「リウマチ手記」 (匿名希望) 33歳
私がリウマチと診断されたのは、平成12年5月でした。それは、4月頃から足の親指の付け根や両足の裏に痛みを感じ、同時に両手の中指が腫れ、突き指のような感じとこわばりがありました。その時は丁度長女の入園準備のため、手縫いやミシンなど指先をよく使っていたので腫れたのかと思っていました。足は新品の靴に替えたばかりだったので足に合っていなかったんだと、あまり気にせず過ごしていました。ところがいっこうに痛みや腫れがおさまらないので、近くの整形外科に行ってみると「慢性リウマチ」と診断され当時授乳中の8ヶ月の次女を抱えていたので、「断乳したら治療しましょう、それまでは毎日レーザー治療しにきてください。」とのこと。出されたのはボルタレンのゲル状塗り薬でした。(リウマチ?私が?とても毎日8ヶ月の子供を連れて通う気になれず断乳したら通うことにしよう)(レーザーで治るなんてなんとなく思えない・・・)今思えばなんて甘い考えだったんでしょう。リウマチと言われショックでした。でもその7ヶ月前に私(次女産後1ヶ月)は左顔面神経麻痺になり、鍼灸、耳鼻科通い(この方のリウマチは顔面神経麻痺でステロイドを投与され、一時的に免疫の働きを抑制されその後ステロイドの離脱による免疫の働きの反動が起こり異物を排除する働きが強化され、隠れていたリウマチが顕現化したのです。ステロイドの副作用はそれこそ五万とありますが教科書に書かれていない重大なステロイドの副作用の一つはこのように隠れていた病気をリバウンドにより本格的な病気に仕立て上げてしまうことです。)、それでもなかなか治らず、手術をすることになり動かなかった顔の筋肉が徐々にゆっくり動きはじめて間もなかったので、(未だに完治はしていませんが)度重なる病と育児の大変な時期が重なり途方にくれてました。
それからというもの、関節の痛みはだんだんひどくなり、朝のこわばりも時間が長くなっていきました。指は両手の親指、人差し指、中指、小指。両足の全部の指の関節、膝、肘、肩、首・・と痛みや腫れはだんだん拡がり、リウマチと診断されてわずか3ヶ月でほとんどの関節という関節が激しく痛くなり、腫れて変形してきました。家事、育児もままならず、夜は痛くて寝れないのと寝返りや起き上がることさえやっとの思いでした。指先が痛くて子供のおむつを換えるのも本当に大変でしたし、自分のことでも着替えやトイレ、入浴にも苦労しました。断乳もしたので、総合病院の整形外科に行き、診てもらうことにしました。やはりリウマチには変わりありません。そこでは医師にリウマチについて「血液検査の結果、リウマチの特有の数値はそんなに高くないので薬や注射はできない。」「リウマチの数値が出てなくても症状が出る人もいれば、数値が出ているのに症状が出てない人もいる。」「自然と症状が治る場合もあるが、悪くなる人もいる。あなたの場合その心配な方だ。」と言われ、出された薬はボルタレン(錠剤)と胃薬。もともと薬が嫌いな私は出されてもあまり飲まずに我慢していました。(主人には怒られましたが)なんとなくイヤだったのです。家事や育児の負担が増えていくばかり、寒い夜中子供達にはだけた布団を掛けてやることさえできず、痛みをこらえながら泣きながら口で布団を咥えてなんとか掛けていました。
そんな時、主人にインターネットで探し出した松本医院のHPを見せられ、行ってみることにしました。その時は病院にたどり着くまでがとても大変でした。長いこと待たされて診察で呼ばれ、松本先生にお会いして今までのことをお話すると「誰がみてもリウマチや。」「絶対治してあげるから。」と握手されました。その時今まで「治る」と言われたことが無かったので先生の言葉を聞いて本当にうれしかったです。私は以前から花粉症だったのでアレルギーが出ていたのと、出産と耳鼻科で顔面麻痺の治療にステロイドが使われていたことが大きな引き金となったとのことでした。その日から言われたとおり、鍼灸と漢方薬を始めました。信じられないことに3日目に痛みが和らぎ始めました。その後リバウンドを何度も繰り返しながら徐々にその都度良くなっていきました。途中治療を怠り、悪くなり先生に叱られたこともありましたが(先生ごめんなさい)、今ではすっかり良くなり、あの時の悪夢のような痛みが嘘のようです。
今年4月に引越したこともあり、その後2ヶ月は調子が悪くなりましたが、その後すっと良くなり、今は朝のこわばりもほとんどなく、痛みも手首だけになり、腫れは人差し指と中指だけで痛みはありません。今振り返って先生のおっしゃるステロイドの怖さや間違ったステロイドの認識が病を悪化させ、さらに患者さんを増やしている悲しい現実を知り、病気に対する知識や、治療に対する姿勢を考え直す良いきっかけになりました。松本先生どうもありがとうございました。