「ステロイド皮膚症を克服して」 松村 哲明 31歳

 初めまして、私は31歳になる男性です。松本医院に通い始めて5ヶ月になります。私の病歴を少しお話しします。

 私は7歳位から膝や肘の内側に湿疹が出来始め、掻きむしって血だらけになっていました。皮膚科では"アトピー性皮膚炎"と診断されていました。しかしこの頃は、「大人になれば自然に完治するから大丈夫です。」と言われていました。(これはとても無責任な言葉です。何故ならば大人になれば何故完治するかを全く説明していないからです。さらに、もっと前は小学生になる前に治るとかいったものです。このような言葉は単に患者さんを引っ張り続ける方便として使われているだけです。残念です。)特に症状のひどいところはステロイド軟膏、その他は非ステロイド軟膏を塗布していました。中学生になった頃から症状は始まり、ごくたまに湿疹が出てもステロイド軟膏ですぐに治まっていました。この頃からしだいにステロイドが体内に蓄積されていったのでしょうか。(ステロイドが体内に蓄積されることはありません。ただステロイドの皮膚の遺伝子に対するメッセージが存続し、その影響が残されつづけると言ったほうが正しいわけです。)

 28歳頃になると、ステロイドの効果が薄くなり、あまり効き目が無くなりました。そして指先に小さな水膨れができるようになりました。この治療のために様々な皮膚科に通うようになりましたが見解はバラバラで、"水虫""ガンジダ"、汗が溜まっているなどでした。いろんな薬が処方されましたがどれも効果はありませんでした。(ステロイドを長期に使うと免疫力が落ちて、水虫やカンジダなどのカビが体に生えてきます。)

 そんなときある皮膚科で強力なステロイド軟膏を処方され、塗布するとその症状が治まったのでしばらく使用していました。すると、今度は背中や足に湿疹が出始めました。すでに以前からのステロイド軟膏ではあまり効き目がなかったので、新たに処方された強い方の軟膏を使っていました。しかし、次第にその使用量が多くなり、効果も薄くなっていきました。(ステロイドは麻薬と同じで効果がだんだんなくなっていきます。)そして、体中に湿疹が広がり顔にも表れだしました。(ステロイドは強さに応じて5段階に分けられています。一番よくはやる医院は最初から最も強力なステロイド剤を用いて患者さんに良く効く薬を出してくれる医院と思わせ宣伝させます。どの医院もアトピーの治療は同じ事であり、ステロイドを用いて一時的にIgE抗体の働きを抑えて症状をよくするだけです。従って後は強いステロイドを使うか、弱いステロイドを使うかの問題だけです。ステロイドが欲しければ薬局で売ってもらえます。)

 皮膚科の医療に対する不安から、アトピーに関する様々な書籍を読むようになり、いかにステロイドが体に悪影響を及ぼすかを知りました。しかし、自分の知識の中にある皮膚科の中にはステロイドを使用せずに治療してくれる医院は無く、ちまたで言われる民間療法をうのみにする気にもなれなかったので、「自分で治してやろう!」そう決心しました。そこで薬局に行き、ムヒの痒み止めを買いそれを塗布していました。(ムヒにも多種類あって、効くムヒには必ずステロイドが入っています。)2週間経過した頃から朝起きると、体中の皮膚をはがしたような痛みが毎回起こりました。「いったいこれからの自分の体はどうなるのか?どうなっていくのか?」不安な日々が続きました。そんな時、友人が松本医院に通って完治したことを聞いたので、「もう一度だけ試してみよう。」そう思って医院のドアをたたきました。(自由に宣伝が出来れば、世界中のアトピーを全部治してあげるのに。)

 初めて松本先生にお会いしたときに、「必ず治してあげるから、安心しなさい。」と言われました。そんな言葉を聞いたのは生まれて初めてでした。すごく嬉しかったのを覚えています。松本医院で処方された入浴剤と飲み薬を飲みだして4日目位から顔が腫れ上がり、顔中から黄色い汁が流れ出るようになり、気持ちが悪くて座ったまま寝る日々が続きました。これがステロイドのリバウンド現象です。しかし自分の場合は、痒みはほとんどなく、それ程辛さは感じませんでした。(痒みが少ないリバウンドは、100%ステロイド皮膚症というステロイドの副作用による皮膚の変性のためだと思います。つまりアトピーでない人でもステロイドを毎日塗っていると、1ヶ月もせずにアトピーのような症状になり、これをステロイド皮膚症と言います。)ただ会社に行くのは辛く感じました。すれ違う人が振り返るくらいに赤く腫れていました。

 そして1ヶ月後、その症状は体中に広がり、皮膚の色が赤黒く変わっていました。しかし、2ヶ月が過ぎる頃にはピークが過ぎ、次第に治まっていきました。体中の皮膚がボロボロと落ち、新陳代謝が活発に行われているのが分かりました。3ヶ月が過ぎた頃から、皮膚が新しくきれいになっていくのが自分で感じ取れるようになりました。指にできていた水膨れもほとんど無くなっていました。4ヶ月を過ぎた頃から、皮膚に潤いが戻ってきました。昔は象のようなしわしわな首だったのが、ツルツルの皮膚に変わってきました。首だけでなく潤いが戻ってきたところは、今までの皮膚とは別物のように、ツルツルして張りのある肌に変わってきました。その時のコンディションで前後はしますが、確実に健康な肌に近づくのが実感できます。

 今は松本先生に対する感謝の気持ちでいっぱいです。毎日1時間以上お風呂に入ったり、苦い薬を飲まなければいけなかったり、いすに座って寝たり、努力と忍耐は必要ですが、これから一生のことです。だから今頑張る必要があります。ステロイドを捨てて、本当の健康な体を取り戻しましょう。(この患者さんも完治宣言を出したのはもうずっと前のことです。)