次官通達でステロイドの副作用を言わなければ医師免許が剥奪されると一行書くだけで良いのです。)と言われました。そして学会の資料や何やらを出してきて、「皮膚科では今この治療しかないのだ。」と言われました。(何もしないのが一番優れた治療法であることもあるのです。学会の権威を傘に着て自分の責任を転嫁しようとするのは医者だけではありません。何故正直に自分の過ちを認めようとしないのでしょうか?)その頃には私もステロイドに関してある程度の知識はあったので、「副腎皮質ホルモン剤を外から体内に与えることによって体内の副腎の機能を低下させ、自分の体で産生されにくくなる。」と言えば、「飲み薬に関してはあるが、塗り薬ではそんなことはない。(ステロイドというのは急性の疾患に対してはそれこそ数回うまく使えば非常に有難い薬であります。しかしそのような病気は殆どありません。ましてや慢性疾患であるアトピーなどのアレルギーに対してステロイドをその場その場使っている内に知らず知らずの内にステロイドの副作用が出てくるわけです。勿論ステロイドの離脱症状は副腎皮質の機能が弱まったために出るのではありません。誤解しないで下さい。)例えば泥水の中に入った場合、皮膚に入っていかないでしょう。」などといろいろ質問してもうまくかわされた感じでした。(かつて久米宏のニュースステーションでもステロイド剤の特集があったのですが)「久米宏なんか何にも知らないくせに薬を並べて恐ろしい薬ですね・・・なんて言うからこちらはやりにくくて仕方ないよ。」(副作用の無い薬は全くありません。ましてや、薬の中で劇薬であるステロイドに副作用は無いという嘘を何故言うのでしょうか?)とも言われていました。「アトピー性皮膚炎は必ず治る時期があるんですよ(医者が治療しないで放置すれば治ります。しかし、そうなれば皮膚科には患者は誰も行かないでしょう。)、老人にアトピーはないでしょ。(いくらでもいます。)人生楽しくやろうよ(こんなに苦しんでいる患者を前にして何故このような言葉が言えるのでしょうか?)、とにかく僕を信じて。」と、体用に最強のベルモートとベトネベートNとワセリンで薄めた薬、顔用にキンダベートを処方されました。私も頭では分かっていても、精神的苦痛と肉体的苦痛から解放されたくて遂に塗ってしまったのです。私と離脱との戦いは1ヶ月少々しかもちませんでした。最強の薬を塗ると、てきめんに肌が変わっていきました。(これほど凄いリバウンドの症状でも最強のステロイドを使えば一挙に症状は消えてしまうのです。このような強いステロイドを出す医院ほどよくはやります。と言うのは、患者さんは症状さえ一時的に消えてしまえば治ったと思い込むからです。そしてあちこちでその医者のことを宣伝して回るからです。)恐ろしい薬以外の何物でもないことを実感しました。それから数日後には高槻の家に帰りました。周りの人には治ったかのように見えたのかもしれませんが、決してそうではなかったのです。薬を止めるとまたぶり返してきました。「このままではいけない、何とかしなくては。」と思っていた矢先に友達から松本先生のことを聞いたのです。「もうここしかない。」とすがる思いでした。幸い近くだし、「今まで自分はいったい何をしてきたのだろう。」と思いました。 平成6年2月4日、診察に行くと、本当にホッとしました。先生や看護婦さんは色々とお話をして下さるし、写真での症例を見せて下さったり、「絶対に治してあげる。」と勇気づけて下さったり、「何を食べてもどんなことをしても必ず治ります。」と言われました。「先生に会えて本当に良かった。もう全てをお任せしよう。」と思ったのです。初めて医院へ行って、「絶対に治してあげる。」と言われ、力強く握手をして下さったときは嬉しくて思わず泣きそうになりました。これほどの辛い思いをやっと分かってもらえたので、嬉しくて嬉しくて帰って泣きました。ここ数ヶ月間は谷底に突き落とされたようでしたし・・・。患者にとって、先生や看護婦さんの暖かい励ましは何にも代え難いほど嬉しくて有り難いものです。今まで、漢方で症状を出しきるということは聞いたことはありましたが、その頃は人目にはアトピーが分からない程度、つまりステロイドが効いているときだったので何故そんなことをするのか分からない理解しがたいものだというくらいで、だいたい出すことが治ることに結びつかず、見た目をきれいに見せることを治ると思い込んでいました。(漢方にはいろいろの処方があり、処方に応じて皮膚の傷を治したり、異物を掃き出したり、排膿したり、新陳代謝を良くしたりすることが出来ます。)それに、医者が絶対に正しく、間違っているなんて思いもしなかったです。(間違いを起こさない人間はどこにもいません。思い込まされているだけです。)小さい頃から信頼してきた医師にこんな形で裏切られるとは思いもしませんでした。どんどんひどくなって初めて頭を打ちました。この医師は身内にはどんな治療をするのでしょうか?治療を始めてすぐに皮膚や頭皮がボロボロ剥け始めました。鼻の下は地割れのように割れ、上半身は赤黒く、体・顔・首の後ろはとっても不快でした。唯一、鼻だけは何故か白いので奇妙な顔をしていました。夜は眠れなくて、よく朝刊の新聞配達の音を聞きました。寝付くのはいつも明け方で昼頃迄は眠っていることも度々でした。頭や耳・手首からも液体(リンパ液)が出てきて何ともやりきれない思いでした。冬なのにトイレに起きることなく、水分が全て汗や液体になるのでしょうか、ものすごい量の汗をかくのです。起きるとぐったりするくらい。新陳代謝がいかに活発かということですね。この時期はいくら食べても太るどころか、嬉しいことに痩せるくらいでした。(リンパ液の中に蛋白が大量に含まれており体外に漏れ出てしまうと栄養不良になり、体重が激減する重症のアトピー患者がときに見られます。この時はプロテインを飲む必要があります。)次第にそれ程でもなかった指までがひどくなってきました。指がパンパンに張れ、液体が出て曲がらないし痛いしでこの時ばかりは辛くて泣いてしまいました。食事の準備はゴム手袋をして何とか乗り切りました。彫刻刀で彫ったような深いしわや傷だらけの手はとても年相応の手ではなかったので、きれいな手をした人を見ると一層惨めになりました。なるべく隠すように袖の長い服を着るのですが、お金を払ったりするのに手を出すときは恥ずかしかったです。顔も不気味だったので、できる限り人前には出ず、買い物も通院の時にまとめ買いをし、(土)・(日)は夫に頼りました。普段はインターホンが鳴っても居留守を使い、もちろん親しい友達にも会いませんでした。こんな惨めな姿は誰にも見せられませんでした。頭皮もボロボロだったので美容院にも行けませんでした。人の上下の歯が噛み合わさっているのは1日20分位だそうです。だけど痒さと悔しさといろんな思いがが交錯して歯を食いしばるので、私の場合は数時間ではなかったでしょうか。(この悔しさは誰が責任を取ってくれるのでしょうか?日本の現代の社会は全てが無責任社会と言えます。日本が没落をしないためにも、権力ある人達が自分の快楽だけを求めずに、責任を果たす必要があります。一般大衆も遊んでばかりいず、勉強する努力が必要です。)そんなこんなの状態で治療を始めて2ヶ月半ばを過ぎた頃からようやく光が見え始めました。赤黒い顔の中にも少しずつ白い部分が出てきて・・・。今まで水分は全て汗や液体になるくらいだったのにトイレに起きるようになり(汗やリンパ液がよく出るときには極端に尿量が減ることがあります。これは何も腎臓が悪くなったわけではありません。)、少しずつ変わってきたことが自分でも実感できるようになりました。昨日より良くなっているというのがはっきり分かるのです。治療を始めて5ヶ月経つ頃には皮が剥けるので限られた服しか着ることができなかったのが、結構オシャレを楽しめるようになりました。こうして一進一退を繰り返していました。時々、気が狂いどうにかなりそうなくらい、ものすごく痒いときがあり、思い切って平成6年12月から鍼治療も加えました。私には効果絶大で痒みは全然違いました。こんな事ならもっと早くすれば良かったです。(鍼灸は精神のバランスを取り戻し、過敏になっている神経も鎮静化してくれ、痒みも随分楽になります。さらに皮膚の新陳代謝も高めてくれます。)本当いうとあまり効果の程は期待していなかったのですが、「ナント東洋医学はすばらしいんだ!」と実感しました。人間の体って面白い。漢方と鍼の相乗効果で良くなったのです。顔・頭皮・首・手はかなり長引いたのですが、そのうち海外旅行にも行けるようになりました。旅行に行くことに対してすごく心配しましたが、先生に相談すると「どうぞ行ってらっしゃい。」とのことで、治療を始めて1年4ヶ月経った頃シンガポールに行きました。先生に「海外旅行に行くと、きれいになる。」と言われてたとおり、たった4泊5日の旅でそれが実感できたのです。シンガポールは自国で農産物を生産しておらず、近隣の東南アジアから輸入しています。東南アジアは貧しい国なので農薬を使っておらず、日本は人件費を削って農薬を使っているからだそうです。少しきれいになって帰国することができました。(その通りです。アトピーを引き起こすアレルゲンは、食べ物に含まれている農薬であります。貧しい農薬の使えない国に移住することはアトピー根治の一つの方法です。)その年の夏はまだ半袖を着れる状態ではなく、長袖で過ごしました。治療を始めて2年経った頃から、もうほとんど調子が良くなってきました。2年半経った今年の夏は、グアムに行き、初めて半袖も水着もOKで楽しめました。念願のお化粧もできるようになりました。(あーもう感謝感謝!)こうして見かけは普通の人になれました。今ではどこも痒くないしかさつきもしないし、早く卒業できたら良いなあと思っています。「ステロイドは正しく使えばよい。」と信じている人に、これは悪いと説明し、納得させるには非常にエネルギーのいることで、私の親だって医者が間違ったこと、悪いことをするわけがないと思っている部分があると思います。(権威や権力は必ず腐敗するというのが私の哲学です。しかし権威や権力をチェックするシステムが全く日本には在りません。どうすれば権威や権力の腐敗を正すことができるのでしょうか?答えは簡単です。一般大衆が遊びほうけるのを止めて、政治について毎日もっともっと勉強すれば良いのです。しかし勉強が好きな人はどれくらいいるでしょうか?)身内にだってなかなか分かってもらえないし・・・。信じ込んでいる人の考えを変えさせるのはものすごくエネルギーがいることで、アトピーに無縁の友達に説明することさえ難しいです。信じ込んでいる人には、まさにマインドコントロールを解くに等しい作業かもしれません。先生の仕事の大変さを痛感します。(その通りです。私は毎日毎日猜疑心いっぱいの眼を向ける患者さんに必ずアトピーは治るということを確信してもらうために日夜格闘しております。例えば治らなければお金を返すとか最高裁判所に訴えてくれとまで言ったりして患者さんに信じてもらおうと努力しております。)今問題になっている薬害エイズと同じように、アトピーはステロイドの薬害ではないでしょうか。私が生まれる以前から問題になっている公害問題にしたって国がなかなか非を認めない。(国民一人一人がしっかりしないからです。何も国が悪いわけでは在りません。国を作るのは国民一人一人なのですから。私としてはパチンコする暇があれば、一冊の本を読んで考えて賢くなれば良いのですがといつも思っています。)だから「私が生きている間にステロイド治療がなくなりっこない。」という変な自信さえあります。うかつに何でも信じてはいけない怖い世の中です。新聞の健康相談でも平気で嘘が書かれてあり、もちろんステロイドのことです。うまく使えば問題ないなんて。悲しくなるし、医師に対して妄信的であることを反省しなくてはならないでしょう。民間療法や便乗商売も多々あります。アトピー患者の心をくすぐる「アトピーによく効く、良くなる」なんてあったら誰だってすぐに飛びつきます。私も、30数万円の掃除機セールスオヤジに嫌な思いをさせられましたし・・・。(治せなければお金を返すという法律を作るべきです。)治せもしない便乗商売が氾濫していて腹立たしいです。彼らにとってアトピー患者はいい「カモ」なのですもの。アトピー以外にもステロイドは使われているらしいが、治療に行く度に「絶対に使わないで下さい。」と頼まなくてはならないのでしょうか。もう2度と後戻りはしたくないのです。 最後に私を支えてくれた夫には思いっきり感謝しています。あの赤い薬を毎日嫌な顔ひとつせず体に塗ってくれたんです。それに医師と患者は何よりも信頼関係が大切だと思います。通院する度に元気になり、元気をもらった気がします。もうしばらくよろしくお願いします。(長年使ってきたステロイドの離脱症状を除去することは患者さん自身だけでは無理です。必ず家族の温かい手助けが必要です。それくらいにステロイドを抜くことは難しいことなのです。この方はその後赤ちゃんを無事出産され育児に励んでおられます。)
<上の表の説明> 女性は男性に比べて、IgE抗体は低めな印象が有ります。この方も激烈なリバウンド症状にもかかわらず、最高値は989でした。このようなデータから示唆されることは、リバウンドの強さはIgE抗体によるというよりも、やはり皮膚に直接塗布されたり飲まされたりしたステロイドの皮膚への影響の度合いだと思われます。つまりアトピーそのものの問題よりも、やはり多彩な副作用を起こすステロイド自身の問題と言えます。言いかえるとステロイド皮膚症をどうするかという問題です。 |