「松本医院に巡り会えた幸福」 安田 真弓 14歳

 真弓は我が家の三女で、幼児の頃から膝の裏や肘に痒みがあり、私達は時に応じて皮膚科に通っていました。長女も次女もアレルギー気味では有りましたが、いつのまにか消えていったので真弓もその内治るだろうと思いつつ、痒がると皮膚科に行って薬をもらっていました。(軽度なアトピーは放置しておくだけで知らぬ間に自然後天的免疫寛容を起こして完治してしまいます。しかしながら中等度以上のアトピーの場合は自覚症状も激しくなり何かをしなければ治らないと本人も家族も思い込んでしまいます。そして間違った医療が始まり、本格的な医原病となっていくのです。)一学期に1回くらいから始まり小学校の高学年から中学2年の夏(松本先生を知るまで)にかけて、いつのまにか薬の中毒状態になっていました。

 中2の夏は特に外耳炎になったりアレルギー性結膜炎になったり、めまい・ひどい頭痛になったり…と、母親から見ると真弓の体が何かおかしくなっているようで本当にどうしたものかと落ち込んでいました。(アトピーを抑えこんでいるうちに新たなるアレルギーである鼻炎や結膜炎や喘息が代わりに出てきます。これは皮膚で使われなかったIgE抗体が蓄積され、他の粘膜で使われるようになるからです。)これまでアトピーと言われてはいたけれど、それ以外は健康的で明るく元気者だったのにこんなにおかしくなったのは何故かと考えた時、慢性的に使っていたあの薬(ステロイド)のせいに違いないと私は勝手に確信しました。(ステロイドは単にアレルギーの免疫を抑制するのみならず、ウィルスや細菌の免疫をも抑制しますので病気になりやすくなっていきます。さらに隠されていた病気がステロイドを使うたび毎に一時的な免疫の抑制の解除が起り、その結果リバウンドを起こしその病気が表に現れることがあります。)何とかしなくてはと思いつつどうしたら良いのか分からず困っていた時、友人がインターネットにアトピーの情報が沢山載っていると教えてくれました。コンピューター会社に勤務している主人に頼んで情報を集めてもらったら、山ほどある中から30くらいに絞って見せてくれました。その中でステロイドを使わずに必ず治すという理論を長々と載せていた松本医院を知りました。長々しい文章に何か誠実なものを感じて(100%理解できたわけでもなかった…)次の日に早速電話しました。(世界のアレルギー学者が口をそろえてアトピーは治らないと言っている中で私が治ると説明する文章が短くて済むわけはありません。実を言えば、もう一冊のアトピーの意味論2に、はるかに詳しく長々しい理論が載せられております。近い内に出版の予定です。)遠距離ということと見ず知らずの病院ということで不安でしたが、他に手立ても無かったので思いきって電話をしてみました。そうしたら思いがけず松本先生本人から直接「治らなかったら治療費は返します。必ず治すから一度診せにいらっしゃい。」と力強い言葉を頂きました。(近頃インターネットが華々しく利用されております。しかしインターネットで騙される人もますます多くなっています。嘘をつけば罰せられるという法律がない限り、このような被害は増えるばかりでしょう。こんな時代に私は自分自身を罰するつもりで患者さんに治らなければお金を返すと口走ることがあります。このような発言ができるのは自分の治療に対する理論と実践に絶対の確信と勇気があるからです。私の唱える自然後天的免疫寛容というのは、言わば負けて勝つという特異な理論であるからこそ可能であるのです。理論というよりも単に事実を説明していると言ったほうが正しいでしょう。どんな戦いの指導者も負けることで誉められるなら、誰でも喜んで指導者になるでしょう。)私は嬉しくなって翌日、頭痛が治らず学校を休んでいた真弓をひきずるように新幹線に乗せて二人で大阪に行きました。平成11年9月26日のことです。(喜びすぎて保険証を持参するのを忘れたほどです。)

 待合室で先輩の患者さん達の手記を読み、又看護婦さんの親切な説明を受けました。そこでこれから起こるであろうリバウンドを想像し気持ちがなえて不安でいっぱいになりましたがもう逃げるわけにもいかず、小さい赤ちゃんや若いお母さんも頑張っているのだからと覚悟を決めました。それから漢方入浴剤・煎じ薬・赤い塗り薬・消毒液・抗生物質で治療が始まりました。すぐに瞼が腫れ上がりあちこちの皮膚が堅く黒っぽくなり、また耳から汁が出る、髪が大量に抜けるなどなど先輩の患者さん達の手記に有るような状況が次々に襲ってきました。覚悟していたはずなのに根性無しの私達母子は不安になるとすぐ松本医院に電話をしました。その都度松本先生に力強く叱咤激励していただきました。(私は15年間ステロイドを一切使わないどころか、逆にステロイドを抜く仕事を毎日朝から晩までしてきたのですから、全てのリバウンドの状態を熟知しているのです。一方患者さんにとっては全てが初めての経験ですから一つ一つのリバウンドの症状に不安を感じられるのは当然なことです。ですから心配なことがあればいつでも電話していただいて適切なアドバイスをしています。いずれにしろ、アトピーのステロイド離脱は感染症にかかって熱が出るということがない限りは生死に関わりがないことですが、それでもステロイドが抜けきるまでには長く険しい道程が続くので最後まで私は責任を持たざるを得ないわけです。)最初の2週間の間は3日に一度くらい電話をした気がします。本当に世話の焼ける母子でお手数をおかけしました。すみません。先輩の患者さん達の手記集と治る理論の本(これがアトピーの意味論2です。)との2冊を手元においていつでも読めるようになってから不安は完全に消えました。本当に何度読んでも飽きません。(この2冊の本にはあらゆるアトピーのリバウンド症状を乗り越えた患者さんの真実の声、つまりアトピーは治るという証拠と、最先端の現代免疫学を駆使して書かれた素人にも分かる理論が述べられているので、読めば読むほどその面白さは分かってもらえるのです。)

 今3ヶ月が過ぎ真弓の顔はうらやましいほど色が白くなってきました。体は、首・肩・腕・足などまだまだですけれど毎日変化していくので楽しみです。それにしても漢方煎剤の偉大な力に感動しています。自分が三十年若くて良い頭脳を持っていれば漢方を勉強したいくらいです。足掛け十年、ステロイド中毒になって3〜4年のステロイド皮膚炎の私達がトンネルを抜けるのにはまだまだ時間がかかると思いますが、必ず出口があると信じられる毎日は幸福です。いろんな偶然や幸運が重なって松本医院を知ることが出来て本当によかったと思います。ありがとうございます。松本先生のようなお医者さんがこの世にいるということを多くの困っている人に知ってもらいたいと思います。先生、一日も早く本を出版してください。後輩の患者さん達は、孤独にならず先輩の方々に続いてください。遠距離でも何でも治す気持ちさえあれば松本先生が必ず支えてくださるので大丈夫です。私達ももうしばらくお世話になります。先生、スタッフの皆さんどうぞよろしくお願い致します。

(P.S. 母親の私は治ったも同然と手記を書きましたが、実際問題、真弓本人はまだまだ戦っているので真弓自身は手記を書く段階にはないようです。)(来院当初は頻繁に電話があったのですが、どんどん良くなっていくものですから近頃全くなくなり、ある意味では寂しいものです。私の医院に来られるとアトピーは治る以外に道がなくなり、早かれ遅かれ別れが来るのです。アトピーと私に対してさよならを言わざるを得なくなるのです。)