「同じリウマチで苦しんだり悩んだりしている人のためになれば」 柿崎弥生 44歳
私がリウマチの症状が出たのは2000年の7月でした。その時はリウマチだなんて思ってもみなかったし、リウマチという病気の事すらほとんど知りませんでした。
ある朝、布団の中で目を覚ました時、両手の指が何となく痛くて固くなっているような感じでした。その時は寝ている時にどこかに手をぶつけたのかなと思った程度で、会社へ出勤する準備で手の痛さは忘れていました。ところがその日から毎朝手のこわばりは続き、ふきんを絞ったり手を洗う水にも痛さを感じるようになりました。何か悪い病気に掛かっているのではと思い、病院で検査を受けることにしました。(痛みが出てから10日ぐらいの時でした。)整形外科の先生の判断で、私の手に出ている関節の痛みはリウマチの症状に似ているので、まずは血液検査をすることになりました。検査結果は1週間後。
私はその間にリウマチという病気のことをいろいろ本で調べてみました。ほとんどの本に書いてある内容は読めば読むほど悲観的なことばかり。膠原病(こうげんびょう)の1つといわれていて、現在の医学では治らないと書いてあるのです。(症状の悪化した写真入で。)本にはリウマチの治療の進んでいる病院の紹介ページもありましたが、痛みを和らげる薬の投与ぐらいで、その薬も段々強いものになるように思える内容でした。結論は進行性の不治の病ということでした。このまま病気が進行して指が曲がりお茶碗も持てなくなって歩けなくなり、さらに痛みも増して行き、終いには寝たきりになって死んで行くのかと思いました。将来への不安で絶望的な気持ちになりました。病院の検査結果が出るまでの1週間は何をやっても手に付かず、俗にいう食事も喉を通らないという状況でした。落ち込んじゃいけない、明るくしなきゃ。そう思っていても出来ませんでした。
信頼できる友人にこの状況を話したら心配してくれて、すぐにインターネットでリウマチに詳しい病院、病気のことを調べてくれました。その中で松本医院のホームページを見つけて、患者さんの手記、先生の話を読ませてもらいました。読み終わる頃には検査結果がリウマチだったら松本医院へ行く!と決めていました。わずかではありましたが希望の光が見えたように思いました。(私の自宅がある千葉県から松本医院がある大阪府まではちょっと遠いけど)
暗い1週間が過ぎて検査結果を聞きに。
整形外科の先生「検査結果ではリウマチの病状は出ていませんがたまに血液検査に出ない人もいます。あなたの場合、今出ている症状からしてリウマチに間違いないでしょう。」私「・・・やっぱり。(覚悟は出来ていたけどとっても悲しい。)」先生「今の指のこわばりや足の痛みはそれほどひどくないので薬は飲まないでいたほうがいいでしょう」先生「家族にリウマチの人は?」私「NOです」(これって遺伝もあるの?)先生「最近病院で何か治療をしましたか?」私「子宮内膜炎で6ヶ月間リュープリンという注射を月1回受けていました。」先生「リュープリンは抗がん剤にも使われているかなり強い薬です。リュープリンの副作用の中にリウマチとは書かれていませんが人によっていろいろな症状が出ることがあります。」その後、整形外科の先生からリウマチのこと、病院で受ける治療、薬、そして私が受けていたリュープリンという注射の内容を詳しく教えて頂きました。今の病院のイメージは多目に薬を出すと思っていましたが、この整形外科の先生は以外にも先生「今の指のこわばりや足の痛みはそれほどひどくないので、薬は出せません。病気を治す薬があるならともかく、現状では痛みを和らげるような薬はできるだけ飲まない方がいいでしょう。」といわれました。今思うと薬を出してもらわなかったことがラッキーだったのかも。そして病院を出た時、私の心は決まっていました。松本医院に行くことを。
2000年8月の第1土曜日、初めて松本医院を尋ねました。ちょうど症状が出て1ヶ月目でした。手の関節と足の膝、膝下が少し痛みだした状態でした。不安と緊張で一杯でした。そして先生の診断です。先生「リウマチは僕が絶対!!治して見せます。うちを紹介してくれた友人に感謝するんですね。これからはその人に足を向けて寝られませんよ。」不安と緊張が一瞬でなくなった瞬間でした。この言葉を信じて先生の指示通り、毎日漢方薬を作りお灸をしました。(漢方薬を煎じるときの匂いはご近所にご迷惑をお掛けしたと思います。ご近所の方ご免なさい。合掌。)初めの4ヶ月(9月〜12月)指から手、腕、足、膝、もも、と症状が一気に悪くなりました。指はボールペンを握るのも辛いほど、ドアは親指が曲がらず開けるのに苦労しました。仕事にも支障をきたしてしまいそうです。松本医院の先生の指示通り、自宅の近所の鍼灸療養所に通い(週に3回通いました。5ヶ月間)自宅では漢方薬を作りお灸をしました。治療をしているのに症状が一気に悪くなったことで不安になりました。でも先生の言葉と松本医院に来ている他の患者さんをこの眼で確かめたことを信じ治療を続けました。
年が明け21世紀を迎えました。2001年の3月頃、何となく症状の進行が止まって来たような気がしました。それからは症状が良くなったり悪くなったりを繰り返しながら少しずつ回復しているように感じました。自宅の近所の鍼灸療養所に行く回数を週に2回に減らせるようになりました。自宅の漢方薬作りとお灸はそれまで通り続けました。
それからさらに1年半が経った2002年の8月頃、ある朝、目が覚めるとなんだかいつもより手足がとても軽いのです。間違いではありません!!何となくベランダで咲いている朝顔もいつもより綺麗に見えました。とっても気持ちいい朝でした。完璧じゃないけど今までとはちょっと違う!何か心の中のモヤモヤが取れたような気がしました。自分が自分に戻ったような気分でした。でも、あんまり油断せずに今まで通り漢方薬を作りお灸をして鍼灸療養所にも通います。初めて先生のところへ治療に伺ってから2年半。もう少しで先生のところから卒業できそうです。でも、まだ完璧に治った訳ではないのでもう少しよろしくお願いします。(友人には未だに足を向けて寝ています)松本医院の先生がおっしゃった通りリウマチは必ず治ると私はそう固く信じています。
2001年 記