小出 倫代 33歳

 多分、小学校23年頃がアトピーの始まりだったと思う。やっぱり最初はそんなにひどくはなかった。小学校を卒業するまで友達と外でも遊んでいたし、プールに行くのも嫌ではなかった。

 中学、高校時代は部活をしていてそんなに支障は無かったけれど、時々部分的にひどくなっていた。太ももの内側だったり、おしりだったり、足の甲だったり、ジュクジュクした傷になって包帯で巻き付けていたりもした。いくつかの病院も行ったけど何処も同じで、一度だけ東洋医学に通ったけど何の変化も現れない内に信じる気持ちが無くなり辞めた。(担当の先生への不信感等多数経験する。)仕事を始めて年々ひどくなっていった気がする。それまでは出なかった顔にも現れ始め、ある時顔から汁が出るようになった。掻いたわけでもないのにじわじわと滲むように出てくる。そして45日すると治っていく。でもまた1週間くらいで汁が出てくる。その繰り返しで両親が心配し、内科で精密検査のため入院した。内科と同時に皮膚科も受診して、その時はIgE抗体が10000を超えていたのを今でも覚えている。

 その後知人に聞き、漢方薬とステロイドの両方を使う病院に行くと顔からの汁は止まってくれた。1年程通った年の年末に、なんとヘルペスにやられた。年末だったので救急病院に行ったら、形成外科の先生にアトピーの悪化ということでステロイドの点滴をして帰った。確かに体の痒みは止まったけれど、腕の一部と顔全体が膿みだらけ、この時はさすがに死にたいと思った。松本先生のおっしゃるようにアトピー患者のヘルペスは気を付けないと。今思い出しても身震いがする。何とかヘルペスも治って落ち着いてきた時に、妊娠したので薬を全部止めて病院も行かなくなった。でも何故だかひどくならずに長男を出産。1昨年、次男がお腹にいるときに痒みがたまらなかったので、同じ病院の皮膚科で薬をもらって塗ったのが約3年振りのステロイド塗り薬との再会だった。そして松本先生に治してもらおうと思い切ったのは、「長男を治してやりたい」もうそれだけが私の気持ちの大半だった。また私も治るのなら「治して外で子供と遊びたい」、その思いが強く親友の知人がステロイドを使わずに治ったというのを聞いて訪れた。それから松本医院に通って3週間、少しずつ顔が楽になってきたが、リバウンドがこれから始まるかと少し不安な毎日だった。でも今までの皮膚と違ってきているような気がしていた。

<3週間後>

 顔にはまだ赤味があるけど、丁度顔の上半分のガサガサはましになっきている。鼻の下と口の周りのイジイジする感じはまだ治まらないが、最初に比べると口の周りの傷は治ってきている。この23日で思うのは手や指先と手の甲がひどくてゴツゴツした感じが少しずつなめらかになって、ツヤが出てきたように思える。でもやっぱり痒みはある。ただ子供と一緒で皮膚が強くなって傷がつきにくくなってきている。

<6週間後>

 お蔭様で今もあまりきついリバウンドは出ていないので日常生活は助かっている。漢方を飲みだしてから頭痛や体のだるさもましになった気がする。アトピーの方はちょっと停滞期かな?悪くも良くもなく、痒みはあるけど少し手や顔にツヤが?という感じ。でもツヤが出てきているということは良くなってきているのだろう。目に見えた大きな早い変化が見えないだけで、徐行ながらも良い方向へ向かっていると信じたい。

 現在1年4ヶ月が経過したので、6週間目以降の変化を記していく。まず2ヵ月後に出た。私の場合、特に顔がひどくリバウンドと思われるが、顔全体がジュクジュクになった。夜寝て朝起きるとリンパ液が固まっていて、自分の顔が見るのが嫌で、即シャワーに飛び込む日々が約1ヶ月続き、その後もリンパ液が出なくなっても相変わらず顔は赤いままだった。

 そして7ヵ月後、季節は秋で10月になったある日曜日、前日から目が痒かったものの起きてびっくりだった。両目が腫れ上がっているわ、また目の周りからリンパ液が出ているわで、5月にリバウンドが出きってしまったと思っていたので「何でー!」の一言で沈み込んでしまい、思わず松本先生に電話した。「またリンパ液が出てひどいんです。」と言うと、「イネ花粉の季節なので反応して当然。悪い物は出てしまったほうが良い。」と言われ頑張るしかないと思い、また毎日シャワーを浴びた。そんなこんなで年を越す頃には、まだ傷もあるし赤いままの顔だけれど、体のだるさがだんだんとれてきている感じだった。その後も鼻の頭にできた傷がジュクジュクして、これも治るまでに1ヶ月以上かかったりするなどし、あっという間に4月になり長男の幼稚園が始まった。

 子供の心配もあったが、それ以上に自分の方が寝込んでしまうのではないかと思っていた。ところが結構元気で花粉の季節にもリンパ液も出ずに今日まで元気に過ごしている。そして最近1番嬉しいのは、洗顔後のカサつきが無くなってきている事だ。洗顔後は突っ張っていたのに、自分で触っても「え、つるつるしてる!」と思い驚いた。あともう一つ顔の色が白くなってきている。きっと1年前と比べると全く違うと思う。痒みはあるし、やっぱりこの季節には汗もかくので、首や手の関節などは掻いているが、ひどくはなっていないと思う。まだまだ時間はかかると思うし、また時間をかけないと30年近く背負ってきた物だから治るはずもないと思っている。これからも長いかもしれないが、途中経過として1年4ヶ月で結構心も体も楽になっている今日である。

平成14年7月31