「リウマチ漢方治療記録」 高瀬 君代 41歳
私は40歳で、2歳になったばかりの男の子が一人いる専業主婦です。今年に入って、両足の指の付け根が痛くなり、立って歩くことが苦痛になってきました。足が痛くなる少し前に、あるスポーツの婦人の集いでリレー競走に出ました。久しぶりの運動と、床が靴だと滑りやすいからと素足で全速力で走ったことが、足を痛めた原因と思っていました。なかなか足の痛みが取れないので近所の整形外科で受診しました。整形の先生は、「土踏まずのない靴・低い靴を履いていると、足指の所の筋肉に負担がかかり痛みの原因になっているので、筋力をつけるために足指を使ってタオルを引き寄せる運動と土踏まずのある靴を履きなさい。」と言われました。その指示通りにしていても痛みは取れるどころか、ますます痛くなり、朝起きてトイレに行くことも苦痛になってきました。整形でも、血液検査でリュウマチ因子はプラスに出ていたのですが、因子はあっても「あなたの場合、リウマチに将来なるかもしれないが、今のところリウマチとは言えない。」と診断されてしまいました。(リウマチ因子(RF)はしばしば擬陽性になることがありますが(擬陽性とはリウマチでないのにリウマチ因子が存在することです。)、この患者さんのように痛みの症状もあり、同時にリウマチ因子も陽性であればやはりリウマチをまず疑って治療すべきでありますが、結局現代医学はアトピーの治療と同じで一時的に痛みは楽になりますが薬が切れるとリバウンドが起こり症状が尚一層悪化しますからいずれにしろ治療の意味は無いわけです。) 立って歩くと痛い、右膝も痛い、右手親指も痛い、そういえば両顎も痛いと、痛いところがどんどん出てきました。気分がイライラして滅入っていたとき、「お孫さんや知り合いの方がアトピーで治療を受けている漢方を扱っているところがすごく良いので行ってごらん。」と勧めて下さる方のお陰で、6月17日に松本医院にて受診させていただきました。松本先生の口から「あなたはバリバリのリウマチです。でも、僕が絶対に治してあげますから。」とニッコリ笑って言い切られました。私はリウマチと診断されたショックはありましたが、「治してあげるから。」と言われた先生の言葉に、明るい希望の光を見ました。(私にとってはアトピーの治療と同じくリウマチの治療も至極簡単なことです。しかもこの患者さんの場合は余計な現代医学の薬を飲まされてこなかったので、薬の副作用を取る必要も無いので100%自信を持って完治させて上げますと言い切る事ができるのです。) 漢方薬の治療は甘みが強くて、お茶代わりに飲む二番煎じも大変だなあと思いましたが、漢方薬を飲むことで、甘いものが欲しくなくなり、ストレスによる間食も無くなり、体重が2ヶ月で3kg程落ち、嬉しい結果となりました。リウマチの痛みは、漢方薬だけでなく鍼灸治療と併用した方がより効果的ということで、週一回鍼灸をしていきました。それでも痛みがなかなかスッキリしなかったので先生に相談すると、「鍼灸の回数を増やして下さい。」とのことで週二回としました。(東洋医学の両輪である漢方煎剤と鍼灸に勝る医学を私は知りません。私は京都府立医科大学を卒業し、勿論、西洋医学の長所も十分に良く知っていますが、自分の病気(慢性頭痛と膠原病であるミクリッツと禿頭症)を東洋医学で治癒させた上に毎日の診療で現代医学では治せない病気をどんどん治していますから、我ながら東洋医学の素晴らしさを毎日満喫している日々を送っています。患者さんに私の医院は最終病院であるとまで豪語しています。) お陰様で、受診して2ヶ月程で足指痛・右膝痛・左手親指痛・両顎痛のどれもが無くなってしまって夢のようです。東洋医学のすばらしさを実感しています。 松本先生、鍼灸士の織田様には心より感謝しております。有り難うございました。 1999年 記
上二つの表は言わば関節腔内に侵入してきた異物を排除する為の武器であるRAPA抗体とその抗体の量を間接的に示すZTTの値の変化を示しています。この患者さんのRAPA抗体とZTTとは並行して変化しています。全ての現代医学のリウマチの薬を止めると激しいリバウンドが出現しました。このときRAPAは抑制されていた免疫が解除された為に上昇しました。しかしリバウンド期が終わると確実にRAPAもZTTも正常に戻りました。 下二つの表は言わば抗体を使って免疫反応を終えた後の炎症の度合いを示すCRPと赤沈であります。異物との戦いが強ければ強いほど炎症の度合いも強くなります。左のCRPよりも右の赤沈の方が遥かに敏感であります。この方のCRPと赤沈はリバウンド期には同時に上昇しましたが、その後下降し現在ではCRPは正常になっています。赤沈はまだ正常値の12以下にはなっていません。赤沈が炎症の最後に良くなる値です。 |