田中喜代子 62

私は手芸が好きで暇があれば手先を動かして何かを作っていましたが、ある時、「リウマチでは?」と心配になることが起こりました。手の指がこわばりタオルが絞れなく、その時は2・3日で治りましたが、また何日かすると手がこわばり前と同じ様な状態になったのです。前は自然に治ったので、使いすぎて腱鞘炎でも起こしたのだろうと思っていましたが、また何日かを経て朝起きる時、手先がこわばり右腕もあがらないので近くの整形外科に行き診察を受けました。その時は挫いたのだろうと云う事で湿布と飲み薬を服用しまして23日で治りましたが、何日か経過するとまた同じ様な症状が現れたので不安にかられながら整形外科でリウマチの検査を受けました。

 その結果を聞くまでの間は、リウマチで指が変形している人や、痛みを訴えている人を見ているので、リウマチと診断された時のことを考えたら心配でたまりませんでした。数日して結果はやはりリウマチの初期と聞かされて、私は先生に「この病気は完治するのか?」と聞いたところ、「完治するのは難しい。」と言われたのはかなりショックで、これから先のことを思って夜もゆっくり眠れませんでした。私には何故次から次へと悪いことばかり起こるのか、平成10年には交通事故で40日間入院、退院後にはリハビリ、そして1年半を経過して外反母趾で両足親指の手術が終わったのが平成138月、その後は又リハビリを重ね、どうにか良くなり好きなハイキングや旅行にも行けると思い楽しみにしていたのもつかの間、リウマチとは何とも言えぬ悲しみと不安にさいなまれました。整形外科でもらった薬を1週間ほど飲んだ頃に友達に「リウマチの薬は副作用があり怖くて飲みたくない。」と話をしたら、その友達が「私の知人で漢方の治療でリウマチの治療をして大分楽になった人がいる。」ということで調べて教えてもらったのが松本医院でした。

 平成13129日に松本医院を訪ねました。待合室は患者さんで溢れて、漢方独特の雰囲気を感じました。診察が始まり私の不安を訴えたところ、松本先生が「リウマチは治る。必ず治してあげる。」としっかり手を握り締めて励まして下さいました。私はその時、嬉しくて涙が湧いてきました。先生からは鍼と灸をしっかりするように教えられました。それからは週1回の鍼治療と自宅では毎日漢方の入浴剤を使っての入浴、13回漢方薬を煎じて飲み、時間をみてお灸という生活が続きました。

1ヶ月を過ぎた頃から体全体がこわばり、着替えは勿論ボタンも留めることは出来ず、家事も家族に助けてもらわねばならない、痛みも激しくどうしてこのような病気になったのかと、情けなくて涙したこともあります。ある日、織田先生の針治療を受けていると、隣のベッドから「お世話になり有難うございました。」と言っておられる声が聞こえました。後で織田先生に伺ったところによると、リウマチが良くなられたとの話。患者の生の声を聞き本当に治っていくのだと自信が持てました。手記も読ませて頂き、皆が頑張って良くなられているとのことで、私も自信を持って頑張っていくことができました。右腕も左腕も上がらない、また首筋や肩も痛い、あるいは今日は少し楽かなという日もありました。そんな状態が続いていましたが、2月の終わり頃からお灸の後からアトピーが出て来て痒くて夜も寝られない時もありました。

4ヶ月経った頃、右膝に水が溜まったのかコブができて先生に聞くと、患部にお灸をしておくように言われました。その時は本当にお灸で治るのかと思い少し疑問を感じながら何日かお灸をしている内に、膝のコブが無くなってきました。先生の言われることを守り実行していけば良くなっていくのだと思いました。

もう半年を過ぎ、今日この頃は家事も出来、痛みやこわばりを忘れるときもあり、旅行にも出掛け、728日には伊吹山に行ってきました。こんなに元気になり周囲の人も皆びっくりしています。これも松本先生、織田先生、周囲の人、皆の応援のお陰です。あともう少し頑張って完治の喜びを味わう日を楽しみにしています。

平成14821