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「腎臓疾患手記」

西前 忠久 48歳 2013年5月30日

 松本先生から、手記を書きなさいとのお話をいただきました。

 

 腎炎の症状は、今は収まり、現在自分は腎臓疾患の患者だったという自覚すらありません。しかし、手記を書くには、まだ時期尚早だと感じていました。 ですから一度はお断りしたのです。

 (この方も1~2年前に腎炎を私の漢方治療で治したのですが、実は私が治したわけではないのです。漢方は医薬品というのにはもったいなすぎる最高の食べ物といってもよいぐらいなのです。なぜならば現代の医薬品は免疫の働き、つまり免疫の遺伝子の発現を抑えて、異物との戦いを一時的には消し去るのですが、実は元の病気はどんどんひどくなる準備をしているだけなのです。ましてや38億年かかって進化した免疫の遺伝子は神なる存在ですから、人間の猿知恵で神の知恵を裏切るなどということは許されるわけではないのです。あらゆる症状はあらゆる病気は起こるべくして起こったにもかかわらず、現代の医学は全て免疫の遺伝子が悪いと決め付けて病気を作り続けているだけです。

 つまりそのような免疫の働きを抑える薬をやめると免疫の遺伝子の修復が行われ、再びリバウンドというはじめよりも激しい症状がみられます。つまりリバウンドという医原病が出てしまうので現代の医療は全く意味がないのです。確かに死ぬときにはステロイドは使うべきでしょうが、病気を治すためにはステロイドは全く百害あって一利もないのです。それではどんな薬が腎炎に使うべきでしょうか?ここに漢方生薬が登場してくるのです。

 漢方生薬は植物から採取したものであり、従って植物が作る栄養素と同時に、植物自身が敵から身を守るために作り上げた免疫成分がたっぷり入っていますから、医薬品と同列に並べるどころではないのです。漢方生薬を医薬品というのは植物のありがたみを現代人は誰も知らないので、漢方生薬を医薬品のひとつと考えているのです。昔から漢方生薬は医食同源と言われましたが、それ以上の存在なのです。つまり古代の中国人は免疫の意味をまるで知らなかったのにもかかわらず、漢方生薬を普通の食べ物以上に優れたものであり、病気も治すことができることを発見したのです。これが中国医学の出発点であったのです。

 皆さんご存知だと思いますが、この世に植物がなければ動物の全てが死に絶えてしまいます。なぜならば植物を食べなければ私たちは5大栄養素の全てを手に入れることができなくなってしまうからです。愚かな人は言うでしょう。「牛や豚を食べれば良いじゃないか」と。「あなたはアホですか?」と私は言いたいのです。牛や豚や鶏がどこから栄養を取っているのかご存知ですか?まさに植物なのです。この世に動物は植物なしに生きられないのみならず、古代の中国人は免疫の意味はもとより、植物の遺伝子も人間の遺伝子と同じ成り立ちであることを知らないで、何とか訳の分からない病気を治すために植物の中に薬草を求め、漢方医学を樹立したのです。

 皆さん、なぜ植物にも毒が入っているかをご存知ですか?それは植物が細菌やウイルスやカビや動物に食べられたくないためなのです。賢い中国人は人間を殺すような毒を持っている植物を排除し、原理を知らないで細菌やウイルスやカビを増殖させない植物を薬草として経験的に選び出して漢方医学の生薬として2000年以上も使ってきたのです。

 腎炎も、いわば人体に入った様々な異物と腎臓の結合組織や細胞で戦ったときに見られる炎症のひとつなのです。この炎症を現代はステロイドで免疫の遺伝子を変えることによって一時的に止めることはできるのですが、一生やめることができなくなってしまうのです。なぜならば、やめてしまうと再び遺伝子を修復するためのリバウンドが出てしまうからです。だからこそ彼は遠路から私の漢方治療を求めて受診され、ほとんどデータも良くなり、普通の生活ができるようになったので、手記を書いて下さいとお願いしたのです。しかし彼は書かなかったものですから、2年近く経った後にやはり別の病気で私を必要としたので、再び受診されるときに「つべこべ言わずに手記を書け、書く気がなければ二度とくることはない!」と言い放ったのです。「他の病院に行けば良いでしょう」という嫌味なことまで言ったのです。

 現代の病気で普通の愚かな大学病院の教授先生方は膠原病が難病だと言いまわっています。何も難しいことはないのですが、実は最後に残された膠原病の中で腎炎が一番治すのに時間がかかるのです。もちろん腎炎を治すのも自分の免疫の遺伝子ですが、一度腎臓のどこかに炎症が起こると、それを修復することが一番難しいからです。なぜでしょうか?ひとつは腎臓の機能が複雑かつ精巧であり、どの組織の何万倍も多くの毛細血管から成り立っており、この毛細血管を通じて血中に溶けている老廃物や異物を濾過して排除する場所であるからです。この濾過装置を糸球体といいますが、ひとつの腎臓に約100万個ありますから、2つの腎臓で約200万個あるのです。ひとたびこの腎臓の糸球体に一箇所でも傷がいくと、それを修復することが極めて難しいのです。その理由をゆっくり考えていきましょう。

 この糸球体は毛細血管の“毛まり”のような塊であり、この糸球体の毛細血管の基底膜で血漿成分を限外濾過するのです。この限外濾過というのは、膜の両面に一定の圧力差があるときに、高い圧の側から低い圧の側へと溶液中の粒子が分散して染み出すことです。膜を通して粒子状のゴミや不純物が取り除かれるので濾過といいます。糸球体の毛細血管の水に溶けている分子量の低い物質(溶質)が血管から取り除かれます。生体内ではあらゆる毛細血管と、この腎糸球体の毛細血管で限外濾過が行われています。

 どのようにして腎糸球体の毛細血管の中の粒子が濾過されるかをもう少し説明しましょう。実はこの糸球体のひとつひとつはボーマン嚢という袋に包まれています。このボーマン嚢という袋の中に糸球体の毛細血管から濾過されて染み出てきた老廃物や濾過された物質が貯められる所です。この袋の中をボーマン腔といいます。この腔は圧力がほとんどありませんから、このボーマン腔よりも糸球体の毛細血管の中の水の圧力の方がはるかに強いので、この毛細血管からボーマン腔に血液を濾過することが可能となるのです。もちろん毛細血管の水の圧力が押し出す力となりますが、逆にその押し出す力を弱める力があります。それが血漿膠質浸透圧と呼ばれるものであります。

 血漿膠質浸透圧とは何でしょうか?皆さん、アルブミンというタンパクはたびたび耳にされることがあるでしょう。血中に多く含まれているこのアルブミンが少なくなると、下肢や足がむくむという話を聞いたことがあるでしょう。このアルブミンは血管にあるときに血管外の組織から水を血管内に引く力があるのです。この力を引く力のことを血漿膠質浸透圧というのです。従って糸球体の毛細血管にはアルブミンが多くあるので、水を引く力が強いのです。従って糸球体の毛細血管からボーマン腔に水を押し出そうとする力は、このアルブミンの血漿膠質浸透圧を差し引く必要があるのです。差し引かれても押し出す力の方が強いので、これが糸球体における血漿の限外濾過の力となるのです。大体お分かりになりましたか?

 このような限外濾過によってボーマン腔に貯められたものが尿のもとであり、原尿といいます。原尿は別名、糸球体濾過液といい、糸球体において血液から濾過された成分であり、1日に100リットル作られますが、そのうち99%は尿細管で再吸収を受け、尿にはたった1~2%程度しか排泄されないので、普通の人の1日の尿量は1.5リットルぐらいです。このように、まさに腎臓はこの原尿を作る仕事が一番大事なのです。ただこの原尿そのものが尿ではないのです。この原尿の中に含まれている人体に必要な物質が、再び尿細管というところで吸収され、後の残りの老廃物がいわゆる尿、つまり小便となるのです。

 糸球体の毛細血管で血液が濾過されるといいますが、実はどのように濾過されるかについてはまだ不明な点が多いのです。糸球体の毛細血管の表面には血液を濾過するフィルター役の足細胞がくっついています。この足細胞の隙間から原尿がもれ出てくるのです。足細胞はポドサイトや有足突起などとも呼ばれます。糸球体の毛細血管の表面を、まるで数匹の蛸があらゆる毛細血管に互いに足を絡め合い、網目を作り、糸球体の毛細血管を覆い尽くしているのです。この足細胞の働きは、足をリズミカルに伸び縮みさせ、毛細血管をしごくようにマッサージさせながら、足細胞が密着していない毛細血管の内皮細胞の穴から液体成分と、小さい分子であるブドウ糖やアンモニアや様々なイオンだけを濾過します。一方、毛細血管中の大きな分子である赤血球、白血球、血小板などの細胞成分と大きなタンパク質はこのフィルターを通過できないのです。このように濾過された原尿のうち、有用な糖分やアミノ酸などは、ほとんど全て尿細管で再吸収されるのです。さらに塩分やカルシウムイオンの生命維持に必要不可欠な成分や水分は、ホルモンなどによって再吸収量が上手に調節されているのです。

 糸球体の濾過フィルターの役目をしているのは、今述べた毛細血管の外側に巻きついている足細胞と、毛細血管の内側を覆っている内皮細胞と、その中間にある基底膜の三者の協力によって行われているのです。皆さん、分かりにくいと思いますがついてきてください。

 それでは腎臓が悪いときにむくみが見られるのですが、それについても簡単に説明しましょう。むくみは医学用語で浮腫といいます。ときには水腫ともいいます。細胞外にたまる液体が増加した状態です。人体には60兆個の細胞がありますが、その外というのは結合組織であり、結合組織のことを間質といい、ときに組織といいます。従って浮腫は結合組織に増加して貯留した水分がむくみとして観察されるのです。腎性の浮腫というのは、結局原尿が作られにくくなることです。腎臓の糸球体が傷つき、先ほど述べたアルブミンが糸球体の毛細血管からもれ出てしまいます。するとこのアルブミンの血漿膠質浸透圧が減っていきます。組織、特に下肢の皮膚の組織にある水分を毛細血管内に引き入れる力が落ちるので浮腫が出るのです。もちろん他にも浮腫の原因は色々ありますが、ほとんどの浮腫の原因はアルブミンをはじめとする低タンパク血症によるものと考えればいいのです。

 腎臓の構造の全てを語るのは難しすぎますが、少しふれましょう。ボーマン嚢と丸まった毛細血管の塊である糸球体のふたつを腎小体といいます。昔はこの腎小体をマルピギー小体と呼んでいました。皆さん、ネフローゼという言葉を聞いたことがあるでしょう。ネフローゼという言葉はどこから生まれたかご存知ですか?ネフロンという言葉から生まれました。ネフロンは今述べた腎小体と尿細管からできているのです。つまり血液を濾過する仕事をしている腎臓の形態的・機能的な単位をネフロンと呼んでいるのです。ネフローゼというのは、尿中に大量の血清タンパク成分がもれ出るときに見られる病気のことをいっているのです。ネフロン、つまり腎小体と尿細管に病気がある状態をネフローゼといっているのです。もう一度復習しましょう。腎小体は糸球体とボーマン嚢から成り立っています。ネフロンは糸球体とボーマン嚢と尿細管から成り立っています。医学は専門術語が多いのでとっつきが悪いですが、分かってしまえば何も難しい学問ではありません。

 さらに一言加えましょう。実は腎小体を漠然と糸球体と呼ぶことがあり、さらに本来の糸球体を糸球体係蹄と呼ぶことがあることも知っておいてください。皆さん、糸球体を糸球体係蹄となぜ呼ぶのか説明しましょう。係蹄の意味は、中国で罠の一種を意味しました。ひもや縄などを輪状にして餌を中に置き、鳥獣を誘い、その足に縄を絡ませ締めて捕える仕掛けを係蹄といったのです。つまり糸球体は、まるで毛細血管を縄と考えると、それをぐるぐる巻きにした毛細血管の集まりという意味で、糸球体の特徴を特に強調して示す言葉が糸球体係蹄であります。係蹄という難しい言葉は昔の偉い医学者は用いたのですが、もっと分かりやすくは“糸球体は毛細血管の糸だま”とか“糸球体は毛細血管の毛まり”と言った方がぴったりするのですが、医学を庶民から遠ざけるために作った言葉なのでしょう。今も昔も医者はお高くとまっていたようですね、アッハッハ!医学はこのような難しい医学術語の定義をマスターすることが一番大事なのです。

 この約200万個のひとつひとつの糸球体に一本ずつ輸入動脈が入り、糸球体毛細血管網を作り、この毛細血管で限外濾過によって血液を濾過し、原尿を作り、ボーマン腔に溜まった原尿は尿細管で原尿の中にある必要な物質を再び血管に戻します。濾過の仕事を終えた糸球体毛細血管は再び集まって一本の糸球体輸出動脈となり、糸球体から出て行くのです。

 さぁ、これからは腎臓の膠原病である腎炎についてお話しましょう。糸球体腎炎は、普通には腎炎と呼ばれますが、この病気の本質は糸球体の血液の濾過の仕事ができなくなった状態であります。腎炎とはなんと漠然とした言葉でしょう。とどのつまりは、原理的には人体にとって異物である化学物質を腎臓の結合組織でIgGを用いて排除する戦いにおいて見られる炎症を腎炎といっているのであります。ちょうど関節の結合組織で化学物質をIgGで排除する戦いを関節炎とか関節リウマチというのと同じことです。従って糸球体腎炎とは、正しくは腎臓の糸球体の間質で異物と戦うときに見られる糸球体間質炎というべきものです。

 さて、糸球体の間質とは何でしょうか?先ほど述べたように、糸球体は大部分が毛細血管から成り立っています。従ってこの毛細血管を固定したり支持したりするために、この無数の毛細血管と毛細血管との間に、それらを結びつける結合組織が必要となります。この糸球体の結合組織をメサンギウムといいます。このメサンギウムという糸球体の間質には、メサンギウム細胞がたくさんいます。このメサンギウム細胞は、皮膚の結合組織に見られる線維芽細胞とよく似た性質を持ち、メサンギウムという間質を作るために膠原線維(コラーゲン)を分泌します。と同時に、このメサンギウム細胞は皮膚の結合組織に見られるランゲルハンス細胞と呼ばれる免疫細胞や、かつ大食細胞に似ているところもあります。つまりメサンギウム細胞は糸球体の構造を維持するほか、食作用、コラーゲン産生作用、さらに代謝産物の移送などもしているのです。

 それでは、どのようにして糸球体に運ばれた異物が、どのようにして処理されるのかを考えてみましょう。今述べたように、メサンギウム細胞は大食細胞に似た物質処理能を有しており、異物の貪食と処理を行い、同時に糸球体外に異物を排除していると考えられ、糸球体の異物排出機構の仕事をやっております。糸球体毛細血管から出た異物を取り込んだメサンギウム細胞は、毛細血管から大食細胞になる単球を寄せ集め、炎症を起こします。異物を取り込んだ大食細胞はTNFというサイトカインを作り出します。かつ大食細胞は化学物質を溶かしきれないので、様々な強力な酵素や化学物質や、同時に殺しきれない異物である化学物質をも吐き出して、メサンギウムとよばれる間質を破壊してしまいます。すると、この炎症が糸球体の毛細血管の基底膜にまで波及し、基底膜が破壊されます。すると、破壊された毛細血管の基底膜を通して、様々な種類の高分子のタンパクや血球がもれ出てきます。これが腎炎の始まりであります。すぐに毛細血管のほころびが修復されると一過性の急性腎炎で終わりますが、同じ化学物質が続けて入ってきますと、この炎症がいつまでも続きます。これが慢性腎炎となるのです。

 腎炎のタイプには色々あります。いずれにしろ人間にとって異物を糸球体の結合組織であるメサンギウムで排除しようとする炎症が出発点となっており、その原因物質とか、炎症を起こす糸球体の広がり、数、持続期間により、さらに炎症を止める薬の強さや、薬の量、使用期間などによって、様々に傷が治らない状態によって、さらに腎臓の組織検査の力も借りて、数多くの病名がつけられるのです。全てを挙げてみましょう。IgA腎症、壊死性糸球体腎炎、急速進行性糸球体腎炎、巣状糸球体腎炎、増殖性糸球体腎炎、中毒性腎症、肉芽腫性糸球体腎炎、膜性増殖性糸球体腎炎、慢性糸球体腎炎、ループス腎炎、MRSA(マーサ)腎炎などと名づけられるのです。

 次回は若い人によく見られるIgA腎症について詳しく述べましょう。乞うご期待!)

今日はここまでです。2013/06/13

 IgA腎症は、別名、IgAメサンギウム腎症とか、IgA腎炎とか、免疫グロブリンA腎症とか、ベルジェ病ともいいます。フランスのベルジェが1968年に初めて報告しました。慢性に経過する糸球体腎炎の中で、蛍光抗体法により、IgAがメサンギウムに沈着していることが証明されたのですが、同時に補体のC3も沈着することが分かりました。(補体についてはいずれ必ず詳しく書きます。)上に述べたように、糸球体間質といわれるメサンギウム結合組織領域を中心に、IgAという抗体が沈着し、メサンギウム細胞が増え、さらにメサンギウム細胞以外にも大食細胞などの様々な炎症細胞も増えているのです。

 IgA抗体は本来、粘膜抗体といわれるように、粘膜にしか見られないのに、どうして粘膜のない腎臓のメサンギウムにIgAが沈着しているのが見られるのでしょうか?さらにIgAは抗体の中で最も炎症を起こしにくい抗体といわれてきたにもかかわらず、なぜ腎炎を起こすのでしょうか?つまりIgAは中和抗体といって、ウイルスにしろ、細菌にしろ、敵をつかまえて自分自身と敵を便や小便や痰や涙などに流し去るだけであると考えられている最も安全な抗体であるにもかかわらず、なぜ腎臓に炎症を起こし障害を残すのでしょうか?説明しましょう。

 その答えの中心はただひとつ、実はIgA抗体にはしっぽに補体がつくIgAがあることが分かったのです。この補体に大食細胞や好中球がひっついて炎症を起こしてしまうのです。皆さんご存知のように、抗体はY字の形をしています。上の2本の手で敵を捕まえ、一本足に様々な炎症を起こす補体や貪食細胞がつきます。IgA抗体のしっぽには貪食細胞は絶対につかないのですが、補体はつくことができるのです。だからこそ腎臓のメサンギウムに補体のC3が沈着しているのです。この補体のC3がIgAにひっつくと、オプソニン作用(味付け作用)が生まれ、この味に憧れて大食細胞や好中球が食べにかかるのです。これが答えなのです。つまりIgAに補体がひっつくと、この補体に貪食細胞がひっついて、IgA抗体の両手で捕まえている敵を食べるのですが、貪食したハプテン(化学物質)とキャリアタンパクの複合体は殺しきれないのでメサンギウムに吐き出します。このときに貪食細胞である好中球や大食細胞は強力な活性酸素や化学物質や酵素を吐き出し、そのメサンギウム(糸球体間質)の組織を傷つけ、と同時に近接する糸球体の毛細血管も傷つけて、その結果分子量の小さいアルブミンのみならず、大きな様々なタンパクや血球もボーマン腔に、尿細管で再吸収されきれないほどにもれ出てしまい、最後は尿に出てしまい、尿検査で蛋白や潜血が尿に出てしまうのです。一度傷ついた毛細血管は修復することが非常に難しいのです。これについて説明しましょう。

 ひとつの腎臓に約100万個もある糸球体の毛細血管は、普通の血管とは構造が全く異なります。というのは普通の血管は、まず動脈、小動脈、細動脈、毛細血管、細静脈、小静脈、静脈、とつながるのですが、糸球体の毛細血管は、輸入細動脈から始まり、毛細血管、毛細血管、毛細血管・・・と無限に繋がり、血液が濾過された最後に輸出細動脈となって出て行くのです。傷ついた毛細血管は、どの器官の毛細血管であろうとも、毛細血管を取り囲む結合組織が充分多くないと修復できにくいのです。なぜかというと、毛細血管の細胞にしろ、他の全てのいかなる細胞も、まず細胞が定着する母地となる結合組織が絶対に必要であるのです。つまりまず正常な結合組織をつくって初めて正常な細胞が出来上がるのです。糸球体の間質(結合組織)は糸球体の中心に集中しているので、糸球体の中心に近い毛細血管は比較的早く修復できるのですが、糸球体の中心から離れた大部分の毛細血管はボーマン腔に連なっており、ボーマン腔には間質がないので、ますますこれらの毛細血管の修復が難しくなるのです。つまりメサンギウムの結合組織自身の修復はまだやりやすいのですが、糸球体の毛細血管の内細胞の組織修復が極めて難しいのです。さらに糸球体の支持組織であるメサンギウムの細胞は、他の組織の支持組織にある線維芽細胞とは異なっているので、メサンギウムの間質の修復が難しくなるのです。それについて説明しましょう。

 毛細血管の修復にしろ、メサンギウム組織の修復にしろ、まず肉芽組織が作られる必要があり、その後、膠原線維により欠損組織が置換される必要があります。ところが肉芽組織を作ってくれるメサンギウム細胞は、上に述べたように、皮膚の結合組織に見られる線維芽細胞とよく似た性質を持っており、かつ間質(結合組織)を作るために膠原線維(コラーゲン)をも分泌できるのですが、と同時に、このメサンギウム細胞は皮膚の結合組織に見られるランゲルハンス細胞と呼ばれる免疫細胞や、かつ大食細胞に似ているところもあります。つまりメサンギウム細胞は糸球体の構造を維持しコラーゲン産生作用もあるので、メサンギウム間質の修復もできるのですが、一方では免疫の食作用もあるので、炎症を高めてしまうのです。だからこそ一度傷ついたメサンギウム間質は治りにくいのです。一言で言うと、メサンギウム細胞は化学物質を処理すると炎症を起こしやすく、同時に炎症の傷も治すという、相反する仕事を一人二役でやっているので傷が治りにくいのです。

 それではなぜIgA腎症が細菌感染やウイルス感染の後に起こりやすいのでしょうか?さらに様々な食物タンパクがIgA腎症を起こしやすいといわれていますが、なぜでしょうか?なぜ腸管や喉頭や気管支の粘膜で作られるIgAが粘膜とは全く関係ない腎臓に沈着するのでしょうか?このふたつの疑問を解きましょう。

 粘膜で扁桃炎を起こすほどのウイルスや細菌の感染症が続くと、IgA抗体も大量に作られます。その抗体の中に補体がひっつくIgA抗体も生まれます。もちろん補体と結びつくが、まだ補体がついていないIgA抗体もどんどん作られます。例えば、2次リンパ組織である扁桃などで作られたこのような抗体は、必ず扁桃の輸出リンパ管に乗って扁桃のリンパ節から出て、最後は血管に入っていきます。リンパ管に流れている液体をリンパといいます。

 どのようにリンパが血管に集まるかを説明しましょう。まず左右の下半身から集められたリンパと上半身の左側から集められたリンパは、胸管というリンパ管に一緒に集められ、左鎖骨下静脈に入って血管に入り、心臓へ戻っていきます。上半身の右側から来たリンパは、右リンパ本管に入り、右鎖骨下静脈に合流して心臓に戻ります。心臓に血液と共に戻ったリンパは心臓から出て行く血液と一緒に全身に運ばれ、腎臓にも行きます。腎臓に入った栄養血管は糸球体のメサンギウムに到達すると、栄養と共に補体のついたIgAに結びついた細菌やウイルスの断片を吐き出し、これを待ち構えていたメサンギウム細胞や大食細胞が食べます。このような細菌やウイルスの断片が大量でなければ、メサンギウム細胞や大食細胞は簡単に処理して溶かしきってくれるのですが、あまりに多いと炎症が続きます。このときにたまたま血管から化学物質(ハプテン)と結びついたキャリアタンパクの複合体が一緒に運ばれてくると、ここでときに細菌やウイルスの断片(エピトープ)と似たハプテンキャリアタンパクとIgAとがひっつくことがあります。このIgAは本来は細菌やウイルスの抗原につくべきものですが、この抗原がたまたまハプテンキャリアタンパクの抗原と似ているときには、このIgAがハプテンキャリアタンパクに結びついてしまうのです。これを抗体のクロスリアクションといいます。

 さらに補体は血流や糸球体の間質にいつも大量にありますから、ここでまた補体のついていないIgAがハプテンキャリアタンパク結合体にひっつきます。この補体を大食細胞やメサンギウム細胞が食べだします。ところがこのような化学物質を貪食細胞は溶かし殺せるわけはないので、殺せない化学物質と共に細胞を傷害する活性酸素や様々な酵素と共にメサンギウムに吐き出してしまいます。ますますメサンギウム間質の炎症が起こり、近辺の毛細血管の内皮細胞にもさらに炎症が波及し、毛細血管の内皮細胞がつぶれていきます。つまり糸球体の毛細血管に穴が開いてしまい、ここからタンパクや血球やその他の血液成分が漏れ出し始めます。はじめに述べたように、糸球体の毛細血管は特別な毛細血管であり、輸入細動脈から輸出細動脈まで毛細血管が連続的につらなっているので、補修が難しく、いつまでも穴が閉じられなく、いつまでも尿にタンパクや潜血が見られ、腎炎と診断をつけられてしまうのです。

 炎症が一時的に終われば毛細血管の傷だけが残るのですが、ときにはその傷も自分の免疫の修復力により自然に治ってしまうことがあります。この糸球体の毛細血管の傷が完全には治らない人は、いつまでも尿タンパクや尿潜血が見られ、無症候性持続性蛋白尿と診断されたり、IgA腎症と診断される人が出てくるのです。さらに何回も炎症が起こり続けると、この悪循環を繰り返し、本格的な慢性腎炎へと徐々になっていきます。腎機能が正常の場合でも、過激な運動や過労などによりストレスがかかり続けると、自分でステロイドホルモンを出しすぎたり、間違った治療を知らず知らずにやっているうちに、免疫を抑制し続ける人がいます。ところが自分で作るステロイドホルモンは必ず出しすぎることがないように、脳は副腎皮質にステロイドホルモンを作らせないようにしています。従ってステロイドの量が大きく下がるたびごとに、ステロイドの離脱症状が生じ、免疫が上がるたびに糸球体のメサンギウム組織の炎症が起こり、それを知らず知らず繰り返しているうちに腎機能も悪化し、いつの間にか腎不全を起こし、最後は腎透析をせざるを得ない人もいるのです。あまりにもこの炎症が急激に起こったときには急性腎炎として診断されるのです。

今日はここまでです 2013/6/27

 この糸球体の毛細血管の長さを知りたいと思って調べたことがあるのですが、どの本にも記載されておりません。なぜ腎臓学者はこの長さに興味がないのでしょうか?さらに一度壊れた糸球体は再生しないといわれていますが、実は毛細血管が非常に修復されにくいためなのです。その結果、その周辺の腎臓の組織の修復も困難になっていくのです。なぜならば毛細血管を通じて修復する成分が炎症組織に送られるからです。にもかかわらず、診断のために腎生検という名で人為的に腎臓の組織を切り出すことに何の意味があるのでしょうか?医者が既に膠原病のために傷ついた腎臓の結合組織や、修復されにくい糸球体の毛細血管をむやみに傷つけて良いものでしょうか?

 一度傷ついた糸球体は絶対治らないといわれているにもかかわらず、何のために腎生検をやるのでしょうか?病理学的に、つまり顕微鏡で腎臓の組織の状態を見て“目で見た炎症の状態”に様々の病名をつけて一体何の意味があるのでしょうか?一番大切なことは、目に見えない原因を探り出し、さらにその原因を処理しようとする目に見えない免疫の働きを理解することなのです。腎生検をやって原因が分かったためしがあるでしょうか?いつも言っているように、病気は異物と人間の免疫との戦いの結果生ずるものであり、かつ必ず免疫はその異物を殺すか、排除するか、共存するか、封じ込めるのかの4つのうちどれか正しい答えを出してくれるのに、なぜわざわざ腎臓に傷をつけて目に見える病理検査に頼るのでしょうか?採血や検尿で腎機能が異常を起こしていることは何も腎生検をする必要は全くないのです。つまり異物と患者の免疫との戦いがたまたま腎臓で起こっているだけのことですから、この異物が何であり、その異物をどのようにして免疫が排除しようとしているのかを知るだけで充分なのです。その異物とはまさに殺しきれなかった細菌やウイルスの断片であり、かつ化学物質以外に他にないのです。

 まさに文明生活を満喫していらっしゃる皆さんに聞きたいのです。皆さんは毎日毎日、目に見えない異物を何とかして避けようとして生きていらっしゃいますね。まさか好んで目に見える異物を入れるバカがこの世にいるでしょうか?誰もいません。人体にとって必要なもの以外を食べたり飲んだりする文明人がこの世にいるでしょうか?いるはずがありません。だからこそ知らず知らずのうちに人体に侵入してくる異物がどんなものであるかはすぐにお分かりになるでしょう。知らない間に目に見えないうちに人体に侵入するものは一体何でしょうか?もちろん入れたくないものを無理やりに入れられるものがあるのですがご存知ですか?考える時間をあげましょう・・・・・・・・・

 そうです、ウイルスと細菌と、さぁ他に何があるでしょう?化学物質です!当たりです!!あなた方は知らぬ間に飲み物や食べ物に膨大な化学物質が入っていることを気がついていますか?まさに文明を支えているのはこの化学物質なのです。人体にとって不必要な化学物質、つまり人体に異物になる化学物質を文明の名のもとに無理やり食べさせられていることに気づいていますか?化学物質なしの食生活をしたいと思っても、文明がそれを許さないのです。現代人はこの真実を知りながらも、皆がやっていることに深く考えもせず諦めて、言っても仕方がないことなので諦めて化学物質を当然のものとして受け入れてしまっているだけの話なのです。近頃、回転寿司や牛丼屋などで添加物ゼロだという宣伝をしまくって客寄せをしていますが、実は添加物ゼロなどという食品は何もないのです。魚にしろ抗生物質がたっぷり入っています。福島周辺の魚は放射能いっぱいです。米にしろ野菜にしろ、農薬を使わないで作られているものは何もありません。これらを無視して無添加という宣伝が許されるのはおかしいと思いませんか?食品添加物、つまり食品添加化学物質の危険性については、巷に優れた書物が溢れるほどありますので、自分で買ってしっかり勉強してください。

 実は知らず知らずして化学物質を食べているだけではありません。無理やりに食べさせられている化学物質があります。それが薬です。薬こそ100%化学物質からできています。日本人は毎年10兆円近くの薬という化学物質を飲み続けています。化学物質という異物の特性だけを持っているのが薬ではないのです。もっと怖いのは、ほとんど全ての薬が免疫の働きを抑えるだけで、病気の根本治療には全く貢献していません。逆に免疫を抑えることによって病気を作っているだけなのです。つまり薬という化学物質は人体には元来不必要な化学物質であるだけでなく、まさに免疫を傷つけるだけで病気を新たに作っている化学物質なので尚更問題となるのです。つまり薬が病気の原因となる化学物質という異物になると同時に、異物を処理してくれる神なる免疫の遺伝子の働きも抑えてしまうので、毎年毎年病気が増え、医療費が増え続けるのです。

 ちなみに皆さん、日本で一番難しい試験は何だと思いますか?弁護士試験がトップであり、次に公認会計士が続き、税理士、司法書士、弁理士、行政書士、不動産鑑定士、土地家屋調査士、一級建築士、歯科医師、獣医師、医師、などが挙げられます。以上の資格が人気があり、しかも社会的地位の高い資格であります。しかし上に挙げた資格の中で医師以外は全て供給過剰です。歯科医師は7万人近くいますが、通常の歯科医院では飯が食えないので、矯正歯科やインプラントに力を入れる歯科医師が多くなってきました。最難関の弁護士になっても飯が食えない弁護士を知っています。つまり医師以外は全て過剰になっているのはなぜでしょうか?びっくりされるかもしれませんが、医師は病気を作り続けることができるからです。皆さん弁護士が犯罪者を増やして、その弁護の仕事を増やすことができますか?絶対に無理です。公認会計士も税理士も、企業がなければその税理を見ることはできません。会社の数も日本は減るばかりです。医学がこれほど進んでいるにもかかわらず、病気を治せなくてもお金が取れるという医業のために、ますます病気を増やせる資格を持っているのが医師といえます。悲しいことです。順位の最後に医者集団を入れたのはなぜだかご存知ですか?自分で考えてください。

 アベノミクスも一番大切な国家崩壊の原因となっている農業と医療と介護については一言も口に出しません。なぜでしょう?票が欲しいからです。残念です。病気を治さなくてもお金をもらえる医業はやめにすべきだし、土地を耕さなくてもお金がもらえる農業はやめるべきだし、金や財産をたっぷり持っている老人を特別に医療や介護で面倒を見るのをやめるべきですが、こんなことを安倍首相が言えば、彼はきたる参議院選挙で大敗を喫することが分かっているので、絶対に言わないのです。悲しいことです。彼も潰瘍性大腸炎でレミケードを打ち続けているようですが、もし参議院選で大敗を食らえば、第一次安倍内閣と同じ結末を迎えてしまうでしょう。病気を治すのに最も大事な先天免疫のサイトカインであるTNFを抑え込むレミケードを使えば使うほど、彼の病が知らず知らずのうちに進行していくことを私は知っているので、安倍首相を哀れに思ってしまいます。総理官邸に7ヶ月も入居されないのは、やはりレミケードをこっそり点滴される姿をマスコミに知られないためであることは分かりますが、いつまで彼の体が持つか心配でなりません。なぜならば潰瘍性大腸炎の原因はストレスであるからです。ストレスに耐えるために副腎皮質ホルモンを出し続けたために、アレルギーを膠原病である潰瘍性大腸炎にしてしまったのです。日本で一番ストレスの多い仕事は何でしょうか?内閣総理大臣です。アベノミクスが成功することを彼の病気のためにも願わずにはいられませんが、安倍首相と親しい橋下大阪市長が断言したように、必ずアベノミクスは失敗するでしょうから、そのときに彼の潰瘍性大腸炎がさらに悪くならないことを祈るばかりです。

 IgA腎症の原因や治し方も、他の腎炎の治し方も結局同じなのですが、IgA腎症以外の腎炎の病気の成り立ちや意味についてひとつずつ簡単に説明しましょう。

 膜性腎症(膜性腎炎)は、先ほど述べた糸球体の基底膜が炎症のために傷つき、それを修復するために基底膜が過剰に増殖したものであります。

 増殖性糸球体腎炎は、メサンギウム細胞が炎症中に過剰に増殖し、正常なメサンギウム組織に戻っていない腎炎です。

 膜性増殖性糸球体腎炎は、基底膜とメサンギウム組織の炎症が同時に見られる腎炎であります。つまり慢性腎症と増殖性糸球体腎炎が同時に起こっている状態です。

 巣状糸球体腎炎は、糸球体の一部に局所的に基底膜やメサンギウム組織の炎症が同時に見られる腎炎です。

 巣状糸球体硬化症は、巣状糸球体腎炎の後が修復されずに、正常な足細胞や基底膜や血管内皮細胞が失われ、正常な構造がなくなり、一部の組織が線維化し硬くなってしまった腎炎です。

 肉芽腫性糸球体腎炎は、腎炎の炎症の後、正常な構造が一部分なくなり、肉芽腫、つまり結合組織だけを残している腎炎です。範囲が広くなれば、腎臓の機能がなくなり透析せざるをえなくなります。

 ループス腎炎は、膠原病のSLEの際に見られる腎臓の結合組織においても化学物質とIgGで戦うときに見られる腎炎であることは既に述べました。つまりループス腎炎はSLEの膠原病が腎臓まで及んでしまった例です。SLEについてはSLEのコーナーを読んでください。

 微小変化型ネフローゼ症候群は、腎臓の組織を生検で顕微鏡で見ても、糸球体の基底膜の変化は見られないが、アルブミンが原尿にたくさん出てしまうのでネフローゼ症候群と呼ばれてしまうのです。この腎炎は3つの層のうち、基底膜が傷害されて、その傷害された基底膜の隙間からアルブミンがどんどんボーマン腔に原尿として大量に出てしまい、そのアルブミンが尿細管で再吸収されないで尿として一緒に出てしまうのです。従って基底膜の修復さえできれば完全に元に戻るのですが、治療でステロイドを使ってしまうと、免疫の修復機能も失われ、ますます基底膜の傷穴が深くなり、最後は本格的な腎炎になり治らないネフローゼが続いてしまうのです。微小な変化ですから小児に多く見られますが、間違ったステロイド治療を小児に長期に行うと、発育障害や小児高血圧という医原病も医者にプレゼントされてしまうのです。

 半月体形成性腎炎(急速進行性糸球体腎炎)は、糸球体の炎症が極めて急速に、かつ激しく生じ、糸球体の毛細血管の基底膜のみならず、その炎症がボーマン腔の壁まで及んだものです。ご存知のようにボーマン腔は左右両腎に200万個あり、原尿をためる袋になっていますが、この袋の壁にも炎症が及び、その袋の壁が炎症のために膨らみ、三日月様の形をとるため半月体と呼ばれるのです。糸球体の高度な炎症性病変が、糸球体にとどまらず、外のボーマン腔の壁まで及んでしまったのです。つまり急速に進行していく糸球体腎炎ですから、急速進行性糸球体腎炎とも呼ばれるのです。この半月体が半数以上の糸球体に見られる場合に半月体形成性腎炎と呼ばれ、臨床的には多くの場合、1年以内に腎不全に陥ってしまいます。

 壊死性糸球体腎炎は、糸球体に壊死層を持つ増殖性糸球体腎炎であります。この壊死層は、ときに糸球体全体に広がることもあります。あらゆる腎炎で見られることがあり、腎炎の活動性の高い状態を反映する視覚的・形態学的・病理学的な名称であります。

 グッドパスチャー症候群は、1919年に米国のグッドパスチャーという病理学者が見つけた腎炎であります。インフルエンザウイルス感染後に喀血と急性腎不全で死亡した症例から見つけたのです。腎臓は初期には増殖性糸球体腎炎が見られ、次いで急速進行性糸球体腎炎になっていきます。変異したインフルエンザウイルスが肺に感染し、このときに作られたインフルエンザに対する抗体が肺胞基底膜と腎臓の基底膜に対しても共通の抗原を見出し、この抗体がふたつの組織の基底膜にひっついて炎症をおこしたためです。このような反応を交差反応といいます。この交差反応は英語でクロスリアクションといいます。

 自己免疫疾患と呼ばれる病気のほとんどは、この交差反応によるものであります。残りの自己免疫疾患は、いわゆる膠原病と呼ばれ、化学物質をIgGで戦うときに見られるものです。交差反応は、ウイルスや細菌に対して作られたIgG抗体が、自己の臓器の細胞膜の成分と結びつくことがあり、このIgG抗体と自己の細胞膜の成分の2者が結びついたものを、NK細胞が殺したり、大食細胞が食べたりするときに炎症が起こり、いわゆる自己免疫疾患となるのです。あるいはこの両者が結びついたIgG抗体のFc部分にC1qやC3bなどの様々な補体がひっついて、補体の活性化が急速に起こり、ますます炎症が生じ、その抗体がひっついていた細胞がどんどん殺されてしまうのです。さらに補体の活性化の最終段階でMACが作られ、腎臓の細胞は直接殺されてしまうのです。その繰り返しが生じるとグッドパスチャー症候群になるのです。この補体の活性化経路を古典的経路といいます。補体は非常に難しいのですが、いずれ分かりやすく書くつもりです。乞うご期待!

 紫斑病性腎炎は、別名アナフィラクトイド紫斑病性腎炎とか、ヘーノホ-シェーンライン紫斑病性腎炎とも呼ばれます。アレルギー性紫斑病とか血管性紫斑病に見られる糸球体障害であります。抗原抗体反応による全身性血管炎に基づくと考えられています。組織学的には微小変化型の腎炎とか、メサンギウム増殖性糸球体腎炎とか、膜性増殖性腎炎を示す腎炎も見られます。蛍光抗体法では糸球体のメサンギウム領域にIgAの沈着が見られることが特徴ですから、IgA腎症の一型であります。さらに補体であるC1qやC3bなどのタンパク質の沈着も見られます。従って紫斑病性腎炎は、まさにグッドパスチャー症候群の別型とも考えられます。なぜでしょうか?それは紫斑病自身が血小板に対する交差反応(クロスリアクション)によるものです。つまり明確なウイルスや細菌による感染が生じた後や、気がつかないヘルペスウイルス感染の後に作られたウイルスに対する抗体が、たまたま血小板の膜にそのウイルスと共通の抗原があり、その抗原と抗体が結びついて免疫複合体となり、グッドパスチャー症候群で説明したようなクロスリアクションを起こし、腎臓に炎症が起こり、腎炎となるのです。

 中毒性腎症は、外因性の治療薬、診断薬、造影剤、毒物や重金属が体内に大量に投与されて起こる腎障害をいいます。これこそ化学物質による膠原病性膠原病ともいえます。医学辞典などには中毒性腎症はアレルギー性機序による過敏性腎障害と書かれていますが、結局はアレルギーも膠原病も同じことですから、まさに中毒性腎症は化学物質性膠原病である糸球体腎炎なのです。

 以上、腎炎の様々な病名についての説明を細かくしたのですが、結局腎炎が起こる機序は2つしかないのです。それはいわゆる自己免疫疾患や膠原病が起こる機序と全く同じものなのです。ひとつは、化学物質を腎臓の結合組織でIgGで処理しようとしたときに生じる膠原病としての腎炎と、2つめは細菌やウイルスなどに対して出来上がった抗体が腎臓の糸球体の毛細血管の基底膜に対してクロスリアクションして結びつき、これをキッカケに補体が働き、好中球、大食細胞、キラーT細胞なども働き、最後は炎症を起こすためであります。

 さて、このような腎炎がどんどん進行して腎臓の濾過作用が不可能になり、200万個もある糸球体の働きも徐々に弱まり、最後は腎不全となってしまいます。このときに人工腎臓、つまり血液透析装置が必要となります。これが人工透析です。尿毒症を起こさないためです。つまり透析は、全ての腎炎において炎症が高度でかつ範囲が広くなると濾過能力がなくなるので、どんな種類の腎炎でもどんどん糸球体が死んでいけば最後に必要になることがあります。

 ここでネフローゼ症候群についてもう少し詳しく述べておきましょう。今まで述べてきた腎炎の病名は、組織学的に分類されたものでありますが、このような腎炎がどんどん悪化すると、タンパクが血管から失われ、次に述べる症状が他覚的・自覚的に認められます。4つの診断基準を満たせば、完全なネフローゼ症候群といわれるのです。

 まずひとつめは、尿タンパク量が1日に3.5g以上見られること。従って血液に含まれるタンパクが減ります。これを低タンパク血症といいます。

 ふたつめは、血清の総タンパク量が6.0g/dl以下になります。タンパクの中のアルブミンに注目すれば、血清アルブミン量が3.0g/dl以下の低アルブミン血症になります。このように血液からタンパクが減ってくると、皮膚組織などにある水分を血管に引く力がなくなるので、3つめは、むくみ、つまり浮腫が生じます。このようなタンパクが血液に水を引く力を血漿膠質浸透圧といいます。

 肝臓でアルブミンが作られるが、アルブミンが減るとそれを補うために、同じ経路で作られる脂肪を運ぶリポタンパクも増えるので、結果的に血中のコレステロールも多くリポタンパクにひっつくので、4つめは、血中の総コレステロールが増えます。ネフローゼ症候群の時には血清総コレステロール値が高くなり、250mg/dl以上になります。

 以上、ネフローゼの4つの条件について述べましたが、根本はアルブミンというタンパクが大量に糸球体の傷ついた毛細血管からもれ出てしまうために起こる症状であることが理解できたでしょう。

 次回はこの腎炎の治療に漢方生薬がどのような仕事をするかについて詳しく書きます!

今日はここまでです 2013/07/04

 

 なぜお断りしたかと申しますと、今の自分には未だ、いただいた現象(この場合は腎臓疾患ですね。)、病気やけが、その他の自分に不利益になった事への、なぜそうなったのかの検証や、その貴重な現象に対しての心からのありがとうというものが殆ど皆無なためです。

 

 頑固な自分が、自分で自分を遮っている、そんな感じです。どこまでも偉い自分が中心ですから、自分に起こる不利益な現象など認められないのです。 この偉いそびえ立つ自分を崩すための腎臓疾患であったと、頭では分かるのですが、未だこの心で、ああそうだったと言えないのです。全くもって素直でない人間です。こんな心の状態ですから手記なんてとんでもない。今書いた所で、他の方への何の参考にもならないどころか、己の素晴らしさ偉さを表す事になるだけだとの自覚がありましたから、結論として、未だ手記を書けるような状態ではない。と言う気持ちでした。

 

 しかし電話で松本先生から一喝されました。「ごちゃごちゃ言わんと書け!!」久々の松本節がとても耳に心地良かったです。分かりました。内容はどうあれ今の自分の心境で、ともかく短くとも綴ってみようと思いました。では暫しお付き合い下さい。

 

 自分は2009年9月25日に松本医院の門を叩きましたが、松本医院にご縁をいただくまでの経過を、ざっと記して行きたいと思います。

 

 私は東京で21年間、かなり特殊な職業についていました。長い下積み、厳しい修行。のし上がる為には尋常ではないエネルギーが要りました。そのエネルギーの中身は、人よりも何倍も奮励努力して、限界をつくらず、常に前を向いて・・・と如何にも素晴らしい文句を並べていますが、その実態は人への対抗心、絶対に負けぬという敵対心、更にその奥には敵対心を焚付ける怒りや恨みが物凄い勢いで渦巻いていたのです。そんな凄い思いが自分を突き動かしていました。訳の分からない自信に満ち溢れていました。

 

 しかし、身体の方は、毎年毎年、病気や怪我がとても多かったのです。調子が上がってくると大きな怪我や病気に見舞われる。こんな事が続いていました。その時はよくわからなかったのですが、今思うと、そりゃそうなるなあと納得します。

 

 そんな生活を長く続けていましたが、2008年3月に、長年生活して来た東京から諸事情あって大阪に帰ってきました。大阪ではほぼ無いに等しいその職業での生活は難しい事は分かっておりましたので、知人に紹介いただき、43才にして人生初めての会社員生活を送ることになりました。

 

 何しろ今までが、芸術系、技術系、職人気質の仕事ばかり21年間やってきた訳ですから、会社の社会やルールになかなか溶け込めませんでした。それだけでも十分に胃痛ものでしたが、書籍づくりの仕事柄、パソコンの超達人にならなければならないという、メールを打つのがやっとこさの自分にとっては、冗  談抜きで正しく地獄でした。「拷問」という言葉がぴったりでした。

 

 ページメーカー、フォトショップ、インデザイン、イラストレーター、ドリームなんちゃら・・・・・。嘗ての敵性国である横文字には元々アレルギーを起こす体質の上に、このややこしいソフトをクリアしていくなんて出来る相談じゃあありません。

 

 自分は、今までは全て自己責任で職人技の代償としてギャラをいただいていました。仕事も自分から売り込む事はなく、いただいた仕事をきっちり仕上げる。そういう受身の立場でいました。

 

 しかし会社は商売ですから、お金のやり取り云々がまた苦痛でした。そのための上手な言い方、へりくだった物言い、全てはお金のため。それがうまく出来ないものは会社員としては失格。兎に角、少しでも多くお金を分捕れ!には辟易しました。とは言え、当時はもうこの仕事でしか食べていけないくらいに思っていましたから、自分で自分に与えるプレッシャーは相当なものでした。利益を利益を・・・・・。と。

 

 数ヵ月後、会社の健康診断に行きました。 今まで健康診断で引っかかった事は一度もありません。今回もそんな軽い気持ちで受けに行きましたが、結果は予想外のものでした。 腎臓に異常が出ている、大きな病院へ行って精密検査をするべし、でした。

 

 2008年8月にO病院へ行きました。長時間病院に居るとそれだけで激疲れます。後日の検査結果は、詳しい病名は忘れましたが、なんちゃら慢性腎炎でした。そこで担当の医師が、「腎臓病は肺の病気と同じく一度壊れたら絶対に治りません!」「暫くは薬を飲んで様子が改善しない場合は手術を強くお勧めします!」「それもこれもあなたに透析生活をさせないためです!」等々熱く捲し立てられました。こちらは初めての内蔵の病気で頭の中は余計な心配事で一杯なのに、そうやってどんどん畳み込んで来るので不安が募り、不安から恐怖に転移して行きました。

 

 まずやったことは、食事療法でした。一日のタンパク質はこれくらいとか、自分にとってはとんでもない少量でした。2008年9月からの半年間で簡単に 20キロ落ちました。それまでは80キロ超えの立派な体格でしたが、60まで落ちたのは高校生以来です。毎月3キロのペースでどんどん落ちていくので、一日に何度も貧血が起こり、頭が殆ど回らず、立っていられないほどの体力で、正直仕事なんて出来る状態ではありませんでした。同時に、こんなに簡単に体重が減っていくのが面白くて、ついでに人生未踏の50キロ台を!と目論んでいましたが、ここからが殆ど落ちなくなりました。体調管理を含めて自分の肉体細胞が、自分の肉体を維持出来るように、コントロールしているのだなと感じました。すごいなあ、素直だなあと感心しました。

 

 日に何度も意識が飛びながらも、仕事はきちんとなんとかこなしていましたが、会社側は、どういう訳だか自分を解雇しようとまわりくどい方法で色々要求して来ました。会社としてはあくまで自主退社という形にしたかったのでしょう。要するに嫌味をして自分から辞めるという作戦です。これがまたTVドラマみたいなあり得ない要求の連続でした。そこまでされて会社に残る理由は無かったけれど、こちらも生活がありますし、出版の人間としてある程度育ってきた自覚もありましたから、会社側のやり方に対して気力も体力も無いのに、真っ向勝負で挑んでしまいました。余計に病気はよくなるはずがありません。 最後はまさに自爆するようにして会社を辞めました。敵に突っ込んで行った特攻隊そのものでした。

   

 会社を辞めて、暫くは治療に専念するつもりでいましたが、O病院の先生は兎に角手術を!の手術一辺倒の方。最も自分は手術をしない!が方針でしたから、さてどうやって手術とは違う方法で治療をお願いするかなと思案して、ある日O病院へ行きますと、その先生は突然移動?で岡山へ飛ばされたとの事。へー、そんなこともあるんだと半ば感心しながらも、丁度いい機会だから病院を変え、日本でも屈指の腎臓の専門の医師がいると言うK病院で治療を受ける事にしました。

 

 散々待ってようやく自分の診察。日本トップレベルのそのおばさん先生は開口一番、私に任せれば大丈夫と、胸を張っておっしゃいました。人に向かって言い切れるなんてなかなか出来る事ではありません。凄い自信だなあと思いました。ではどんな治療をするのだろうと期待は膨らみます。おばさん先生は、まず入院の日取りを決めて入院していただき、3日間ずっと点滴でステロイドを流し続けます。それから今後のベストな治療法を模索します。と、胸を張っておっしゃいました。入院の日取りもご自分のペースで決められました。

 

 入院まで約一週間。入院すればステロイド地獄です。医学の素人の自分でもステロイドがどんなものかはだいたい分かります。ステロイドという名前自体の響きもドスの効いた化物みたいなもので好きではありません。「ステロイドン」って怪獣みたいでしょ。かと言って、もう他には病んだ腎臓を治療する手立ては何も無しです。

 

 最早此れ迄。諦めの境地でいた入院3日前。親類の方から、偶然、本当に全くの偶然、松本医院のお話を聞く機会があり、さっそく自宅に帰って松本医院のホームページを読みました。松本先生の書かれている内容が、どれもこれも分かりやすく染み込むように入ってきました。自分の持つ免疫力を上げる事が大切。もう納得!でした。

   

 翌日、K病院へ入院と治療を断る電話をしました。相手は直接には言わなかったけれど、「入院をやめるのは勝手だけど死んでも知らんよ。あんた死ぬよ。」そんな感じでした。

   

 病院と言うところは、患者を脅して恐怖に陥れて、薬や医者に縋り付かせて恐怖でパニックの患者からお金をふんだくるのが商売なのだなと、この時よく分かりました。宗教団体もそんな感じでしょう。医者が教祖で、患者は信者。支配する図式は全く同じです。

 

 そして、2009年9月25日、(この日は自分の誕生日でもありました。) 松本医院にやって来ました。扉を開けたら、すごい漢方薬の匂いがあたり一面に広がります。なんという心地よさ!なんという優しい香り!線香や蝋燭の癒しの香りなんかとは違い、気持ちの奥底まで安心できるようなそんな香りに包まれて、その時、ここで改善するな・・と思いました。

   

 初めてお目にかかる松本先生は、今までの病院の先生とはイメージが全く異なる異色の方でした。なんちゅう声の大きい人だ!不安でいっぱいの患者さん達はこの大音声でまず殆どが治療される筈です。自分もそうでした。全く型破りのこの先生は、自分の中では黒澤明監督の「酔いどれ天使」に出てくる志村喬さんのアル中先生と、「赤ひげ」の三船敏郎さんの頑固先生を足して割ったような方だと思いました。

 

 開口一番、私が治します!と。以前K病院で聞いた同じセリフでしたが、松本先生の音色には一緒に治しましょう。みたいな響きがあり、同じセリフを聞く側としても受け止め方が全く違いました。 この瞬間、西洋医学を捨てました。この先生のおっしゃることなら、常識的には無理難題でも素直に実践しようと決めました。

 

 散々、一生治らないと脅かされ、またそれを信じ込んでしまっていた自分でしたが、帰りの東海道線のなかでは、何だかウキウキしていました。会社との激闘で疲れきっていましたが、人生初のハローワークに通うことになり、仕事に追われるのも暫しやめて、漢方薬治療を始めました。心身ともに疲れきっていたので、ゆっくり休めるのは心地よかったです。 漢方薬を飲む度に、自然の持つ力というか、優しさというか、そういうものを感じながらいただいていました。飲みにくいとは全然感じませんでした。

 

 腎臓疾患は、風邪もそうですが、インフルエンザは超ハイリスクだと以前聞かされており、正直冬の到来は、若干緊張感を持って身構えていました。風邪は回避しましたが、12月についに恐れていたインフルエンザにかかってしまいました。物凄い出血です。尿の色が赤ではなく、焦げ茶色?いえ真っ黒。その色だけ見れば、死ぬかもねと思うくらいの迫力でした。

 

 その旨、電話で松本先生に報告しましたが、「あんたそれで心配になって、西洋医学の所行くんやったら、わしゃかめへんで。あんたの勝手や!」と仰っていましたが、そんな訳ありません!ここで改善させると決めたのですから。ただ自分は報告をしただけです。時々松本先生は熱くなって人の話を聞かずに熱血になることがあります。まあ、そこが松本ファンになる部分でもあるのですが。

 

 数ヶ月に一回のペースで松本医院に通い、血液検査をしていただきましたが、検査をする度に、危険水域にあった数値が明らかに下がっていっています。目に見えてのこの結果ですから、治療も俄然楽しくなります。そうこうしているうちに、私の家族にかなりシビアな問題が持ち上がりました。ここでは記述しませんが、言ってみれば生きるか死ぬかです。

 

 自分は仕事と、生活の両面を支える感じで毎日が慌ただしかったです。そんな事が数年続きました。ふと、そう言えば自分が腎臓疾患の患者で手術をしなきゃならなかった程の状態であったことを思い出しました。自分が腎臓疾患の患者だった事を忘れていました。今では、風邪をひいても、インフルエンザにかかっても、あの迫力ある恐ろしい程の色と出血はありません。健康診断での血液検査の数値も普通です。あの大騒ぎはなんだったのかな・・・?結局、腎臓病だと思っていたのは幻で、本当は元々そんな病気は無かったのでは・・・・。それをあるある、そうだそうだと権力と権威ある医者から言われ、(病院って病気があるある詐欺!?)また自分でもそう思い込み、自分で自分の病気を作り出してしまったのだなあと、そう思っています。

 

 とは言え、私は自分自身の身体に無頓着でした。若い頃から体力は人一倍ありましたから、無理な事でも多少程度ならやってしまう。明らかに無謀でも、それでも達成感を求めて体を酷使し、俺はやり遂げたとか、立派だとか馬鹿な事をやっていました。自分を追い込んで、自ら厳しい環境状況に身を投じ、孤軍奮闘する自分に酔っていました。それでも体が若く、肉体細胞の回復力や治癒力があるときは良かったかも知れませんが、激闘に次ぐ激闘の人生続きで、とっくに肉体細胞は悲鳴をあげていたのです。そんな悲鳴にも全く耳を貸さず、俺は!俺は!とやっていました。自分自身の肉体細胞にどれだけ冷たいかと言うことです。

 

 腎臓疾患という、初めての大きなシグナルを得て、ようやく、本当にようやく自分の生き様の方向転換の途につきました。ですが、そう、まだ序の口です。自分の心の中には、今までの闘う生き方、自分の素晴らしさを表したい自分がまだまだうようよいます。全力で自分は正しい!間違ってなんかない!と絶叫しています。自分の根本を変えていく作業は一筋縄では行きません。実感としてあります。しかし、ここを変えていかない限り、もっと大きな病気などの現象が現れるであろうことも肌で感じています。

 

 偽の自分を卒業して、本当の自分に出会う。人生の嘗てない物凄い課題です。 ですが、そのために生まれて来たのかなぁ・・と少しでも思う限り、やはりやり遂げなくてはならない自分に課した、人生の目的なのだと思います。それがもし達成できたら、ありがとうしかない人生が開けるだろうとイメージ出来ます。その時には、この腎臓疾患を改善してくれた松本先生や松本医院のスタッフさん達に対して、今思っているありがとうじゃなくて、心からの本物のありがとうが、きっと言えると思います。勿論自分にも。

 

 そうなった時、例え数行の短い手記でも、改めて投稿させていただきます。 というわけで、私の手記第一部を終わらせていただきます。

 

 ありがとうございました。

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 アレルギーは医学部の教科書には、現代の医学では治らないと書かれています。何故、一介の開業医である私は治すことができるのに他のお偉い方々は治らないとおっしゃるのでしょうか?いずれにしても、私が如何に大声をあげてアトピ-やリウマチが治るといっても変人扱いされるだけでしょうが、ここに証拠をお見せしましょう。ここで紹介される患者さんの手記は、巷に出ているノンフィクションの本よりも遙に感動的であり、今アトピ-や喘息やリウマチと戦いつつある患者さんの皆さんに大きな励ましとなるでしょう。このホームページを読めば、体の中で起こっている自然の正しい免疫反応を抑制してはいけないのに、見せかけだけを良くするために抑制して生じた薬害の後始末をすることが私の主な仕事となり、完治するのはアトピ-やリウマチだけではなく、同時に他のアレルギ-(アレルギー性鼻炎やアレルギー性気管支喘息やアレルギー性結膜炎)が全て消失してしまうのもお分かりになるでしょう。

 患者さんが経験された厳しい症状などについて医学的な意味付けが赤字でコメントしているものもありますから、私のアトピ-やリウマチの治療法がさらによく理解できると思います。何回も読み返してください。この記録から、ステロイド・抗アレルギー剤・抗ヒスタミン剤・抗炎症剤の免疫抑制剤が一時的に症状を良くしても、結局は見せかけの治療薬に過ぎないことが理解され、とりわけステロイドの乱用によりステロイド皮膚症になった人が、いかにステロイドから脱却し、最後はアトピーやリウマチを治しきってしまうこともお分かりになるでしょう。 

アトピー・リウマチをはじめ、全てのアレルギー・膠原病の治療において、一切ステロイドを使いません。

 それは、ステロイドをはじめとする免疫抑制剤を使っている限り、アトピー(アレルギー)やリウマチなどの膠原病はもとより、全ての病気を治すことができないからです。また、私は何も漢方で治しているのではなくて、正しくは漢方を使って免疫を上げて、患者の免疫を高め続けることによって、自分でクラススイッチをしたり免疫寛容を起こさせたりする手助けをしているだけなのです。漢方が治したり、私が治したりしているのでもなく、あくまでもあらゆる病気は自分の免疫で治しているのです。

漢方治療中(治療中でなくても)、市販の風邪薬は飲まないでください。

 市販で売られている、もしくは他医院で処方された風邪薬の中には、抗ヒスタミン剤や、抗アレルギー剤が含まれています。とりわけ、小児用の風邪薬の中には、必ず、ぺリアクチンという抗ヒスタミン剤が入っています。私のアトピーや花粉症の患者さんの治療が、なぜか長引いてしまうことが時にありました。この方々は風邪を引くたびに、このぺリアクチンの入った市販の薬を服用していた患者さんたちであることがわかりました。これらの風邪薬は、鼻水や鼻づまりなどの見かけの症状を取りながら、同時に、本来のアレルギーを抑制しています。風邪が治ったあと、必ずリバウンドが繰り返され、アトピーをはじめとするアレルギーやリウマチの完治が遅れますので、服用しないでください。

松本医院の「なぜ」

病気とは何でしょうか?

 病気とは、人体に不必要な異物が侵入してきたときにそれを排除しようとする正しい免疫の働きに見られる症状のことを病気だといえば一番わかりやすいでしょう。となれば、病気とは否定的に捉えるのではなくて肯定的に捉えるべきものではないでしょうか?つまり否定されるべきものは侵入してくる異物であり、病気そのものではないのです。言い換えると異物が人体に侵入しない限り、免疫の働きは行使される必要はないのです。この世から人体に必要な5大栄養素と水と空気以外の異物が存在しなければ、病気は絶対に起こらないのです。言い換えると、病気を起こす原因は人体に不必要な異物なのです。

 それでは異物には何があるでしょうか?2種類しかありません。ひとつは、病原細菌であり、ウイルスであります。これらはワクチンと抗生物質で征服されてしまいました。つまり、間単に殺すことができるようになったのです。このために人類の寿命は飛躍的に延びました。ふたつめは何でしょうか?まさに近代化学が作った化学物質であります。この化学物質が人体に侵入したときに、それを排除する免疫の働きの症状がアレルギーとなるのです。

アレルギーとは何でしょうか?

 アレルギーとは環境汚染物質を体内から排除する働きであります。何故アレルギーは増えたのでしょう?環境を汚染する農薬をはじめとする化学物質が極めて多く作り出されるようになったからです。実はリウマチもアレルギーのⅢ型であります。

膠原病とは何でしょうか?

 膠原病はアレルギーと同様、環境汚染物質という同じ敵を排除しようとしています。ただ、膠原病はIgG抗体を用い、アレルギーはIgE抗体を用います。つまり武器を変えて戦っているだけの違いなのです。

アレルギー・膠原病はなぜ治るのでしょうか?

 敵は無限に存在する化学物質や環境汚染物質であり、味方はアレルギーの場合は有限であるIgE抗体であり、リウマチの場合はIgG抗体やリウマチ関連抗体であります。排除しても無限に繰り返し入ってくる化学物質を永遠に排除することは不可能であり、有限は無限に絶対に勝つことはできないからです。ところが現代の医学は異物を排除しようとする免疫の働きを一時的に抑制するだけですから、IgE抗体やIgG抗体やリウマチ関連抗体が再び作り出されいたちごっこになり永遠に戦いが終わらないのです。従って免疫の働きを一切抑制せずにアレルギーの症状を楽にしてあげるだけで最後はIgE抗体やIgG抗体やリウマチ関連抗体が作られなくなるのです。これを発見したのは世界で私が初めてなのであります。これを自然後天的免疫寛容と名付けたのです。

リウマチの患者さんの家族の皆様に

 他医院で治療をされていない初期のリウマチは、「風邪よりも治すのが簡単である」と言っても過言ではありません。しかし、私の患者さんは当院に来られる前に間違った現代医学の免疫を抑制する治療を受けて来られる方がほとんどです。従って、私の治療を始めると、間違って受けてきた治療の度合いに応じて、多かれ少なかれ必ずリバウンドが出現し、それに伴い、痛みが増強します。大量のステロイドを注射されたり飲まされてきた人、長期に渡って他の病院でリウマチ治療を受けてきた人は、激しい痛みのために、自分自身の身の回りの世話が不可能になる事態もしばしば遭遇します。

 そのために、私の治療を受け続けるには、絶対に家族の協力が必要となります。ところが、遠方から来られる方や、お年寄りの方の中には、リウマチ治療の困難さを全く理解せずに、すぐにリウマチが治ると思って気軽に一人で受診される方がいます。実際の治療の困難さや、具体的な私の治療法、何より私自身を知ってもらうためにも、初診時には必ず家族の方と一緒に来て下さい。また、患者さんはもちろん、家族の方も私のホームページに記載されている理論とその証拠である手記を繰り返し読み、私の理論と治療法を理解してから来て下さい。

 また漢方薬だけでは絶対にリウマチを治すことは出来ないのです。他の免疫を上げる鍼・お灸・漢方風呂などを総動員して初めて徐々に免疫は回復し、上昇し、最後はクラススイッチし、自然後天的免疫寛容となるのです。

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