藤原 美保 46歳

 松本医院を訪ねて1年が過ぎました。

 右手首に痛みがきたので、歯ブラシは電動に変え、お箸をスプーンに変え、食事は包丁を持つのが辛くて、出来合いのものが増えていく毎日でした。こうなったら薬を飲むしかないけれど、将来入院でもするようになったら遠いと不便だから、近くて信頼できる病院を探そうと考えました。(多くの場合リウマチの初発症状が出る部位は、患者さんが一番よく動かす関節に見られます。女性の場合は手首や手の指の関節に痛みが出ることが多いようです。ゴルフをよくやる男性の場合は肩関節から痛みが出ることがしばしば見られます。この患者さんはリウマチの薬を飲んだり、リウマチの為に入院治療を受けたりすることを、あまり抵抗なく受け入れているようですが、リウマチの恐さをあまり知らなかったようです。通っていた大学病院が単純に、遠くて不便だからという理由で、私の医院を探し出されたとすれば、僥倖もいいところだといえます。)

 それまでかかっていた病院は車で1時間の大学病院で、当時は両手人差し指に変形はあったものの、痛みが無かったので出される薬も3ヶ月ほど飲んで、通院をやめてしまっていたのです。(大学病院で出される薬を3ヶ月でやめてしまったというのは、幸せな人です。この患者さんはリウマチの薬がどんな恐いものかを知らないでやめてしまったとすれば、これは無知の幸せというものです。)

 そうして夫がインターネットで探してくれたのがこの松本医院だったのです。

 先生にお任せしようと松本医院を訪れましたが、先生の文章を読んで、納得したのと、駄目でもともとといった気持ちが半々でした。もうその時には、手首の痛みはだいぶん良くなり、お箸で食事もできるようになっていました。(インターネットでリウマチを治す理論と証拠を読んでいても、このように「だめでもともと」と思われながらこられるのも無理からぬ事でしょう。というのは、この患者さんは大学病院でもリウマチは治らないと言われていたのに加えて、世界でリウマチを完治させることができると断言できる医者は、ただ一人私だけなのですから、当然のことです。しかしこの患者さんも予言した通りに、痛みのリバウンドを起こし、アトピーも生じ、リウマチもアトピーも治ったのです。)

 薬を飲み始めてからは、少しずつ手に力が入るようになりました。初診の時にしてくださった先生の握手の痛かったこと!それがいつの頃からか平気になりました。(私は、治らない病気を治すためにやってくる患者さんの手を握って「必ず治してあげます。」と確約するのが習慣になっています。初診時のリウマチの患者さんは必ず「痛い。」と叫ぶのですが、そのうち握手しても痛みを訴えなくなります。この握手は、励ますためであると同時に、リウマチがよくなっていくことを確認するために行っているのです。)4ヶ月を過ぎた頃、アトピーがやってきました。(予言通りリウマチ抗体がアレルギーの抗体にクラススイッチして、アトピーがでました。リウマチの患者さんは遅かれ早かれ、必ずアトピーがでます。アトピーが現れる早さはステロイドや、抗リウマチ薬を多く使えば使うほどそれだけ遅くなります。というのは、クラススイッチを命令する働きも免疫の働きであるからです。この免疫の働きもステロイドによって抑制されるので、この抑制を取るのに時間がかかるのです。しかもステロイド注射などを何回もされた人は、強いアトピーがでるのは一回だけとは限りません。何回も痛みと痒みを繰り返す人がいますが、普通のリウマチ治療を受けて来た人は、大抵一度アトピーがでてしまうと、リウマチも治っていきます。)最初は「これはいい兆候だ」と喜びましたが、ひどい痒みと、何とも言えない痛みが続いた頃は不安になり、先生からも、「疑い深いおばはんや!」と言われたり…(ハハハ)、それでも6ヶ月を過ぎる頃から、「大丈夫、心配せんでも治るから」と先生の言われた通りに、潮が引くように痒みもなくなり、よくなっていきました。(まだ名残のまだら模様は残っていますが…)(このようにリウマチの治療も最終的にはアトピーの治療となるのです。アトピーを治すことができるのは、私が世界でただ一人であるが故に、リウマチを治すことができるのです。別の見方をすると、リウマチもアレルギーも同じ病気だと言えます。例えば近頃リウマチが急速に増えているのは、鼻炎が増えているからだと言えます。鼻炎の治療でたっぷりとステロイド注射をされたり、セレスタミンというステロイドを長期にわたり内服させられたりした時に、アレルギーで異物が体外へ出し切れなくて体内に貯留し、仕方なく関節から異物を出そうとしてリウマチがでるのです。とりわけ若くしてリウマチになる人は、このように鼻炎で長期にステロイド治療された人が多いのです。その意味でも、最近の耳鼻咽喉科の医者の罪深き事は特筆ものです。この事実を知っているのも、世界で私だけなのです。)

 アトピーが治ると、すっかり忘れていたリウマチの痛みは(ひどくないのですが)戻ってきました。今度はリバウンドです。もう心配はしていません。「もう大丈夫や!薬飲まんでもええよ」と言って下さるのを楽しみに薬を煎じる事にします。

 右手首ですので、物を書くのが不自由ですが、針とお灸をきちんと続けていれば楽になるだろうと思っています。

2001年8月28日