「ステロイドを断ち切って」 4歳 息子が"アトピー"と診断されたのは、生後2ヶ月の時でした。体がかさかさしている状態でそんなにひどいという感じではありませんでしたので、(アトピーの最初から症状が激しい人はほとんどいません。)抗アレルギー剤もよく効き、抗アレルギー剤を飲みステロイド軟膏をひどくなったときに塗るというやり方で治るだろうと簡単に考えていました。(抗アレルギー剤も対症療法のひとつで一時的に症状を抑えるだけで、後に抑えた分だけリバウンドが出ます。しかしステロイドほどではないだけです。) ところが、4歳を過ぎても同じ状態のままで治る気配もなく、その上ステロイドがいけないということもよく耳にするようになり、ここでステロイドを切ろうと思い、今までの薬を全て止め、よもぎ風呂やどくだみなど自己流でしていたところ、やはりだんだんひどくなってきて6ヶ月過ぎた頃には痒みもひどくその上、感染症にかかり湿疹が膿をもってきて熱が出てきたため自分たちではどうすることもできなくなりました。(自己流でステロイドのリバウンドを乗り越えることはとても危険です。) そこで、今度はアレルギー専門で良いと言われる先生にかかりました。(アレルギー専門だといっても、することは他の医者と変わらないわけですから意味はありません。)治療法は以前と同じで抗アレルギー剤とステロイド軟膏でしたが、痒みが相当ひどく小さい子供にはリバウンドの状態を我慢させるのは無理だと思い、それに以前の経験から抗アレルギー剤をさえ飲めば痒みもましになるだろうと考えていました。(アトピーの炎症を見かけ上即座に抑えるのは何と言ってもステロイドの注射であります。次によく効くのはステロイドの錠剤です。次はステロイドの塗り薬です。抗アレルギー剤や抗ヒスタミン剤はステロイドと比較して物の数には入りません。従って、ステロイドを止めて抗アレルギー剤でアトピーをコントロールしようとするのは不可能なことです。逆にいうとステロイドを使っているときには抗アレルギー剤や抗ヒスタミン剤を使う意味は全くありません。ところがセレスタミンという薬があり、これにはステロイドのベータメサゾンと抗ヒスタミン剤が一緒に含まれており、全くおかしな話です。つまり核兵器と通常爆弾を一緒に用いるようなものであり、全く意味のないことです。これは恐らく患者さんに薬の内容を聞かれたときに、ステロイドを出しながら抗ヒスタミン剤だと言い逃れすることができるために作られた薬だと推察されます。) ところが、今度は症状がひどくなっていたため抗アレルギー剤は全く効かず毎日ステロイド軟膏を塗ることになってしまい、不安でいっぱいでしたが先生の言うとおりにするしかありませんでした。(今から思うとこれがいけなかったのですが) そして、掃除の徹底や食事の制限、その上、痒いところを掻かないための抑制など、いろいろと制限が多くとても完璧にできるはずもなく、私自身も疲れてしまいました。(他の医者は何の為にこのような無理なことをさせるのか全く理解できません。世界で見かけ上一番清潔な国は日本であることは言うまでも無いことです。清潔でない国を挙げれば非常に多くの後進国をすぐにあげることができます。しかしそのような国でアトピーで困っている国がどこにあるでしょうか?ネパールやチベットでは死ぬまでに一度も風呂に入った事がない人が多くいるにもかかわらず、アトピーは全くありません。食事の制限も全く無意味なことです。制限すべきは食事に含まれ蛋白と結びついた化学物質であるわけです。)しかも、いつも夏になると軽くなっているはずの症状が全く良くならず、明らかに皮膚の状態が今までとは違い、ステロイドの副作用が出てきていると思えたのです。 そこで先生に「ステロイドを止めたい!」とお願いして止めることにしましたが、今度は以前とは比較にならない程ひどいリバウンドがきて、「ステロイドを止めることはとても無理だ。」と言われてしまい、悩んでいたところ、ステロイドを全く使わず漢方薬で治してくれる先生がいると聞き、実際に治した人に詳しい内容を聞いてこれならばと思い診ていただくことにしました。(強いステロイドを使って徐々に弱いステロイドに変えて治そうという愚かな医者が多すぎます。一度ステロイドを使えば強くても弱くても薬の効力が切れてくると、必ずリバウンドという症状の悪化が起こります。とすれば、初めからステロイドを使わないことが一番良いわけです。従って私はステロイドを一切使わないわけです。) こちらに来たときは、ステロイドを止めて1ヶ月過ぎた時でリバウンドがとてもひどく、消毒液を体全体に塗らなければいけなかったのですが、子供は当然のごとく痛がって泣いたり、逃げたりで、全て終わるのに30分以上かかり大変で、消毒をいい加減にしたばかりに感染症を起こし、熱が出て大変なことになりましたが、「気になることがあればいつでも電話をかけてくればいい。」と言われ、その時は、ちょうど正月休みの間でしたが先生のご自宅に電話をして的確なアドバイスを頂き、不安を和らげることもできました。(私は正月の休みの間にも、患者さんから電話が掛けられるように自宅の電話番号を教えています。医者は本来正月もないのです。) また、痒みもひどく、夜中に何度も泣いたりして、朝になるとシーツは血だらけになっていましたが、先生が「痒いのを我慢する必要はない。」と言われるのを信じて、とにかく消毒だけは子供を押さえつけてでもやるという気持ちで頑張りました。 子供も毎回泣きながらも消毒の痛みに耐え、お薬も嫌がらず飲み、お風呂にもできる限り長く入るように頑張っていました。今から思うと、5歳の子供にとっては想像もできないほど大変なことだったろうと思います。(アトピーの治療で最も大事なことの一つは黄色ブドウ球菌感染症対策です。黄色ブドウ球菌は20分に一度増殖し、鼠算式に増え12時間で何千万個にもなります。1個1個のブドウ球菌は皮膚を壊死させるα毒素を大量に出し、どんどん皮膚を潰していきます。そして症状がますますひどくなります。従って消毒によって黄色ブドウ球菌を殺すことがいかに大切かを理解してください。子供が泣いても叫んでも絶対に消毒する必要があります。さらに熱が出れば必ず抗生物質を飲まなければなりません。) 体全体かが炎症を起こしておりヘルペスにも感染していましたので、大げさではなく血だらけ汁だらけという感じで微熱も2週間くらい続きました。(ヘルペス感染も初感染であるときには症状が非常に激しくなります。その時には抗ヘルペス剤を服用する必要があります。最近優れた抗ヘルペス剤ができたので早く対処すれば何も怖くありません。)そして最初の大変な時期の1ヶ月くらいが過ぎるとその後は、少し良くなっては少し戻るといった感じで、なかなか良くなりませんでしたが、半年を過ぎた頃より、掻き壊したところが数日断つと治ってきているのがはっきりと分かるようになり、炎症が体全体から部分的になってきて皮膚が強くなってきているのが実感できるようになりました。 トントン拍子に治るという感じではありませんでしたが、治療を始めてから1年半を過ぎた現在、皮膚炎の所も部分的に残る程度で最初の頃とは比べものにならない程きれいになってきました。 最初に診てもらったとき、先生や看護婦さんに「これはひどい。」と言われたのですが、今では周りの人たちに「本当にきれいになったね。」と言われる程になりました。これからもしつこい痒みが無くなって、完全に治るまで気長に焦ることなく頑張っていきたいと思います。(この子も完治してもう来院されていません。) |