「息子の喘息のこと」 荒井 まゆみ 43歳

 私がこの松本医院を知ったのは、長男が4歳になる少し前のことだったと思います。当時、息子は3日にあげず風邪を引き、病院に通い、1日中咳をしている子供でした。

 医者からもらった薬を飲ませているにもかかわらず、とっかえひっかえ風邪を引くとのこと、すでに生まれていた次男を背中に背負い長男を病院に連れて行く日が続いていました。

 あまりに咳が続くので、病院の先生からアレルギーの検査をしたところ、彼は牛乳に大きな反応が出ました。先生の診断は、このままでは小児喘息に移行してしまいますとのことでした。(すでにアレルギー性気管支炎になっていたのです。アレルギーの検査で牛乳に反応が出たというのは牛乳がアレルゲンであるのではなく、牛乳に含まれている農薬をはじめとする化学物質に対してアレルギーを起こしていたということをあらためて強調しておきます。牛乳は単にアレルゲンの運び屋に過ぎないのです。)

 息子は4歳だというのに、体重は10kgそこそこで本当にガリガリのやせっぱちで、とりわけ私を悩ましていたのは食事を1日中ほとんど受けつけないことにありました。日に3度どころか、1度食べたものを全てもどし、水分さえ欲しがることなく食べてはもどし、食べてはもどし、咳をすると必ず夜中にもどしていました。

 毎日毎日、日に23度ともどされて、彼が生まれてからずっと食事のことで苦労して親も子も本当に精神的に限界だったと思います。

 その頃当時少しでも体力をつけるのに通わせ始めたスイミングスクールでアトピーに悩む子供を持つ方からここの松本医院を紹介されたのです。(紹介してもらったお母さんの子供さんのアトピーも完治させてしまいました。)

 アレルギーがあるのであれば、ここに行ってみてはどうかと…。こんな毎日でしたので、とりあえず家族で当医院を訪ねたのです。初めてお目にかかった松本先生は、息子を見て「大丈夫です、全て任せてください。何も心配ありません。今日からは牛乳だろうが、何だろうが、何でもどんどん食べさせてください。」とおっしゃいました。

 私は当時、彼のアレルギーを心配して食事も全て乳製品を除いてパンを手作りし、幼稚園もはだか保育のところにし、スイミングに通いと喘息に良いと思われることは出来る限りしているにもかかわらず、毎日のようにもどし続ける息子にクタクタになっていた時の松本先生の言葉でした。(当院に来られる前の治療は全て全く意味がありません。乳製品を除いても他の食べ物から化学物質が入ってくるわけですから、本当に食事療法をしようとすれば全ての食事と水とを摂取することを止めなければ意味がありません。しかしそんなことをすれば栄養失調どころか生命も危うくなります。従って小児科のアレルギー専門の医者の好きな食事制限というのは戯れに過ぎません。また、スイミングは行っても行かなくても喘息の根治治療には関係ありません。)効くか効かないか先生の言われるようにやってみるしかない。これが私達家族の出した結論でした。とにかく処方された煎じ薬を息子に飲ませ続けました。

 最初の1ヶ月はそれでなくても毎日食事を受けつけない息子ですから、やっぱり毎日毎日薬をもどし続けました。それでも少しずつ慣れてくれて本人も私の意志を理解してくれたのか頑張ってくれ、半年、1年、卵の薄皮をはがすように毎日咳をしてもどしていたのが、3日に1度、1週間に1度になり、やがて月に数度、数ヶ月に1度と。

 その間3年くらいありましたが、驚いたことにあれだけ咳をしてもどしていたガリガリの子供が、小学校1年になると1日も休まずに3学期の通知表を持ちかえった時は、思わず涙があふれました。外食に行って、初めてまともに食事が出来たのもこの頃だと思います。(漢方煎剤は単に喘息の症状を良くするのみならず、免疫力を高め新陳代謝を良くしますので健康度がどんどん増してきます。現在、世間は健康食品・健康食品と喧しく鳴り響いていますが、漢方煎剤に勝る健康食品は皆無です。)

 小学校入学時、たった14Kgもなかった息子が、今は6年生となり、誰にも見劣りすることなく、普通の体格になりおそらく他の子供さんよりも風邪を引かずにいてくれることは本当に幸せです。今は彼は自分が漢方薬を飲んでいたこともほとんど忘れ、ときおり私が話す彼の幼児期を記憶ではなく耳から聞いて理解しているようです。

 当時の私は彼にこんな日が来るとは思いもせずに、ただ毎日泣いてばかりでしたが松本先生に出会えて本当に良かったと心から家族一同感謝しております。(現在は完治され来院されておりません。)