「リウマチ治療の中間報告」匿名希望 36歳
2004年2月1日
私は三歳の息子と五歳の娘を持つ36歳の主婦です。平成15年2月頃発症し、その年の5月から、松本医院で治療を始めました。現在もまだ、足の指、膝に痛みがあり、完治とはいえない状態ですが、松本先生から中間報告を書く様に言われ、同じ病気で治療中の方の役に立つことが出来ればと思い、現在までの治療経過についてご報告することにしました。
平成15年2月
何となく左手の差し指に、違和感を感じるようになる。
平成15年3月
洗濯バサミをつまむと、指が痛い。ママさんバレーをしていたので、初めは突き指かと思っていたが、バレーボールとは関係なく痛みが酷くなるため、近くの総合病院の整形外科を受診。レントゲンだけ撮って、骨の変形がないことから、関節炎と診断される。その後も痛みが続いたまま過ごす。
平成15年4月
4月7日 痛みが一向に治まらず、左手の人差し指が腫れて、動かなくなる。別の整形外科を受診する。「骨の変形はないが、血液検査の結果、リウマチ因子が高いので、リウマチでしょう。」と診断される(でしょうって何?)。抗炎症剤(ロキソニン)を処方され、一週間後に再診。左手の人差し指の関節の腫れは、かなり良くなったが、左手の指の付け根、左足の指の付け根、膝に、痛みを感じる旨を告げると、同じ薬で様子を見るとのこと(今考えると、何の様子を見るつもりだったんでしょう?)。
この頃からリウマチの本を購入し、病気のことについて勉強し始める。身近にリウマチ患者がいなかった為、お年寄りがかかる関節の病気程度の知識しかなかったが、若くても発病すること、ステロイド等の薬の副作用があること、年を追うごとにひどくなり、最終的には寝たきりになる人もいる不治の病であることを知り、目の前が真っ暗になる。その後、また左の人差し指が腫れて動かなくなる。
4月25日より、専門の病院の方が良いと思い、リウマチ科を受診。血液検査の結果から、「リウマチの可能性が高いが、リウマチ因子が上昇してから、一ヶ月間以上症状が続かないと、リウマチとは診断出来ない。」とのこと。仕方なく、ゴールデンウィーク明けまで、ロキソニンを飲み続けるが、手の人差し指は朝晩うずき、腫れも酷く、ペンを持つのも辛い。左足の指の付け根と、膝も立ち上がるのが辛くなる程、痛みが酷くなり、不安で一杯になる。
平成15年5月
ゴールデンウィーク明け、不安を抱きながら、主人と共にリウマチ科を再診。結局、「リウマチでしょう。」と診断される。抗リウマチ薬には多くの種類があること、効果が出るまで2〜3ヵ月かかること、人によって効く薬が異なること、副作用があれば変更すること等の説明を受けた後、完治する人は二割と告げられる。薬のリストを見せられ、「どうしますか?」と聞かれる。「どうしますか?」って、どういうことなのか。この知識のない患者に、薬を決めろと言うのだろうか。自分から薦められる薬はないというのか。驚くと同時に、怒りが込み上げてくる。この時、「膝の痛みは、筋肉の炎症によるもので、リウマチではない。」と断言された。今考えると、本当にリウマチの専門医なのか、疑わしくなるような発言。結局、アザルフィジンEN錠(抗リウマチ薬)に決める、というより、決まる。
このまま薬漬けになって、免疫機能の低下により、体がボロボロになり、その上薬が効かずにリウマチの症状まで悪化したら、二人の幼い子を抱えて、この先の人生、どうなってしまうのかと、不安と恐怖にさいなまれる苦悶の日々を送る。そんな時、主人がインターネットで、松本医院を見つけてくる。東洋医学(漢方と鍼とお灸)でリウマチを初め、アトピーなどのアレルギー症状を数多く治しているとのこと。多くの手記と治療の理論に、完治の可能性を感じたこと、西洋医学では症状を抑えることは出来ても、治すことは出来ないことが明らかなことから、この治療に賭けてみようと主人に説得され、受診することにする。
5月14日
一回目の診察 血沈15 ZTT15.9 CRP0.3 RF45
病院は他の方の手記の通り、ものすごい漢方薬の匂いが充満しており、正直言って、異様な感じを受ける。松本先生は、私が大病院にも行かず、なぜこれほど早くここに来たのか、不思議がられていた。私の症状を聞いただけで、「治してあげます。」と三回握手され、「もしかしたら、治るかも知れない。」と勇気付けてもらった気がした。今までの先生とは対照的で、少々戸惑いもしたが、精神的ストレスが免疫機能に作用し、その治療に影響を及ぼす可能性のある病気の場合、先生の一言が、その後の経過を大きく左右すると思う(この点が、西洋医学では全く欠けており、治らないことを強調することにより、むしろストレスを与えるような診療がなされている)。帰りに、初めて鍼治療を受けて、お灸の仕方も教わる。料金は鍼を含め、思っていた以上に高額で、これからこの治療費を払っていけるのかと不安になる。
その日から、漢方薬は四番煎じまで飲み、漢方風呂も開始する。漢方薬は甘く、思っていたよりも飲みやすく感じた。(今では、飲まないといられなくなるぐらい)漢方風呂は、体がとても熱くなり、痛みが和らぐ気がした。お灸は、なかなか始められなかったが、三日後に初めてやってみると、指の痛みはあまり変わらないものの、膝の痛みが少し楽になった気がした。その後、膝は正座も出来なくなる程悪化し、階段を下りるのも辛くなる。手の指の痛みから、ペンも持てず、包丁を使うことも辛くなる。
5月24日
二回目の診察
膝の痛みが強く、歩くのもびっこをひきひきで、病院の階段を昇るのがとても辛い。プロテインを毎日10杯飲むことと、お灸をたくさんするように言われる。
その後、痛いところは、手首や股関節など次々と増えていった。手首の痛みから、茶碗を洗ったり、布きんを絞るのも辛く、股関節の痛みは、2〜3日で消えるものの、車の運転が辛く、朝すぐには起き上がれないこともあった。下の子のオムツ替えは、指、手首、膝、全てに負担が掛かるため、特に大変な作業だった。
この体中の痛みに耐えながら、上の子の幼稚園の送り迎え、下の子の世話をし、漢方を煎じ、薬湯に入り、お灸をするのは、不可能に近いことだった。精神的にも限界で、上の子の幼稚園のことがあるので、かなり悩んだが、私の体を治すことが、結局は子供の為だと考え、実家に帰って療養することにした。
平成15年6月
実家に帰省した頃には、歩くのもびっこを引きながらやっと、といった感じになる。指も、周期的な痛みを繰り返し、ペンを持つことが難しい状態が続く。その他、手首、足の指の痛みも、徐々に増していった。昼に漢方風呂を入れ、一日に2〜3回入る他、近所の温泉にも、週に2〜3回通った。お灸は、多い時で、一日に200〜300個して、鍼は週に3回通った。しかし日々の努力にもかかわらず、痛みは首、顎、肩等体中を廻り、本当に治るのだろうか、このまま酷くなるばかりなのではないかと、日々不安が増していった。毎日薬湯に入りながら、手記を読んでは、辛い時期を乗り切った
平成15年7月
痛みは、波打つように、酷い時と軽い時期を繰り返しながら、ほんの少しずつ良くなってくる。7月末には引越しをすることもあり、自宅に戻ることにする。
7月23日 三回目の診察 血沈 30 ZTT15.9 CRP0.4
RF31
膝の痛みがひどく、病院までの道のりが、ものすごく長く感じる。こんな体になると、階段や和式トイレの多いことを実感する。いかに、体の不自由な人のことを考えずに、街づくりがされているかを思い知る。診察では、「必ず治るから。」と、痛い手を力強く握られる。
平成15年8月
7月末の引越しで、少し無理をしたことから、少し良くなってきた膝の痛みが、またぶり返した。引越しの片付けが大変なこともあり、実家の母に手伝いに来てもらう。近くに鍼の治療院があったので、殆ど毎日通い、お灸もそこでしてもらう。自分でやるよりも大きなお灸だったが、膝の痛みが楽になる感じがした。自宅に戻ってからは、忙しいこともあり、自分でのお灸はさぼりがちになってしまったが。薬だけは三番まで煎じて飲み、薬湯は、一日おきに入った。
痛みの波は小さくなり、軽くなっていった。
8月25日
四回目の診察 血沈17
ZTT14 CRP0.1 RF17
私の場合は、特にこれといったアレルギーもなく、ステロイドを投与された経験もないが、上の子の妊娠時に、張り止め薬を長期間投与されたのが影響しているのかも知れない、と言われた。
平成15年9月
痛みが、急激に軽くなる。特に、指は、違和感は残るものの、周期的にあった痛みもなくなった。膝は、今までお風呂の中で何回も曲げ伸ばしをして、やっと正座の体勢がとれていたのに、お風呂に入らなくても、少しの間なら正座の体勢をとることが出来るようになった。その他の首、肩、手首等は、痛むことはなくなった。他の部位が軽くなった分、それほどひどくなかった足の指がひどく感じた。しかし、アトピーはなかなか出ない。
平成15年10月
10月6日
五回目の診察 血沈17
ZTT13.4 CRP0.1 RF10
つらかった病院の階段も、普通の人と同じように昇ることが出来、帰りに寄り道しようかと思うほど、回復する。気持ちが顔に出ているのか、先生にも、「ものすごく健康そうになった。」と言われる。大分良くなったので、漢方風呂を、週末だけに減らしてもらう。
平成16年1月(現在)
松本医院に御世話になって8ヶ月、かなり回復したものの、膝と足の指に痛みが残っている。最近寒いためか、膝が痛む日があり、全力で走ったり、ジャンプもまだ出来ない。足の指は、左の人差し指に腫れがあり、朝は、階段を下りるのがつらい日もある。しかし、両方とも、以前のような激しい痛みが出ることはない。正直言って、子育て中は、家事と育児だけで手一杯で、漢方風呂、お灸を十分にするのは難しく、患者としては劣等生の私ですが、完治を目指して、もう少し頑張ろうと思います。先生宜しくお願いします。