「アトピーの根本治療」 柏原さん 25歳

 私は大阪に来て7年目になりますが、3年前突然耳から首にかけて痒くなり、掻くと肌が乾燥して、(アトピーは体内から化学物質の異物を皮膚を通して排泄しようとします。皮膚が崩壊すると保湿作用が無くなり、その部分が乾燥しているように見えるわけです。掻くので乾燥するという訳ではありません。)皮を剥くと汁が出たり出血もしました。それで「治そう!」と思い、初めは松本医院ではなく別の病院へ行きました。

 そこで"アトピー性皮膚炎"と言われて、2種類の薬をもらいました。ひどい時用と軽い時用の2種類で、ひどい時用の方にはステロイドが入っていました。最初はそれを使っていて治ってきたので軽い方に替えると、また痒くなり前の症状に戻ってしまったので、ずっとステロイドが入っている薬を使っていました。しかし完全に治っていった訳でもなく、首筋の方から脇の下・膝の後ろなどの柔らかい部分まで痒くなり、湿疹も出てきました。体中に痒みが広がりながら、1年くらい同じ薬を続けていたとき、友達から松本医院のことを教えてもらいました。「漢方なんて苦くて辛そうだなあ。」と思い、少し考えましたが、「この痒みがなくなるんだったら。」と思い、通院することを決めました。(漢方薬で痒みをとることのできる処方は全くありません。漢方はあくまでも皮膚の新陳代謝を改善するということにつきます。ものの本には漢方薬は証が合えばいかにもどんな病気も治せるような書き方をしている本がありますが、残念ながら思い込みが多いようです。)

 初めて通院したとき、治った患者さんの例を見せてもらったり、アトピーがほこりや花粉などの空気の汚れからきていることを説明してもらいました。(アレルギーの検査でハウスダスト(埃の項目)がありますが、実にこの検査も曖昧なものです。なんとなれば埃は実体を示しているのではなくて、ただ単に形式的な名称にすぎないのです。まず埃を形成している実体は何であるかは示されずに、漠然と埃に対するIgE抗体を調べるのは雲を掴むような話しであります。言い換えると日本のAさんの家の埃と、ドイツのBさんの家の埃とは全く違うわけです。つまり埃に対してIgE抗体がつくられる訳ではなくて、埃に含まれる化学物質に対してIgE抗体は作られるわけですが、その化学物質が明確に示されていません。これは例えば杉の花粉に対して測定されるIgE抗体も実体がはっきりしません。杉の花粉の蛋白と結びついた化学物質が明確にされない限り正確な検査だとは言えないのと同じです。)確かに「田舎に帰ったときは症状が少し軽くなるなあ。」と納得しながら説明を聞いていました。そして先生から、「痒くなったらいくらでも掻いて良い。」と言われて、治療していく上で気が楽になりました。

 薬は飲む薬とお風呂に入れる薬を煎じたり、消毒したりと手間はかかりました。しかし「苦痛だなあ。」と思うことはなく、「ただ時間をかけて続けるだけで治るんだ!」と思い、地道にやってきました。先生が、「ステロイドを体内から出すために、一時的に症状が悪化しますが、その後きれいに皮膚が剥けてきます。」(ステロイドを体内から出すという言い方を今までに一度もしたことはありません。ステロイドの影響を取るという言い方が正しいわけです。)と言われて、その症状が出たときにはビックリしました。今までは痒くて皮膚を剥くと傷つけたりしていましたが、その時は剥くと完全に治ったみたいにきれいになっていったので、漢方でこんなにはっきりと治っていくことが分かって、更に「続けていこう!」という気持ちになりました。(漢方はアトピーの炎症の後始末をするだけです。つまりアレルギーの炎症の為に傷つけられた皮膚をすぐに治すことが出きるわけです。治した後も何回も何回もIgE抗体が使い尽くされるまで皮膚が傷つき、その傷を漢方で治すということを繰り返すだけです。そしていつも傷の無い、黄色ブドウ球菌の繁殖しない皮膚を維持し続けることによって見かけ上正常な皮膚を作り続けるわけであります。)痒みも先生に「痒くなったら掻けばいい。」と言われたので、我慢することなく掻いていましたが、いつのまにか掻いても傷をつけることがなくなっていました。(皮膚が見かけのみならず、本当に正常な遺伝子を持った皮膚が出来あがると、普通の人と同じように掻いたからといって潰れるような皮膚ではなくなります。)

 通院を続けて3年目になりますが、今では汗をかいたときに少し痒くなるだけで、ほとんど症状は出ていません。先生から早く「完治しました。」という言葉を聞けることを楽しみにしています。(もうすでに完治したと伝えて、もう来院されておりません。)