「地獄のリウマチの痛みを乗り越えて」 木村 好江 68歳

 私は67歳の主婦です。2年前からリウマチで病院に通っていましたが、足に水がたまるようになってせっせと水を抜きに行っていましたが、だんだんに時間が早くなってくるのです。(リウマチは現代医学では根治できない慢性疾患でありますので、炎症が起こるたびに関節腔に貯留した漿液を引き抜いても再び炎症が起こって漿液が溜まりますからいたちごっこになります。しかもその際様々な痛み止めを関節腔に注入しても一時的に炎症を抑えるだけですから逆に薬の副作用が問題になってきます。とりわけステロイド注入は最悪です。元来、リウマチで死ぬことは絶対にないわけですが、ただ骨粗しょう症や機能障害だけがリウマチという病の最終段階となるだけです。ところがステロイドはまさに副作用として骨粗しょう症を起こすので、言わば痛みを止めることによってその代わりに病気の進行を早めているにすぎないのです。)そのあげく、今年の1月に肺炎になり入院しました。1ヶ月間入院をしているときに娘が来て、「漢方薬はどうかなあ?」と言って帰りました。その後、一人考えました。「漢方薬に行ってみよう。」と心に決めて、2月になって、松本医院に来ました。

 先生が「必ず治してあげる。」と言って下さいました。(アトピーの場合と同じく、初めからリウマチを完治させる自信があったわけではありません。漢方煎剤だけでリウマチの治療を行っていたときには、これだけの自信はありませんでした。ましてやリウマチ完治の理論も出来上がっていなかったのです。そこで東洋医学の鍼灸も用いる必要を強く感じました。薬剤師も臨床検査技師の両方の資格をすでにもっていた自分の妻にあらためて鍼灸学校に行かせたのです。そして漢方煎剤と鍼灸の両輪を動かすことによって目の当たりにリウマチの症状が良くなると同時にリウマチ関連の検査データも良くなることに気が付いたのであります。この頃にはすでに漢方煎剤でアレルギーを全て完治させる実践と理論を完成させていたので、この理論をリウマチに当てはめてリュウマチ完治の理論の基礎を固めていったのです。そしてこの患者さんが来たときには数多くのリウマチの患者を免疫を一切抑制せずに良くしていたので、このような自信に満ちた言葉を患者に伝えることができたのです。)先生の言うことを守りました。2月・3月は毎日布団の上で泣きました。痛くて体が動かなく、便所には行けません。(この患者さんも当院に来る2年前から現代医学のリウマチの治療を近くの病院で受けてきていたのであります。従って様々な免疫抑制剤をすぐに止めさせた後このようなリバウンドが出現したのです。しかし痛みで死ぬことは決してないわけですから、この患者さんのように私を100%信じて痛みを乗り越えることができたのです。)廊下に紙・ボロギレなどいろいろひいて、そこへ垂れ流し、壁からは尼様・お坊様・仏様が出てくるのです。出てきて私をじっと見つめているのです。私は手を合わせました。そんなことが2・3日続きました。それから4月に入って、なんと痛みが半分になったような気がしたのです。私は嬉しくて嬉しくて、また泣きました。泣いて泣いて1日が過ぎました。それからだんだんと、少しずつ楽になっていく気がしました。5月に入ってはっきりと楽になりました。二足、三足と歩けるのです。「これで助かりました。」と大声で叫びました。先生様々に思えました。6月になり、松本病院まで歩いてくることができました。(この患者さんの初診のRAPA抗体は10240という恐ろしく信じがたい値だったのですが、このリバウンドを乗り越えたときには640まで下がっていました。ちなみにRAPA抗体の正常値は40未満であります。手記には書いていませんが、この間全身にアトピーが出現したときには痛みは完全に消失していました。まさにアトピーとリウマチが同一範疇に属する疾患であることを示唆しているわけです。言うまでも無くどちらもアレルギーでアトピーはアレルギーのT型でリウマチはアレルギーのV型であり、同じリンパ球がそれぞれの抗体を作っており抗体のクラススイッチをしながら最後は全ての抗体が作れなくなり、アトピーもリウマチも完治に至るわけです。いわゆる私の言う自然後天的免疫寛容が起こるわけです。)

 一人でも多く、私と同じように治って欲しく思います。

 松本先生、鍼灸の先生、看護婦様たち、本当に本当に有り難うございました。

 今後もよろしく。(現在RAPAが40でCRPは正常化し、血沈が1時間値が40ですが生活には何の支障もありません。ちなみに血沈の1時間値の正常値は12であります。すでに述べたように急性期の炎症に際して最初に値が上昇するのはCRPです。高いときは正常値の1000倍になるときがあります。同時に急性期が終わるとCRPはすぐに改善します。一方、血沈(赤沈)は炎症の最後に値が改善するものです。)

  

 まず上二つの表は言わば関節腔内に侵入してきた異物を排除する為の武器であるRAPA抗体とその抗体の量を間接的に示すZTTの値の変化を示しています。アトピーの場合はIgE抗体の値の変化が全てを物語っていたのですが、リウマチの場合はそれほど簡単ではありません。まず第一に同じリウマチでもRAPA抗体が見られないリウマチ患者もいます。つまりリウマチのほうがアトピーよりも様々な多くの抗体が関与しているのです。さらにRAPA抗体とZTTとは必ずしも比例しないことがあります。この患者さんの場合はRAPAの初診時の値は一万を超えていましたが、症状が改善すると共に急減し、現在は40という正常値に近い値になっています。

  

 次に下二つの表は言わば抗体を使って免疫反応を終えた後の炎症の度合いを示すCRPと赤沈であります。異物との戦いが強ければ強いほど炎症の度合いも強くなります。左のCRPよりも右の赤沈の方が遥かに敏感であります。つまり炎症が起これば最初に赤沈が上昇しますが、炎症が終わるときには赤沈が最後に正常化します。またCRPが正常でも赤沈だけが異常であるリウマチも見られます。この患者さんの現在のCRPは正常化していますが、赤沈だけが40前後でまだ正常にはなっていません。赤沈の正常値は12以下です。しかしこの程度の炎症では日常生活には全く支障がありません。