「美しくしてもらった漢方煎剤」 西山 史恵 17歳

 私は現在高校2年生の女の子です。私は生後8ヶ月の時に突発発疹ができました。手や肘・膝等が少し痒くなったりしました。でも病院に行くほどでもなく、次第に治ってきました。(このように放置すれば軽度なアトピーは知らず知らずの内に自然後天的免疫寛容を起こして治ってしまっていたのです。)それから4歳になったときに、また痒みが出てきました。(今回は新たなるアレルゲンと出会って再びアトピーが出たのです。)それからは皮膚科に行き、飲み薬と軟膏をもらい6ヶ月ほど治療しました。(この時も少しくらいの症状ならば我慢すれば前回と同じく放置すれば自然後天的免疫寛容が起っていたはずなのです。)薬を塗っている時だけ痒みは無くなるのですが、2・3日たてばまた痒くなりました。母は(これでは完全に治らない。)と思い、病院に行くのを止めたそうです。そしてアボガドが良いと聞いてそれを塗りました。それを塗るとすごくしみて痛かったのを覚えています。結局アボガドも表面的なことであり、内面から治すことが出来ないので止めました。でもいつのまにかアトピーは出なくなりました。(この症例は極めて示唆に富んでいます。何故ならば今回も結局は最後は医者に行かなかったがために治ってしまったからです。これは二つの重要な事実を物語ってくれます。一つは軽度なアトピーは放っておけば自然後天的免疫寛容を起こし治るということであり、二つ目は無駄な治療をして医者が病気を作るということです。)

 そして私がこの松本医院に訪れなければならなくなったのは中学一年生の九月でした。おでこと首と手にアトピーがまた現れ始めたのです。状態は段々悪くなる一方で髪の生え際などがジュクジュクしてきました。(このときのアトピーは以前抑制したアトピーの再発か、新たなる強いアレルゲンとの出会いによるアトピーのいずれかの可能性があります。)近所の人から「松本医院というところは漢方薬でアトピーを治してくれるから良いのでは。」と言う話を聞いたのが、この病院にくるきっかけでした。先生はいろいろなことを話してくれました。例えばステロイドやそれに伴うリバウンドのことです。スライドも見せてくれました。正直、私は驚きました。自分より症状の思い人は沢山入るのだと。私なんか軽い方なんだと思いました。またとても思い人でも綺麗に治るということを知りました。私がアトピーを治そうと強く決心したのはここからでした。

 漢方煎剤は私にとって辛いものでした。においも味もいやで、慣れるどころではありませんでした。お風呂にも入れるとなると体に匂いが移るし、学校で何か言われるんではないかと不安でストレスがたまる一方でした。(この患者さんは思春期の繊細な患者さんですから匂いにとても敏感な方でしたが、漢方薬の匂いが他人に迷惑をかけることは絶対にありません。漢方煎剤の苦さも慣れてしまえば美味しいものです。)そんな私を救ってくれたのは、私が嫌われるかもと心配していて親友でした。彼女は私がどんな状態であろうと変わり無いといってくれました。他の友達も「全然気にしないよ。」と言ってくれました。とても心強かったです。あらためて友達の大切さを感じました。中学を卒業する頃にはアトピーは少し良くなり、漢方煎剤の効き目を実感しました。(実を言えば漢方薬でアトピーを治しているという言い方は正しくないのです。漢方の仕事は、患者さんが自然後天的免疫寛容になるまで免疫を上げ続け、かつ皮膚の新陳代謝を活発にさせ正常な皮膚を出来る限り早く作り替えることだけです。患者さん自身が持っている新陳代謝の力だけでは皮膚の傷はなかなか治らず、ステロイドで侵された皮膚の入れ替えも遅遅として進まないのです。)始めは先生の説明通りアトピーは出るばかりでしたが、段々綺麗になっていく肌を見て嬉しくなりました。あんなイヤだった漢方煎剤も今ではとても感謝しています。まさに”良薬口に苦し”とはこのことだと思いました。高校に入ってからはほとんどアトピーが出なくなりました。アトピーの事を気にせず、いろんなことができるようになりました。だからなかなか病院に行くことが出来なかったけれど、母が先生にそのことを言ったら「そのことはちゃんと考慮していますよ。」とおっしゃったそうで、内心ホッとしました。(良くなっていくにつれて医院から足が遠のくのは当たり前のことなのです。そして最後は私とアトピーとさよならを告げざるを得なくなるのです。)今ではあのアトピーの不快感が嘘のようです。こんな風に私が治ることができたのも先生のお蔭です。そして私を支えてくれた家族や友達にも感謝の気持ちで一杯です。どうもありがとうございました。

 そして最後に、今アトピーで悩んでいる方へ。最後まで諦めないで下さい。いつかきっと私のように治る時が来るはずです。辛いことは多いけれど、その分治った時の喜びは大きいと思います。折角松本医院に来たのだから先生を信じて頑張ってみて下さい。(アトピーが治るといっても最初から私を信じてくれる人は誰もいません。主観的に皮膚の状態が良くなるだけでは不十分なのです。同時にIgE抗体が上昇し、頂点に達し、最後は下降するという自然後天的免疫寛容を客観的に確認しなければアトピーが治ったとは言えないのです。)