「10年来の主婦湿疹を治してもらって」 高槻 春田 33歳 女性 昨年6月この病院を訪れたことはとても幸運だったと思います。小学生の頃より唇がひどく荒れたり胸に発疹が出たりということがありましたが、特に病院に行くことも無くその内に自然に治っていきました。(このように軽度なアトピーは放置すれば自然に免疫寛容を起こし治ってしまうのです。)高校生ぐらいの時、唇が赤くただれ小さいブツブツができて痛くて、初めて皮膚科へ行きもらった薬がたぶんステロイド入りの塗り薬だったと思います。その時は2・3日で治り、年に2・3回そういうことはありましたが薬の常用はしてなかったと思います。それが就職してから1・2年、22・23歳の頃からとても指先が荒れるようになり、小さい水泡ができたり、ひび割れたり、とても痒くなったりし、伝票など紙をたくさん扱うようになったからかと思いながら、会社の近くの病院で塗り薬をもらって使っていました。結婚してからも手荒れは良くなることが無く、病院では主婦湿疹と言われ、ずっと薬を塗り、時には痒み止めの錠剤や抗アレルギー剤も頂いていたと思います。(主婦湿疹は合成洗剤に対するアレルギーであり、病気の名前がいかにも非科学的です。このように皮膚科の病気は目で見た症状だけでつけられた病名が2000以上もあります。これは伝統的な記載皮膚科学というべきもので、本質と全く関係が無いのです。その理由は、昔から多彩な皮膚の症状はよく観察され、それにのっとって病名がつけられてきたのですが、皮膚病の背後に隠された免疫の意味が全く理解されなかったためです。ところがここ20年間に免疫学の進歩が華々しく、この2000以上の皮膚の病気は全て免疫と感染の病気であることが分かり始めたのです。従って治りにくい皮膚病に対して現在の皮膚科の治療は、ほとんどが免疫を抑制するためにステロイドを使い一時的にしのぐだけなのです。皮肉を言わせてもらえば、現代の皮膚科はステロイド科というのが現状でしょう。従って最後はステロイドによる医原病を一番沢山作っている科と言えるでしょう。)こういう状態が10年ぐらい続いていましたが、手先のことだけで病院へ行くのも年に2・3回で使っている薬がどういうものかということも気に止めませんでした。しかし昨年の3月頃から顔が痒く、カサカサしたり、赤くなり皮膚が硬くなり、胸に赤い湿疹が目立ったり体中が痒く、掻き傷ができ体調も良くなく、これはおかしいなと思い始めました。病院を変えてみましたが頂く薬は同じようなもので、顔の状態もお化粧でごまかせないくらいひどくなり、いよいよどうにかしなければと焦りました。(本来皮膚で使うべきIgE抗体がステロイドで使われないようにされると、反跳現象が後で出るのみならず体中のIgE抗体がどんどん増えつ続け、わずかなアレルゲンとの出会いでアトピーが出る度合いが高まり、手のみならず体の他の部分の皮膚でアレルギー反応が起り、全身的なアトピーとなってしまうのです。まさにステロイドが作った病気となるのです。この状態になるまで人により5年あるいは10年かかるのです。) 私は松本医院についての知識は何も無く、ただ病院の前は幾度も通っていたので皮膚科・アレルギー科(2年前に厚生省はアレルギー科の標榜を許したのです。その理由はアトピーも気管支喘息も鼻炎・結膜炎も全て原因は同じで、どこでIgE抗体が使われるかによって症状が異なるだけなのです。つまりこのような病気を全て私のようなアレルギー科で見ることができるようになったのです。私の医院では自然後天的免疫寛容の理論で全てのアレルギーを完治させることができるのです。ちなみに漢方科という科目の標榜が許されれば、もっと多くの難病で困っている患者さんを救うことが出来るのに、残念ながらどういうものか厚生省は許してくれません。)と書かれてあるのが頭の片隅にあり、自分では何かアレルギーが原因かもしれないと思い、初めて来院しました。漢方薬のような匂いがし何か普通の病院じゃないなあと一瞬戸惑いましたが、カウンセリングを受け他の病院での経験を踏まえ、この病院での治療以外はないと思いました。ここで初めて主婦湿疹などではなくアトピーであり、ステロイド使用が原因で今の状態にあることの説明を受けました。 今までの薬は一切止め、まず漢方の煎じ薬を飲み始めましたが2・3日くらいでリバウンド症状が現れて大変ショックでしたが、もう後戻りはできないという感じで漢方風呂も始めました。3週間くらいは赤く腫れた人相の変わった顔を見て落ち込みましたが、それをピークにだんだん顔の皮膚がボロボロ剥けるごとに元に戻りつつあることが実感でき、良くなったりひどくなったり波はあるがだんだん3・4ヶ月で治まってきました。手荒れの方は最初あまり変化は見られませんでしたが、薬を飲み始めて1ヶ月くらいからひどく痒くなり赤く腫れ、掻く毎にカサブタがボロボロ落ちるようになり、そういう状態が3ヶ月くらい続いた後、だんだん良い状態になってきました。(これらの症状は今までステロイドで抑えこんできたリバウンドを全て成し遂げさせるトータルリバウンドの症状と言えます。トータルリバウンドに際して問題になるのは、見掛けが大変なことと、一時的に夜に痒みの為に寝られなかったり、体がしんどくなったりして生活に支障が出ることだけです。あとは患者さん自身が覚悟され、私の適切なアドバイスと治療について来られれば必ず乗り越えることが出来、最後はアトピーと完全に縁を切ることができるのです。) 今治療を始めて10ヶ月経ちますが、顔の状態は時々痒くなるときもありますが、外見はほとんど気にならなくなり、体の痒みもほとんどなく背中の黒ずみも薄らいできたようです。手荒れのほうは右手のカサツキはありますが、ひび割れなどはなくなり、素手でおむすびも作れるようになりました。 この1年を通して大変だったこともありましたが、学ぶことも多く私のアトピーが完治に向かっていることに感謝します。(現在は完治され来院されておりません。) 平成12年3月15日 |