「アトピーと私」 牧瀬 武子 55歳 アトピーのために初めて松本先生に診察していただいたのは、今から約2年半前のことです。それまで長い間、何軒もの皮膚科の病院に通っていましたが思わしくなく、とうとう赤黒い顔になってしまいました。(ステロイドによる色素沈着の為です。)従姉妹が私の顔を見て驚き、松本先生を紹介してくれました。(私の医院は90%以上が紹介による方です。そのような患者さんはどうして私だけがアトピーを治せるのかを一から十まで説明する必要が無いのでとても楽です。何故ならばすでにアトピーを治した人の紹介ですから論より証拠があるからです。ところが、一見さんの患者さんは全てを語らなければなかなか納得してもらえないことが多々あり、とても苦しい思いをすることがあります。つまり、無知な患者さんは見かけさえ良ければ事足れりとするからです。)それ以前に使っていた薬は、初めは調子が良かったのですが、日が経つと痒くカサカサになり、顔だけでなく首や手まで腫れてしまいました。最初、松本先生が「頑張りましょう。必ず治しますから。」とおっしゃったとき、ホッとすると同時に余程ひどい状態になるのだということが分かりました。それまでとは全然違う漢方の塗り薬、煎じ薬、入浴用煎じ薬をいただきました。2・3ヶ月経つとリバウンド現象が生じ、ひどい痒みと痛さ、微熱が出て夜は眠られませんでした。(結局のところステロイドによって変質した皮膚を新たに作る為には古い異常な皮膚を除去しなければいけません。そのときにこのような症状が出るわけですから、実を言えば症状がひどくなるということは治療の第一歩なのです。従って症状が悪ければ悪いほど、新しい皮膚が出来やすくなるわけですから喜んでもらわなければならないのです。この点が患者さんに理解してもらえない点なのです。)「薬が効いてきました。必ず治しますから頑張って下さい。」と先生はおっしゃり、血行を良くするために鍼を勧めて下さいました。初めは鍼も刺さらないくらいでしたが、(皮膚がステロイドやコールタールのために硬化してしまっていたからです。)織田先生にいろいろ助言と優しい励ましをいただき、少しずつ辛さも和らいでいきました。時々眼科の先生に併発しがちな白内障の検査をしていただきましたが、心配ないとのことでした。(アトピー性白内障と言われている白内障は、私自身はステロイドによる白内障であると考えています。ステロイドは全ての組織の細胞に入り込み、必ず悪戯をします。組織によっては、その悪戯が取り返しのつかない症状をもたらします。その一つが白内障であると考えています。今まで何十人かのいわゆるアトピー性白内障を見つけ出していますが、全て当院に来院した最初のときに見つけ出しています。)今は外出することも億劫ではなくなり、完治まであと一息と先生の治療法に従っています。すっかり落ち込んでいましたのに、ここまでこられましたのは先生方はじめ看護婦さんのお陰と感謝しています。(近頃ほとんど姿を見せられません。) |