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    「アトピーが再認識させてくれた環境問題」 匿名希望 1歳

    今回、外大の健康フォーラムに高槻駅前で漢方による皮膚・内科治療を進めておられる松本先生をご紹介することになりました。先生との出会いは約半年前。当時生後4ヶ月になる楽ちゃんがアトピーに悩まされ、何軒か小児科や皮膚科をまわったものの、いずれもステロイド剤を処方され、何とか抜け道はないかと途方に暮れていたときでした。

     3ヶ月の終わり頃から、それまで時々ほっぺのあたりを擦っていたのが、急に痒そうに掻きむしるようになり、ツルツルだった肌は見る見るうちに赤くただれて、診るもしのびないほどに・・・。元来、できるだけ薬は使いたくない方でしたが、さすがに見かねて知人に紹介してもらった小児科へ行きました。ところがそこはろくに赤ちゃんの顔も見ずに、「あ、アトピーですね。このまま放っておくと一生傷になりますから、この薬をつけて下さい。」(アトピーの傷跡が一生傷になるとは笑止千万です。こんな嘘を言い放つ医者はもう一度一から医学部で勉強しなおしたほうが良いと思います。いかなるアトピーによる傷であろうがステロイドによる傷であろうが最後は必ず本来の正常な皮膚に戻ります。)と、アトピーの烙印と共に、ステロイドの軟膏を投薬されました。後で調べるとこの時投与されたのは、大人でも少しきついと言われる程のステロイド剤でした。そんな治療に納得がいかず、小児科や皮膚科を数軒あたってみるが、いずれも似たり寄ったりでした。最も良心的な皮膚科でも、目に入れても良いというような弱いステロイドでしたが、それ程効き目がありませんでした。(一度強いステロイドを使うとそれより弱いステロイドでは効かなくなります。にもかかわらず、よくある話ですが最初は強い薬を使って弱い薬に変えて治そうと言う医者がいますが、もともとそんなことは不可能なことです。言葉の遊びです。)そんなとき、香港から来た知人が「香港だったらこれは漢方のお風呂につけて治すよ。良かったら楽ちゃん連れて買いに来たら?」とアドバイスをくれました。日本の医者にほとほと失望しかかっていた当時、たまたま期限が切れかかっていた片道のチケットがあるのを思い出し、「もう来週にも香港に薬を買いに行こう!」と考えていたところ、母が、「駅前に漢方を処方する松本医院ていうのがあるから、まずそこに行ってみたら?」とアドバイスをくれ、その足で行ってみました。

     ドアを開けると漢方薬の匂いが漂い、壁には中国の拓本が掛けられてあり、中国の漢方薬局へ来たかのようでした。そして、待合室で待つ間に手渡されたのはたくさんの治癒した人たちの手記でした。それまでの病院通いで、長時間待たされて、何の納得のいく説明もなく、不本意な薬だけ持たされて帰るということが何度も続いたために、まずこの待合い時間の過ごし方だけで「何かが違う。」と感じていました。そして、まず看護婦さんが丁寧に状況を聞き、また松本医院での治療方針の説明がありました。そこでまず、意気投合し、いよいよ松本先生にお会いすると、先生ははち切れんばかりのエネルギーと、現在の医療や日本の環境問題とそれを引き起こす政治的・経済的原因への怒りに満ちあふれた方でした。(その通りです。アレルギーの問題はまさに社会的、政治的、経済的問題であります。日本の全てのシステムの欠陥は権力は自由に行使できるけども、行使に伴う責任が全く追求されない点にあります。例えばステロイドについて言えば、厚生省は製薬メーカーにステロイドを好きなだけ作り売る特権を与え、医者に対しては自由にステロイドを使う特権を与えますが、それを使った結果から出てくる副作用については誰も責任を持たなくて良いわけです。これではステロイドを投与された消費者である患者さんはうかばれません。やはり、ステロイドの副作用を患者さんに伝えなければ罰せられるという法律が作られない限り、患者さんは永遠に泣き寝入りせざるを得ないでしょう。)思わず、「ようやく巡り会えた。」との思いで、私も力が入り、その日はわずか数週間ではあったが、悶々としていた思いが吹き飛ぶような痛快な気持ちで帰宅しました。

     まず、「アトピーの原因をほこりやダニや卵や花粉であるとする、本質を覆い隠すような説明が今もそこここでなされていることに対する憤懣・・・。問題は日本の農薬や化学物質の大量使用にあるというはっきりとした事実を何故もっと直視しないのか?さらに、その警鐘として表れているアトピー患者の治療に、対症療法的な、しかも製薬会社の陰謀とも言えるような治療法を続けていることに罪悪感はないのか?」そうしたことに日々怒りを新たにしながら、治療にエネルギーを燃やしている松本先生との出会いにより、私はとりあえず香港行きの切符をキャンセルし、その日から煎じた漢方薬のお風呂に楽ちゃんを1日2度入れる日課が始まりました。

     勿論、すでに既に何度かステロイド剤を使用していたため、漢方薬を使い始めて当初は症状が悪化しました。何度も顔中が血塗れになり、真新しかったベビー服も薬と血であっという間にネズミ色になりました。そんな日々が何週間か続きました。当然、痒がってひどく泣くときなどは、手軽に症状が治まる抗ヒスタミン剤や消炎剤への誘惑は捨てがたく、「ほんとうにいつまでつづくのだろうか?」と絶望的な気持ちになることもあり、(いつアトピーが治るかは、患者さんの異物を認識する力の強さの度合いと、それまでにどれだけステロイドや抗アレルギー剤や抗ヒスタミン剤でアレルギーの免疫の力を抑えてきた度合いと、ステロイドの直接的な皮膚の細胞への影響の度合いの三つのファクターが絡み合っています。これらは正確に知ることはほとんど不可能であり、従って正確に予言することは出来ません。知っているのは患者さんの体だけです。)また、掻きむしる手を止めようと、結局この間それまで以上に目と手が放せなくなり、そのことも赤ちゃんにとっても、こちらにとっても大きな負担となってしまいました。

     そうして4月になり、保育園が始まりました。私の授業も本格的に始まり(このお母さんは大学の先生です。)、1日2回の入浴(ベビーバスに漢方薬を入れての入浴)が継続困難となり始めた頃から、ひび割れていた手や足の症状が見る見る緩和し、コットンに含ませて顔につけるだけで良いほどに症状が改善しました。また、当初症状が悪い頃には漢方風呂につかると、本当に気持ちよさそうにし、また自分から向きを変えて一番ひどかったほっぺたや首を薬につけるようにしていたのが、この頃から余り喜ばなくなり、5月6月と経過する内にコットンでつけることも嫌がるようになりました。そして夏を迎える頃には、保育園の人もびっくりするほどよくなっていました。今、季節の変わり目を迎えて、また少し顔が赤くなっていますが、以前のように掻きむしることはなく、少し症状が出たら漢方薬をつけるようにして治療を続けています。

     思えば、松本先生の所を訪ねたことは、ステロイド剤の悪循環に陥るかどうかの大きな分かれ道だったように思います。また、保育園というのは医師の診断書のあるものしか投薬してくれないため、もし松本先生のように日本で医師の資格を持った人で、このような治療を進めてくれる人がいなければ、1日8時間以上に及ぶ保育園生活で、やはり症状緩和のためにステロイドか何かを使わなければいけないことになっていたかもしれません。

     自分自身がアトピーと無縁だったために、アトピーに悩まされる人の壮絶な苦悩を知ることもなかったのですが、今回のことを通じて、環境問題はまず敏感な人や弱い人に集中的に表れていることを改めて認識させられました。今回の健康フォーラムでは、外大にも在学したことのある松本先生に来ていただき、アトピー治療の現場から見える日本の医療や政治経済の構造の歪みについてお話を聞きたいと思います。(もう完治され来院されておりません。この手記は私が大阪外大の文化祭で講演したときに、前口上として書かれた一文であります。